数百社の会社設立をサポートしてきた中で様々な会社設立の失敗を見て来ました。
どんな会社設立に気をつけるべきか?事例を元に見ていきましょう。
目次
会社設立は成功が当たり前だと思っていませんか?
起業や会社設立を考える時、人は成功するのが当たり前だと考えている気がします。
しかし、さまざまな会社設立のお手伝いをしてきた我々は、失敗する事例も数多く見てきました。
ここでは、会社設立に失敗した事例をもとに、会社設立を成功させるためのポイントを説明します。
予め、失敗してしまう可能性やポイントを理解しておくことで、予防策をとることができ、成功に近づくことができます。
逆に、よくある失敗ポイントをおさえておかないと、会社設立や起業に失敗する可能性が非常に高いです。
今回は、5つの事例をもとに、会社設立のよくある失敗をまとめました。
事例①実家の住所にしてしまった失敗
Aさんは1社目の会社の代表であり、本店住所は現住所にしていました。
1社目では融資を受けており、更に融資を受けるために2社目の会社設立をし、本店は実家の自宅住所にしていました。
本店を1社目の現住所と合わせずに実家住所にしたのは金融機関から1社目の別会社を運営していると知られないようにするためとのこと。
2社目の会社設立後
こんなことをおっしゃっていました。
どういうことかというと、全ての書類は本店住所に届きますが、それが本店である実家に届くことになっていました。
書類が届き、ご両親から転送してもらうという流れ。
取引先の方とのやりとりで
- Aさん「あの書類が届かないんですけど・・・」
- 取引先「先日送ってますよ!?」
- Aさん「ああ、そうでしたか。確認してみます」
- Aさん「実家に◯の書類って届いてる?」
- ご両親「確認してみるね」
こんなやり取りがあったようでコミュニケーションコストがかかり大変面倒だとのこと。
この場合の解決策としては
- ①本店住所を変更登記する。
- ②名刺に営業所として受け取りやすい住所にしておく。(本店住所記載する公的書類は対応出来ない場合があります)
- ③現住所を支店登記して、公に取引出来るようにする。
などです。
本店住所は意外と見落としがちな項目ですが、ビジネスの世界で生き残るためには、スピードは非常に大切です。
このため、どうしたら最も効率よく事業を回せるかを考えた上で、どの住所を本店登録し、名刺に掲載するか考えておく必要があります。
様々な選択肢をあることを認識した上で、メリット、デメリットを考えながら最善の選択をすることをおすすめします。
住所に関して、詳しくは、下記の記事でも紹介していますので、ぜひご覧ください。
事例②発起人や株主による融資の失敗
会社設立後に融資の相談が来た実際の出来事です。
設立3期目くらいで確か年商は50億くらいでした。
「利益は数千万出ているが事業投資をしているために継続的に資金投下が必要で融資を受けたい」とのご依頼でした。
「年商50億で利益数千万出て融資が受けたい?自社で融資を受けられるのではないか?」と思ったのですが、実は銀行融資を断られているとのこと。
普通であれば、年商と借入額のバランスを見てもまだまだ融資は受けられるはずです。
銀行から何と言われてるか聞いてみると、「株主が理由で貸し出し出来ません」とのこと。
よくよく聞いてみると株主が警察データか何かで引っかかっているようでした。
株主変更したが、当初の定款には発起人として記載されているため、支配されてるのではないかという見方をされていました。
会社設立する際には発起人(株主)や取締役に入れる方の状態に注意しなければなりません。
定款の発起人には設立時の株主がずっと記載されます。
また謄本の役員には原則、退任した役員の名前は記載され続けます。(消せるケースもありますがそれはここでは割愛します。)
警察データ、信用情報で不利に働くケースがあるからです。
今後の事業展開上、どんな方を役員、株主にするか?を検討する必要があります。
発起人や株主には、最初からきちんと気を払っておく必要があります。
事例③バーチャルオフィスによる失敗
本店所在地をどこにするか?で悩まれる方も多いかと思います。
その選択の一つとして、バーチャルオフィスにされる方も多いです。しかし、注意が必要です。
予めリスクを覚えておきましょう。
バーチャルオフィスにすると途端に口座開設がしづらくなることもあるのです。
実際にお客様はそうでした。
登記住所を検索すると色んな会社がヒットします。
金融機関もどこがバーチャルオフィスか調べることが多いのか、口座開設NGを出してきます。
(もちろん全部が全部NGではなく、銀行ごと支店ごとに判断が異なるためバーチャルオフィスでも口座開設出来てるケースもあります。)
バーチャルオフィスはコスト面や本店住所の立地面もメリットあると思いますが、デメリットも考えておく必要があります。
事例④事業の運転資金が持たない失敗
意外と多いのが、資金がもたないケースです。
日々の運転資金が足りなくなってしまうということです。
起業家で多いのが、アイデアが先行してしまい、経営面や融資にまで頭が回っていない例です。
例えば、「経営者向けの新しいサービスを立ち上げる。事業計画も全て完璧である。」という状態でも、まずは資金集めから始めなくてはなりません。
資金集めと言っても、融資を受ける方法から自分で予め資本金を用意しておく方法まで様々あります。
この資金集めをきちんと行い、事業を軌道に乗せるまでの運転資金をきちんと確保しておくことが必須です。
アイデアが先行してしまうタイプの起業家や経営者の方には、融資や資金繰りの相談先を見つけておくことがおすすめです。
下記記事で紹介しているような、無料の相談場所もおすすめですし、顧問弁護士をつけることや会社設立の代行会社に設立後もアドバイスをもらうことも可能です。
事例⑤借金返済・貸し倒れ・倒産の失敗
一番気を付けたいのが、倒産してしまうことです。倒産してしまったら、会社経営も何もありません。
しかし、中小企業が設立から10年で倒産する確率は9割以上だと言われています。
参考までに会社存続率のデータを見てみましょう。
会社存続率データ
- 設立5年後の存続率…14.8%
- 設立10年後の存続率…6.3%
- 設立20年後の存続率…0.4%
- 設立30年後の存続率…0.021%
会社を5年継続して経営できるのは、わずか7社に1社程度なのです。
起業前や会社設立前のチェックリスト
ここまで失敗事例を紹介してきましたが、では、起業や会社設立を成功させるためには、どのようなことが必要なのでしょうか。
チェック項目にしましたので、ぜひ確認してみてください。
項目 | 内容 |
---|---|
ビジネスモデル | “ビジネスモデル”として成立しているか |
会社名 | 会社名が決まっているか |
“ビジネスモデル”として成立しているか
最も重要な項目が、「“ビジネスモデル”として成立しているか」だと言えるでしょう。
ビジネスモデルになっているのかどうかチェックするには、ニーズがあるかどうかを考えるのがおすすめです。
多少の質が悪くても、世にニーズさえあれば、ビジネスモデルとして成り立つと言っても過言ではありません。
「市場のニーズは十分にあるのか?」「顧客を自社に呼び込む方法の手立てがついているのか?」確認しておくと良いでしょう。
会社名が決まっているか
会社名も、最初に満足がいくものを決めておく必要があります。
後から変更するのは面倒なだけでなく、顧客の認知を逃すなどデメリットが多いです。
最初から最適な会社名を決めておきましょう。
会社名を決める際は、下記の記事なども参考にしてください。
まとめ
以上、具体的な会社設立の失敗事例を説明してきました。
ここで紹介したことは意外とよくある失敗事例です。
同じ失敗をしないよう、これから会社設立をする皆さんは気をつけてください。
しかしながら、「起業がはじめて」「会社設立の手続きが全くわからない」という方もいると思います。
そういった方は、会社設立の代行会社にまずは相談するのがオススメです。
当社では、
「会社設立の手続きをやったことがないので全くわからない」
「会社経営についてわからないことが多いので、まずは相談したい」
といった方向けに、会社設立のお手伝いをしております。
設立後の資金繰りや融資についても幅広くご相談いただくことが可能です。
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