個人事業主の納税額を抑えるためには、さまざまな節税対策を行うのが効果的です。
そんな節税方法の1つとしてふるさと納税があります。
実際にふるさと納税の活用を検討している人は多いのではないでしょうか。
そこで、ふるさと納税を利用するメリットや利用方法、注意するべき点などについて解説します。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは何なのか基本的な点について解説します。
自分が住んでいる地域以外の自治体に寄付できる制度
ふるさと納税とは自分が住んでいる地域とは異なる自治体へ寄付できる制度のことです。
日本各地の自治体から自由に選んで寄付できます。
地方創生を目的とした制度であり、2008年の5月からスタートしました。
ふるさと納税により所得税の還付と住民税の控除を受けられる
ふるさと納税の特徴は寄付した金額に応じて税金の還付・控除を受けられることです。
すべての事業者が利用できる制度であり、確定申告の際に手続きをすれば適用されます。
ただし、寄付金控除には限度額があり、おおむね住民税所得割額の2割程度です。
寄付の返礼品をもらえる
ふるさと納税が注目された大きな理由の1つが寄付の返礼品をもらえる点です。
当初はふるさと納税の制度で返礼品は想定されていなかったのですが、寄付者に対して地域の特産品などを返礼品として送る自治体が増えました。
その結果、返礼品をアピールして寄付者を増やそうとする自治体が増えていき、今では返礼品のためにふるさと納税を利用する人がたくさんいます。
寄付金の使い道を指定することも可能
ふるさと納税では寄付金の使い道を指定することが可能です。
自治体に対するクラウドファンディングの役割を果たしています。
多くの自治体はあらかじめふるさと納税の使い道の選択肢を用意しており、その中から選ぶシステムが一般的です。
教育から文化、環境保全、子育てなど多岐にわたる使い道が用意されています。
個人事業主もふるさと納税を利用できる
ふるさと納税はあらゆる人が利用できる制度です。
個人事業主や法人でも利用できます。
そのため、個人事業主の節税対策の方法としてふるさと納税は効果的です。
個人事業主はふるさと納税で節税できる
ふるさと納税で個人事業主がどのように節税できるのか詳しく説明しましょう。
寄付金のうち2,000円を超える部分について全額控除を受けられる
ふるさと納税では寄付金のうち2,000円を超える部分について全額控除を受けられる制度となっています。
そのため、1万円や2万円など比較的少額の寄付であっても、節税効果を期待できるのです。
ただし、控除される金額には上限があります。
事業所得によってふるさと納税の控除上限額が決まる
ふるさと納税は控除される金額に上限が決まっています。
控除上限額は事業所得により異なるため注意しましょう。
控除上限額を超える寄付をした場合は、超過した分について税金の還付・控除を受けることはできません。
ただし、寄付そのものについては特に上限はないです。
ふるさと納税の控除上限額は住民税の2割程度が目安
個人事業主の場合は、ふるさと納税の上限額は住民税所得割額の2割程度とされています。
住民税所得割額は課税所得の1割です。
したがって、課税所得が300万円であれば、控除上限額は約6万円と考えましょう。
控除上限額については、自分であらかじめ計算をする必要があります。
ふるさと納税を利用する際に、どれくらい寄付をすると控除上限額をオーバーするのか自治体が教えてくれるわけではないからです。
個人事業主のふるさと納税の控除上限額は給与所得者よりも大きい
一般的には給与所得者よりも個人事業主の方がふるさと納税の控除上限額は大きいとされています。
給与所得者は給与所得控除で大きく所得を抑えられるのですが、個人事業主には給与所得控除はないからです。
ただし、実際には個人事業主でもかなり経費が多いケースもあります。
所得金額が大きいほどふるさと納税を利用するメリットは大きくなるでしょう。
ふるさと納税の利用方法
ふるさと納税を利用するための方法を説明します。
自治体を決める
ふるさと納税を利用するならば、まずどの自治体に寄付金を送るのか決める必要があります。
たとえば、自分の故郷の自治体に寄付金を送る人は多いです。
故郷の財政を支えるための貢献ができます。
あるいは、自分が魅力を感じる返礼品を用意している自治体に寄付するという決め方もあります。
各自治体は独自の返礼品を準備しており、人気の高い返礼品には多くの寄付金が寄せられているのです。
下記のような種類の返礼品があります。
- 食品
- 日用品
- お食事券や招待券、優待券など
- 美容品
- ファッション
- 工芸品
その地域の特産品からティッシュなどの日用品、ツアー旅行の優待券などさまざまな返礼品があるのです。
いろいろな自治体の返礼品をチェックしてみましょう。
自治体のホームページの申し込みフォームに入力をする
ふるさと納税の寄付をする自治体を決めたならば、ホームページにアクセスしましょう。
ふるさと納税の申し込みフォームが用意されているため、そこで必要事項を入力します。
下記のような項目について正確に入力しましょう。
- 氏名や連絡先など
- 寄付金の使途
- 氏名や住所の公表の可否
- カタログ送付希望有無
- 納入方法
- 関係書類の送付先
ふるさと納税を実施する自治体の多くは毎年運用状況の公表をしています。
その中で寄付者の氏名などを公表するケースは多いです。
公表して欲しくないならば、申込みの際に断っておきましょう。
また、実際にふるさと納税を納入するための方法を選べます。
基本的にはクレジットカードや郵便局、銀行振込などの方法が用意されています。
ふるさと納税をする
申し込みをしたときに指定した方法によってふるさと納税の納入をしましょう。
クレジットカードで納入するとポイントが還元されるケースが多いです。
振込手数料がかからず、24時間365日いつでも支払いができるため、基本的にはクレジットカードを利用することをおすすめします。
返礼品や寄付金受領証明書などを受け取る
ふるさと納税の納入をすれば、返礼品や寄付金受領証明書などが送られてきます。
返礼品の届く時期は、指定した返礼品の種類や自治体によって大きく異なるため注意しましょう。
通常は2週間から1ヶ月程度、返礼品によっては半年以上先になる場合もあります。
寄付金受領証明書は返礼品とは別に送付されます。
申込みが完了してから2週間から1ヶ月程度で寄付金受領証明書を受け取れるでしょう。
税金の控除・還付を受けるために寄付金受領証明書は必要なため失くさないようにしてください。
個人事業主がふるさと納税を利用する際の注意点
個人事業主がふるさと納税を活用する際の注意点を紹介します。
所得によって控除上限額が変動するため事前に計算しておく
事業所得によって控除上限額は変わります。
その年の所得を基準にして控除上限額が決められるため注意しましょう。
年度の途中にふるさと納税を利用する場合は、その年の所得金額が決まっていないため予想するしかありません。
その時点までの月々の売上や前年の所得などを参考にして所得金額を概算しておきましょう。
先にお金を払ってから後で控除を受けるため一時的にお金が減る
ふるさと納税は申込みをしてからすぐにお金を納入します。
そして、実際に控除を受けるのは翌年です。
そのため、ふるさと納税を利用すると一時的にお金が減ります。
控除を受けた恩恵が得られるのは翌年の所得税や住民税を支払うタイミングです。
多くの控除を受けるためにふるさと納税をたくさん利用して、事業の資金繰りに影響が出ないように注意しましょう。
確定申告の際には寄附金控除の欄に合計額を記入する
ふるさと納税による控除を受けるためには、確定申告の際に寄付金控除の欄に寄付をした合計額を記入すれば良いです。
自主的に申告をする制度であり、自動的に控除が適用されるわけではないため注意しましょう。
万が一、寄付金控除の申告を忘れたとしても、確定申告をしてから5年以内は更正の請求の手続きができます。
しかし、手続きのために多くの書類を用意する必要があり手間がかかります。
そのため、確定申告で忘れずに寄付金控除しておきましょう。
確定申告書に寄付受領証明書を添付して提出する必要がある
ふるさと納税による寄付金控除を受けるためには確定申告書に寄付受領証明書を添付しなければいけません。
もし寄付受領証明書を紛失した場合は再発行することができます。
ただし、再発行には時間がかかり、確定申告に間に合わない可能性もあるでしょう。
その場合は、寄付金の受領の写しを代わりに添付して、後日あらためて寄付受領証明書を税務署に提出することになります。
ふるさと納税を利用した場合は、寄付受領証明書をきちんと保管しておきましょう。
税金について気になる点は専門家に相談しよう
ふるさと納税以外にも個人事業主が節税する方法はたくさんあります。
節税対策は専門的な知識が必要なため専門家への相談がおすすめです。
専門家であれば、それぞれに最適な節税対策を提案できます。
また、節税のために会社設立をするべきかどうかアドバイスももらえるでしょう。
会社設立について相談したいならば、経営サポートプラスアルファにお任せください。
これまで会社設立のプロとして多くの実績があり、設立相談から設立代行、節税対策まで幅広く対応できます。
まずはお気軽に経営サポートプラスアルファまでご相談ください。
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個人事業主はふるさと納税を活用して節税しよう
ふるさと納税は単に返礼品をもらえるだけではなく節税に活用することができます。
節税を考えている個人事業主の方はふるさと納税を有効活用しましょう。
また、その他にも節税の方法はたくさんあり、特に会社設立をすると大きな節税効果を期待できます。
会社設立について気になる方は経営サポートプラスアルファにご相談ください。
会社設立の専門家であり、税理士法人のため節税にも専門的に対応できます。