定款を作成する際、紙ではなく電子定款で作りたい、と考えている方も多いのではないでしょうか。
今回は電子定款の具体的な作り方を紹介するとともに、電子定款にするメリットや思わぬ落とし穴について解説します。
電子定款とは
定款とは、会社の基本原則や事業内容、本店所在地などを記した「会社の憲法」とも呼ばれる重要な書類です。
会社を設立する際には、この定款を作成し、公証役場で認証を受けた上で登記書類とともに法務局に提出する必要があります。
この定款を電子化、すなわちPDF化したものが電子定款です。
以前は定款の提出は紙でしか認められていませんでしたが、平成19年より電子定款でも認証を受けることが可能になりました。
電子定款を利用することで定款の収入印紙代4万円が不要になるため、場合によっては会社設立費用を節約できます。
電子定款の作り方
電子定款作成前に用意するもの
電子定款は、作った定款をPDF化すればそれで終わり、という訳ではありません。
会社を設立する本人が作成したことを証明するため、電子証明書を含む様々なものを予め用意しておく必要があります。
具体的に必要なものは以下の通りです。
マイナンバーカード
以前は電子定款を作る際には住民基本台帳カードが必要でしたが、マイナンバー制度の開始に伴う住民基本台帳カード制度の廃止により、現在ではマイナンバーカードを用意する必要があります。
紙で記載されたマイナンバー通知書では意味がないので注意してください。
マイナンバーカードは郵送やオンラインからも簡単に申請することができますが、発行までに時間がかかる可能性があります。
電子定款の作成を考えている場合には早めにマイナンバーカードの申請を済ませておくのが賢明です。
電子証明書
電子定款を作成するためには電子署名を挿入する必要がありますが、さらにその電子署名を挿入するために電子証明書が必要です。
この電子証明書はマイナンバーカードに標準で搭載されていますが、利用するためには自治体での手続きが必要です。
マイナンバーカードと印鑑があれば、無料で電子証明書の利用手続きを行うことができます。
ICカードリーダライタ
ICカードリーダライタとは、ICカードを読み込むための機械です。
マイナンバーカードを読み込むために必要になるため、予め用意しておかなければなりません。
ただ、マイナンバーカードに対応していないICカードリーダライタもあるため注意が必要です。
電子定款を作る手順
定款を作成する
電子定款とは、あくまでも定款をPDF化したものにすぎません。
このため、当たり前ですがまずは定款の原本を作成します。
ただ、もしこの段階で定款にミスがあると、認証を申請した時に差し戻しを受けるリスクがあります。
認証を再申請する場合、再び認証手数料5万円を支払わなければならないため、定款の原本を作成したら一度公証役場にチェックしてもらうのが賢明です。
定款をPDF化する
Wordやグーグルドキュメントなど、ドキュメント形式で作られた定款を、PDFに変換します。
PDFに変換するソフトはたくさんありますが、電子署名を挿入する機能が付いているものを選ぶ必要があります。
代表的なものがAdobe Acrobatです。
電子署名の挿入方法など、機能の解説が付いているためオススメです。
マイナンバーカードを読み込む
電子証明書の利用手続きを済ませたマイナンバーカードを、ICカードリーダライタで読み出します。
電子署名プラグインソフトで定款に署名
マイナンバーカードから読みだした電子証明書の内容を、PDFに付け加えて、電子定款が作成可能です。
電子証明書をPDFに付け加えるためのソフトは、法務省のホームページから無料でダウンロードできます。
出来上がった電子定款はオンラインで認証申請を行い、認証が完了したら公証役場から定款を受け取ります。
電子定款を取得するメリット
- 収入印紙代4万円を節約できる
- インターネットを使った設立手続きの知識が身につく
電子定款を取得する一番のメリットは、定款の収入印紙代を節約できることです。
紙で定款を作成した場合に必要となる収入印紙代4万円が電子定款の場合は無料になります。
会社設立費用を節約したいと考えている方にとっては、非常に大きな差に感じることでしょう。
しかし、この差だけを見て安易に電子定款を作成しようとするのは早計と言わざるを得ません。
そもそも、電子定款を作成するためにはPDF変換ソフトやICカードリーダライタを購入しなければならないため、実際には4万円も差額は生まれません。
さらに、電子定款を作成するのは非常に大変です。
特にPCソフトに関して知見が浅い方が自力で電子定款を作成する場合、非常に手間がかかります。
また、マイナンバーカードを持っていない場合は交付まで待たなければならないため、会社設立が遅れることも覚悟しなければなりません。
このように電子定款を作成するためには手間・時間・お金がかかってくるため、収入印紙代の4万円が不要になる点を考慮しても、個人で電子定款を作成するのはオススメできません。
電子定款の作成は専門家へ
上述のように、電子定款を個人で作成するのは工数が大きすぎるためオススメできません。
しかし、電子定款の作成をしてくれる会社設立の専門家に依頼すれば、工数を割かずに電子定款を作成できます。
依頼費用も自分で電子定款の作成に必要な機会を揃える費用よりも安い場合がほとんどです。
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