せどりをしていると税務調査が入ることがあるのか不安になる人は多いでしょう。
実際に税務調査を受けることになったならば何をすればいいのかわからず悩む人はたくさんいます。
そこで、この記事ではせどりをしている人のために税務調査の注意点や対策などをまとめました。
目次
せどりが税務調査を受けるケースはある
せどりをしていて税務調査を受けるケースはあります。
この点について詳しく解説しましょう。
税務調査はすべての事業主を対象にしている
せどりはあらゆる納税者を対象として行われるものです。
法人だけではなく個人事業主で税務調査を受けた人もたくさんいます。
税務申告をしている人が正しく帳簿をつけて所得を申告できているのか調査をするのが目的です。
そのため、事業としてせどりを進めている人も当然税務調査を受ける可能性はあります。
無申告でも税務調査されるケースがある
せどりをしている人の中には無申告の人がいるかもしれません。
現金で取引しているわけではなく、ネットでやり取りをしているだけだからバレないと考える人は多いです。
しかし、税務調査では申告している者だけではなく、無申告の疑いのある人も調査します。
そのため、無申告だから問題がないと考えてはいけません。
さまざまなルートから情報収集をして、無申告の疑いのある人に対しても税務署はしっかりと調査するのです。
悪質な申告漏れには大きなペナルティが課される
税務調査で申告内容の誤りを指摘されると修正申告をして罰金を支払う必要があります。
また、故意に不正をしていたと判明すればより大きなペナルティが課されることがあるのです。
意図的に所得を誤魔化して過少申告していた場合は脱税しているとみなされ刑事罰の対象になります。
国税庁はあらゆる会社や金融機関を調査しているため無申告でもバレる
どうして無申告のせどりがバレるかというと、国税庁はあらゆる会社や金融機関より情報を集めているからです。
せどりをするためには金融機関とお金のやり取りをします。
その記録は国税庁が本人の同意なく調べることが可能です。
また、せどりで利用しているオークションサイトなどの情報照会も国税庁は行っています。
ホームページやブログ、SNSなどのチェックも実施していて、あらゆる方向から情報を集めることで不正を追求するのです。
そのため、無申告でせどりをしているとバレるのは時間の問題でしょう。
せどりで税務調査が入り問題があったらどうなるのか?
もしせどりをしていて税務調査が入り問題が発覚するとどうなるのか説明しましょう。
追徴課税を受ける
税務調査を受けて申告内容の誤りが見つかると追徴課税を受けます。
追徴課税とは、正しい納税額と申告した税額の差額分に罰金を加えた税額を徴収されることです。
罰金には延滞税と加算税があります。
延滞税は税金が期限までに納付されなかった場合に、日数に応じた利息に相当する金額のことです。
加算税とは、行政制裁のようなものであり、申告漏れの内容に応じて4種類あります。
加算税には、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税があり、重加算税が最も税率が高いです。
故意に申告漏れを起こしたケースは悪質であると判断されて重い罰金が課せられます。
悪質なケースでは刑事事件として扱われる
税務調査を受けて申告内容の誤りが見つかると、それが悪質なケースであるかどうか判断されます。
単なるミスで少額の申告漏れが見つかった程度では悪質なケースとみなされません。
一方、故意に申告内容を誤魔化して大きな金額の税金を逃れようとした場合は悪質であり刑事事件として扱われます。
脱税をした場合の罰則について
収入を隠したり経費を架空計上したりした場合は脱税とみなされます。
脱税に関連する犯罪と罰則は下記の通りです。
脱税の罪の種類 |
行為 |
罰則 |
---|---|---|
単純無申告ほ脱犯 |
法定の期限までに申告書を提出せず税金の納付を免れた |
・5年以下の懲役 |
ほ脱犯・受還付犯 |
偽りその他不正の行為によって税金の納付を免れた、税金の還付を受けた |
・10年以下の懲役 |
罰金については脱税した金額と同額まで引き上げられるケースもあります。
上記の罰則は追徴課税とは別に課せられるものであり、かなり重いペナルティといえるでしょう。
税務調査の件が職場にバレる可能性
職場に内緒でせどりをしていて税務調査を受けると副業がバレるのではないかと不安になる人がいるでしょう。
基本的に税務調査は納税者本人に通知が来て行われます。
税務調査が実施されたことが情報公開されることはないため、職場にバレる可能性は低いです。
ただし、税務調査により脱税が発覚して刑事罰を受けることになれば、報道される可能性もあり職場にバレるリスクがあります。
せどりで確定申告をする際の注意点
せどりをしていて確定申告する際に注意するべき点を解説しましょう。
本業のせどりは控除額を超える所得を得た場合に確定申告が必要
確定申告は控除を超える所得を得たときにしなければいけません。
控除額はせどりが本業か副業かで異なるため注意しましょう。
本業でせどりをしている場合は基礎控除額が48万円です。
また、青色申告を選んでいる場合は、さらに青色申告の控除額も加えて判断します。
せどりの所得から控除額を引いた金額に税金がかかるのです。
そのため、控除額を差し引いてマイナスであれば税金はかかりません。
副業のせどりは所得が20万円を超えたら確定申告が必要
サラリーマンが副業でせどりをしている場合は、給与所得以外の所得が20万円以下の場合は確定申告が不要です。
副業の所得が20万円を超えると所得税の確定申告をする必要があります。
また、副業の所得が20万以下の場合でも住宅ローン控除など特別な控除を受けたいときは申告する必要があります。
ただし、副業で所得20万円という基準は所得税に関するものです。
住民税に関しては1円でも副収入が発生すれば申告しなければいけません。
この場合は、住民税の申告を行います。
せどりの経費を計上する際には証拠が必要
せどりについて確定申告する場合は経費を計上して所得を減らすことができます。
ただし、経費計上は請求書などの証拠が必要です。
また、その費用が事業にどうしても必要なものであると説明できなければいけません。
事業に関連しない支出を経費にしてはいけないのです。
期限内に申告できなくても期限後申告は可能
せどりの収入について確定申告が不要であると勘違いしているケースはよくあります。
この場合は、確定申告の期限を過ぎていたとしても期限後申告は可能です。
期限後申告の場合には罰則があります。
申告が遅れれば遅れるほど罰則が重くなるため注意しましょう。
税務調査で無申告が発覚するとさらに重い罰則を受けるケースがあるため気をつけてください。
税務調査で注目される点
せどりの税務調査でどのような点が注目されるのか説明しましょう。
すべての売上を正しく申告しているか
税務調査では売上が不足なく申告されているか調べられます。
また、売上が正しく申告されているのかも確認されるのです。
売上は経費を差し引く前の金額です。
そのため、オークションサイトなどの手数料を引く前の金額を申告しなければいけません。
売上の計上漏れがあれば納税額は大きく変わるため、売上には注意しましょう。
仕入れや経費がどれくらいあるのか
せどりでは多くの商品を仕入れることになります。
売却した商品の購入費用は売上原価となり重要な経費です。
また、オークションやフリマアプリ等を利用するための手数料、商品を仕入れるための交通費、商品の発送にかかった送料や梱包費なども経費に含まれます。
これらの経費が正しく計上されているか、架空の経費が計上されていないか税務調査で詳しく調べられるのです。
在庫管理が適正に行われているか
せどりでは多数の在庫を抱えるケースがあるため、在庫管理が適正に行われているかも税務調査で注目されます。
在庫が決算期末に残っていると経費にはならず利益となるため税金の対象になるのです。
もし意図的に在庫の数を誤魔化せば脱税することもできます。
そのため、在庫管理について税務調査で徹底して追求されるのです。
せどりで税務調査を受ける際の対策
せどりで税務調査を受けることになった場合の対策を紹介しましょう。
無申告ならすぐに申告をする
もし申告していなかったならば、すぐに自分で申告をしましょう。
税務調査で無申告を指摘されると重い罪に問われます。
自主申告でも罰則はあるのですが、税務調査後に申告するよりも罪は軽くなるのです。
過去の帳簿や請求書などを整理しておく
税務調査では過去の帳簿や請求書といった書類の提出を求められるため、きちんと整理しておきましょう。
法律で義務とされている過去7年分の書類の整理をすることが大切です。
書類を整理しておけば一部の書類の紛失が見つかることもあります。
その場合は再発行するなど急いで対処しましょう。
指摘されやすい点について根拠資料を用意しておく
せどりの税務調査では仕入れや経費について特に追求されやすいです。
そのため、根拠となる資料をしっかりと用意しておきましょう。
請求書や領収書などをすべての取引について用意してください。
領収書がない経費についても、利用明細やメールなどできる限り資料を準備しましょう。
税務調査を受ける前に税理士に相談しよう
せどりで税務調査を受けるならば事前の対策が肝心です。
しかし、自分で対策を進めようと思っても、税務調査でどんな点をチェックされるのか、どんな準備が必要なのかよくわからない人がほとんどでしょう。
そこで、税理士に相談することをおすすめします。
税理士であれば、事前にあなたの帳簿や過去の申告書類をチェックして、税務調査への対策を進めてくれるからです。
せどりで税務調査が不安なら専門家に相談を!
せどりをしていて税務調査を受けるケースは珍しくありません。
ネット上での取引も国税庁はしっかりと監査しています。
正しい内容の申告をすることが大切であり、税務調査にもきちんと応じなければいけません。
税務調査が行われることになり不安ならば専門家に相談しましょう。
特に税理士であれば専門家としてアドバイスや対策のサポートを実施できます。
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