薬剤師として働いている方の中には、薬局を開業したいという方もいるのではないでしょうか。
薬局を開業して軌道に載せることができれば、薬剤師として薬局に勤務するよりも、高い収入を得ることができます。
一方で、初期費用がかかることもあるなど、リスクが大きいのも事実です。
今回は、薬局を開業した際の収入や必要な費用等について、解説します。
薬局を開業した際の年収の目安は?
まずは、薬局を開業した際の年収の目安についてご紹介します。
順調に運営できた場合の目安
順調に薬局を運営できた場合の年収の目安は、約1000万円から1500万円と言われています。
目安となる月の売上が250万円から300万円に対し、店舗の家賃や薬の費用などの諸経費が200万円程度かかり、100万円程度を役員報酬に回すことができるイメージになります。
しかし、薬局として開業する場所などでも影響するため、あくまで目安として考えると良いでしょう。
参考:https://job-medley.com/tips/detail/1136/
薬剤師の平均年収
平成28年賃金構造基本統計調査によると、薬剤師の平均年収は約544万円です。
日本の平均年収が約400万円であることを踏まえると、比較的高い傾向にあります。
また、薬剤師の中でも就職先別に平均年収が異なります。
就職先 | 平均年収 |
---|---|
企業(製薬会社など) | 650~1,000万円 |
ドラッグストア | 450~750万円 |
調剤薬局 | 450~700万円 |
病院(大学病院、国公立病院など) | 400~650万円 |
参考:https://www.hop-job.com/pharmacist/post-3468/
薬剤師の中でも外資系のMR職は特に年収が高く、30才で年収1000万円を超えることもありますが、それでも開業に成功した、薬剤師にはやや劣る、ということがわかります。
このため、薬局を独立、開業することはリスクがある一方で、平均年収よりもはるかに高い収入を得るチャンスがあるのです。
・順調に開業できた場合は、年収1000万円〜1500万円の収入が見込める。
・薬剤師の平均年収は、約544万円である。
・給料が高い外資系のMR職は、約1000万円の年収がある。
薬局の開業に必要な許可や資格は?
続いて、薬局の開業に必要な許可や資格についてご紹介します。
薬局開設許可
薬局を開設するためには、薬局開設許可申請書を記入し、自治体に提出する必要があります。
記入する際には、必要事項を事前に確認しておき、記入漏れがないように注意しましょう。
保険薬局の指定
調剤薬局を開業する場合、国の公的保険に基づいた処方箋の受付ができるようにするために、厚生労働大臣から保険薬局の指定を受ける必要があります。
保険薬局でない場合は、医薬品の販売を行うことはできるものの、調剤をすることができません。
このような薬局が、一般的にドラッグストアと呼ばれます。
ドラッグストアを開業する場合には、保険薬局の指定は不要です。
薬剤師の資格
保険薬局を開業するためには、調剤に関わる全員が薬剤師である必要があります。
一方で、薬局の経営者が薬剤師である必要はありません。
このため、薬剤師でなくても薬局の開業はできるのです。
・薬局を開業するために、薬局開設許可申請書を自治体に提出する。
・厚生労働大臣から保険薬局の指定を受ける必要がある。
・調剤に関わる全員と店舗管理者が薬剤師である必要がある。
薬局の開業にかかる資金や費用はどのくらい?
薬局の開業には、多額の初期費用がかかります。
起業や開業をする業種によっては、店舗の費用がかからなかったりなど費用を抑えられることもありますが、薬を調剤し、お客さんに提供する薬局では、様々な資金や費用がかかります。
ここでは、薬局の開業にかかる費用について、解説します。
店舗の物件の費用
まず、薬局の店舗となる物件の購入、もしくは賃貸の費用が発生します。
最低でもお客さんが待つスペースや、薬を調剤するスペースが必要なため、狭い物件で初期費用を節約するのは難しいでしょう。
また、初期費用を気にしてあまりにも狭い薬局にしてしまうと、お客さんが訪れにくくなり、将来的な収益に影響する可能性があります。
初期費用を抑える視点も持ちつつ、将来的にどのくらいお客さんが来る想定なのかどうかを考えた上で物件を選ぶことが大切です。
内装や外装の工事費用
物件を選んだ後も、内装や外装の工事費用がかかります。
特に薬局は、清潔感や居心地の良さでお客さんがついてくれるかどうかに大きく影響するため、しっかりと工事を行う必要があります。
このため、内装・外装工事費用としては500万円〜1000万円程度が必要になることもあるでしょう。
販売する医薬品の購入費用
店舗ができたら、商材である医薬品を購入する必要があります。
規模や立地によっても異なりますが、200万円〜500万円程度は見積もっておく必要があるでしょう。
人件費・設備費
その他、人を雇う場合には人件費がかかります。
また、薬剤の保冷庫や薬を入れる袋や紙、コピー機など必要な設備を揃える必要があります。
あらかじめ、どのくらいの人員が必要なのか、設備には何が必要なのかを開業する前に計画しておくことが大切です。
・薬局はイメージや清潔感が大切なため、外装や内装にこだわると良い。
・販売する医薬品の購入を済ませておく必要がある。
・コピー機、薬剤の保冷庫など、設備にかかる費もある。
薬局の開業で失敗しないためのポイント
薬局の開業で失敗しないためには、どのようなことが必要なのでしょう。
ポイントは以下の通りです。
開業する立地を工夫する
薬局において立地は、重要です。
いくら内装や接客にこだわったとしても、近くに病院がない場合は、処方箋をする患者が来ない可能性が高く、売上に大きく影響します。
周辺に競合となる薬局がないか、大きな病院が近くにあるかなどを見極めて開業することが大切です。
清潔感のある薬局にする
薬局は、基本的には立地や接客を除いて、差別化が難しいです。
基本的には症状に対して提供する薬は変わりません。
このため、清潔感があるかどうかという点がお客さんの数に影響することもあるでしょう。
法人で開業をする
薬局を開業するためには、多額の初期費用が必要になるため、基本的には融資を受けやすい法人で開業をすると良いでしょう。
法人で開業をすれば、軌道に乗ってきたタイミングで節税をすることも可能です。
開業に関するサポートを活用する
薬局を開業する際、物件や内装の決定、人員を雇うかどうかの決定など、やらなければならないことが非常に多いです。
このため、会社設立の手続きや節税対策の準備は、無理に自分で済ませようとせず、専門家に相談すると良いでしょう。
自分で会社設立をする場合と比べてミスがないだけでなく、設立費用が安くなることもあります。
・薬局を開業する際には、立地の選定が大切である。
・競合の薬局と差別化するために、清潔感のある作りにすると良い。
・法人で開業する際は、専門家を活用することで、安く法人を設立できる。
薬局を開業したいと考えているなら
薬局を開業して成功するためには、競合との差別化を図る必要があります。
しかし、薬局を開業する上で、差別化をできるポイントは少ないです。
このため、主に立地や店舗スペースの広さ、清潔感などにこだわる必要があるでしょう。
開業を行うタイミングでは、これらの選定に力を入れる必要がありますが、一方で、開業の手続きをする業務も同時に行う必要があります。
この際、負担を減らすためにも、業務をワンストップで行うことができる、経営サポートプラスアルファを活用すると良いでしょう。
経営サポートプラスアルファでは、最短1日で完了するだけでなく、無料で会社設立の代行をすることが可能です。
LINEやチャットワークから無料で相談することもできるので、忙しい方も問題ありません。
薬局を開業したいと考えている方は、ぜひ一度お問い合わせください。