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日本政策金融公庫の創業融資における必要書類|流れと審査についても解説します

日本政策金融公庫の創業融資における必要書類|流れと審査についても解説します

✔︎日本政策金融公庫の創業融資に必要な書類が知りたい
✔︎書類をどこで手に入れればいいかわからない
✔︎書類にどんなことを記入すればいいのかわからない
✔︎申し込みの流れもついでに知っておきたい
✔︎融資を実行してもらうために必要なことは他にある?

上記のような疑問や悩みを抱えていませんか。
日本政策金融公庫(日本公庫)の創業融資を利用しようと考えたときに真っ先に必要となるものは書類。
融資を利用する第1ステップだと言えるでしょう。
とはいえ、創業融資の書類集めには様々な疑問や悩みがつきものです。

上記のようなお悩みを抱えて本記事にたどり着いた方も多いことでしょう。

そこで本記事では、日本政策金融公庫の創業融資(新創業融資)の必要書類に焦点を当てて、以下のような内容をお届けします。

・新創業融資で申し込み時に必要な書類
・面談時までに準備する書類
・実際に新創業融資を受ける流れ
・融資を受けるために重要な3つのポイント

本記事を読み終わる頃には、新創業融資を受ける際に必要な書類と、その手に入れ方、記入の仕方などが分かり、書類作成に困らなくなります。
また、実際の新創業融資を受けるための流れもわかるので、読み終わったあとすぐにも融資を受ける準備ができるでしょう。
さらには、融資に重要なポイントも理解でき、他の創業融資を受けたいと考えているライバルと比べて一歩リードすることができるはずです。

そもそも創業融資にどんな書類が必要かわからないという方や、どのように書類を集めれば良いのかわからないとお困りの方は、本記事をぜひ最後までご覧ください。

新創業融資で申し込み時に必要な書類

新創業融資を受けるためには、まずは日本公庫に融資の申し込みを行います。
その際に以下の書類が必要になります。

・借入申込書
・創業計画書
・見積書(設備資金として融資を受ける場合)
・履歴事項全部証明書の原本(事業者が法人の場合)
・不動産の登記簿謄本もしくは登記事項証明書(不動産担保を設定する場合)

基本的に必要な書類は「借入申込書」と「創業計画書」です。
その他の書類はご自身の事業状況と照らし合わせて用意することになります。

これらの書類について詳しく見ていきます。

借入申込書

借入申込書は、名前通り「借り入れることを申し込む書類」になります。
主に以下のような内容を記載します。

・申込者の名前
・融資希望金額
・借入希望日
・返済期間
・据置期間
・融資の用途
・申込者の連絡先

特に難しいことは記載しませんが、抜け漏れがないように注意をはらって記入しましょう。
用紙は日本公庫の支店に置いてあるものを利用して記入するか、日本公庫のHP(ホームページ)からダウンロード、印刷して記入することになります。

創業計画書

創業計画書は申し込み時の書類の中で最も重要な書類だと言ってもいいかもしれません。
創業するにあたり、動機や計画等を担当者にアピールする書類になります。
この書類を見て、事業者の熱量や計画性を判断しています。
融資実行を決めているのがこの書類だと言っても過言ではありません。

記入は、9つの項目にならって行います。
各項目について詳しくご紹介します。

項目

記入事項

1.創業の動機

創業に置いて、強い動機を表現する項目になります。
日本公庫の創業融資記入例には「自分の経験を生かしたい。」「かねてから自分の店をもつことが夢だった。」と書かれていますが、創業の動機としては非常に薄いものだと言えるでしょう。
なるべく具体的な言葉で、誰にでも伝わる表現を心がけましょう。

2.経営者の略歴等

過去の事業経験に関して記入する項目です。「事業を成功に導くだけの素質があるか」を判断されます。
6行の記入欄がありますが、できる限り埋めるようにしましょう。また、具体的な数字を用いて記載することが重要です。
例えば、「営業職で3年、600万円の新規顧客を獲得した実績あり」など、誰にでもわかる表現でアピールしましょう。

3.取扱商品・サービス

具体的にどのような商品・サービスを利用するのかを記載する項目になります。
将来事業が成功しそうだと担当者に感じさせるため、同業他社と差別化できる部分を記載しましょう。
こちらの項目は、日本公庫HP(ホームページ)からダウンロードできるものでは、取扱枠6行と、セールスポイント3行分しか枠がありません。
この中に全てを記入することは難しいと思いますので、別紙で準備することをおすすめします。

4.取引先・取引関係等

販売先・仕入先・外注先を記入する項目です。どのようなターゲット層に向けてどこから商品を仕入れるのかを記入します。
より具体的な計画を準備できていれば、事業に計画性を持っていると判断されます。
たとえば「素材の仕入れは〇〇で行って、組み合わせて、一般の30代女性に販売する。」など、ターゲットを明確化し、セールスポイントと関連づけて記入することが肝心です。

5.従業員

雇用人数が事業に対して適切かどうかを判断されます。

6.お借入の状況

他の金融機関からの借入がないかを記載する項目になります。
ここで記載しなかったからと言って、バレないわけではないので、借り入れがある場合には、借入状況を記載しましょう。
CICやJICCなどの個人信用情報登録機関に信用照会を行われて、信用情報に相違があった場合には、最悪のケース、信用を失うことにもなりますので、しっかりと申告を行いましょう。

7.必要な資金と調達方法

資金計画を記載します。特に、自己資金の要件が定められているように、日本公庫では自己資金が審査において、大きなウェイトを占めているので、こちらの項目は充実させる必要があります。
また、設備資金と運転資金について必要な資金を把握しているかなども判断される項目です。

8.事業の見通し

創業時と事業成長後にどのような利益が生み出せるか、具体的な数字をもとにして根拠を導き出すことが求められます。
また、事業内容から、どのくらいの利益を生み出すせるのか、妥当な判断ができる事業者なのかを判断されます。
記入のポイントは、客観的なデータをもとにして行うこと。個人の感想や希望的観測においては評価されないことの方が多いです。

9.自由記入欄

追加でアピールすべきことがある場合には、記載しましょう。
記入欄が設けられていることですので、無記入での提出はしないようにしましょう。

参考:創 業 計 画 書 【記入例】 – 日本政策金融公庫

また、創業計画書に関しては、日本公庫HP(ホームページ)からダウンロードして利用できますが、その書類以外にも、自作の様式で記入することも可とされています。
正直なところ、HPからダウンロードした書類の記入欄は非常に小さく、創業に関する思い全てを記入することは難しいと考えられます。
そのため、こちらの書類と併せてA4程度のサイズで別紙を用意したほうが良いでしょう。

見積書

事業を行う上で、必要な資金の中に、設備資金が含まれている場合には、設備資金の見積書を提出する必要があります。
設備として使用する予定の物品見積書を作成してもらい、審査時に準備しておきましょう。

履歴事項全部証明書の原本

事業者が法人の場合には必要となります。
法人の登記簿謄本と言った方がわかりやすいかもしれません。
こちらの書類で法人の名称や、本店所在地、代表者の名前などを確認されます。
法務局で発行してもらう方法と、「登記ねっと 供託ねっと」を利用して訴求することも可能となっています。  

不動産の登記簿謄本もしくは登記事項証明書

日本公庫の創業融資で不動産担保を設定する場合には「不動産の登記簿謄本もしくは登記事項証明書」を準備する必要があります。
履歴事項全部証明書と同様に「登記ねっと 供託ねっと」もしくは法務局で手に入れることができます。

新創業融資の面談時に準備する書類

ここまでは、申し込み時に必要な書類をご紹介してきました。
書類審査を終えた後に待っているのは面談です。
その際には上記の書類に加えて準備する書類があります。

・企業概要書
・源泉徴収票
・許認可証
・預金通帳
・公的な本人確認書類
・資金繰り表

上記6つの書類を準備する必要があります。
それぞれ入手方法や、記入事項などを詳しくご紹介します。

企業概要書

1期目の決算が終わった事業者は「創業計画書」ではなく、こちらの企業概要書を提出することになります。
記載する項目は創業計画書と似ています。

企業概要書

項目

記入事項

1.企業の沿革・経営者の略歴等

① 企業の沿革
個人事業主の場合には、創業した年・月、法人の場合には設立した年・月を記入します。
店舗や支店を増やした場合には、その旨も記入することになります。
②経営者の略歴
経営者のプロフィールを記載する項目になります。
③過去の事業経験
該当する項目にチェックを入れます。
④取得資格
事業に関する資格を持っている場合には、資格の正式名称を記載します。
また、事業に関係なさそうな資格でも、他の事業者との差別化が測れる可能性がありますので、アピールできそうであれば記載しましょう。
⑤実際経営者
経営者の名前を記入する項目です。基本的に申込者が実際経営者であるのが好ましいです。
⑥後継者
事業の後継者がいる場合には記載します。
⑦許認可等
許認可が必要な事業を営んでいる場合には、許認可名を記載します。

※許認可が必要な業種は「許認可証」の項目で後述いたします。

2.従業員

現在雇用している従業員の人数を記載する項目です。
基本的には雇用したばかりの従業員は人数に換算しませんが、3ヶ月以上継続雇用する予定であれば、従業員の人数としてカウントします。

3.関連企業

別法人を構えている場合や、配偶者が経営している企業がある場合には、こちらの欄に記載します。

4.お借入の状況

他の金融機関・車・家のローンがある場合には、記載します。この欄に記入しなくても、日本公庫はCICやJICCなどの機関に紹介を行いますので、必ず記載しましょう。

5. 取扱商品・サービス

商品やサービスの概要を記載する項目です。

6.取引先・取引関係等

実際に事業を行っている中で、どのような企業とやりとりを行っているか記載する項目になります。
取引期間が長ければ有利に働くので、なるべく長期にわたってやりとりを行っている企業を記載しましょう。

企業計画書は創業計画書よりも具体的な内容を記入できる書類になります。
アピールできるポイントは漏れなく記入しましょう。

源泉徴収票

まだ創業していない場合には現在の職場の源泉徴収票を提示します。
また、創業して1期目の決算が終わった場合には、現在の源泉徴収票を提示することになります。

許認可証

許認可証が必要となるのは、以下の業種となります。

保健所

警察署

都道府県庁及びその他官庁

  • ・飲食店営業
  • ・菓子製造業
  • ・食肉販売業
  • ・魚介類販売業
  • ・旅館業
  • ・理容業
  • ・美容業
  • ・クリーニング業
  • ・医薬品等の販売業

など

  • ・マージャン店
  • ・古物商
  • ・警備業
  • ・指定自動車教習所

など

  • ・酒類販売業
  • ・各種学校
  • ・旅行業
  • ・宅地建物取引業
  • ・建設業
  • ・運送業
  • ・人材派遣業
  • ・自動車整備業
  • ・ガソリンスタンド

など

参考:日本政策金融公庫 よくあるご質問

上記の業種で創業する場合には、許認可証が必要となるので、融資を受ける際にも併せて持参する必要があります。

預金通帳

クレジットカード引き落としや、車・公共料金などが記載されている通帳と、自己資金額を証明するために通帳を持参する必要があります。
1部で事足りる場合には、1部持参しますが、自己資金と公共料金などの支払い通帳を分けている場合には、全て満たす通帳を持参するようにしましょう。

また、家族名義で公共料金等を支払っている場合には、そちらの通帳も全て持参することになります。

公的な本人確認書類

顔写真つきの公的な本人確認書類を持参します。
パスポートや運転免許証などを持参すれば問題ないでしょう。

資金繰り表

資金繰り表とは、事業の通帳がどのような動きになるのか予定を立てる表です。
資金繰り表があると、実際に創業した後のお金の流れを具体的なイメージで担当者に伝えることができます。

日本公庫が気にすることは、融資の返済ができるほどの利益を生み出せているかという点。
無理のない予定で返済できる事を証明できれば、融資の審査に有利に働きます。

日本公庫の新創業融資制度を受ける流れ

ここまで、創業融資に必要な書類をご紹介してきました。

ここからは、融資を受ける具体的な流れについてご紹介していきます。

・申し込み
・面談
・融資実行
・返済

こちらの4ステップで融資を受けることができます。
1項目ずつ詳しくみていきます。

申し込み

融資の申し込みは、実際の支店に赴いて書類を提出するか、郵送で送ることで申し込みを行うことができます。
この段階で提出した書類は、審査対象となります。

しかし、申し込みをする前に、事前に直接支店に出向いて、事前相談を受ける事をおすすめします。
何度か支店に赴けば、後の面談の雰囲気を事前に知っておくことができるからです。
もし仮に事前の雰囲気が全く分からない状態で面談を受けたら、緊張してしまうことは間違いないでしょう。

緊張してしまうと、面談で十分に伝えられなくなってしまうので、事前リサーチは重要だと言えるでしょう。

面談を行う支店は、基本的に事業所を管轄する支店です。
まずはHP(ホームページ)で確認するか、創業する場所に近い支店に事前に電話で確認を取るのが良いでしょう。

つまり、流れとしては、事前相談を行った後に相談した支店で申し込みを行うのがスムーズです。

面談

申し込みが受理されたら、審査の担当者から、面談の通知書が送付されます。
1週間程度と考えておくのが無難でしょう。
面談通知には、面談の日時、面談場所、必要な書類などが記載されています。

面談において気になるポイントを下記にまとめますので、ご覧ください。 

面談の服装

面談時の服装は、そこまでフォーマルな格好でなくても構いません。ただし、最低限のビジネスマナーは抑えておくようにしましょう。

面談時間

40分から1時間程度だと考えておきましょう。

面談内容

主に書類に記載されている事を中心に、事業の概要や、計画について聞かれます。

面談のポイント

事業に対してどのくらいの熱量を持っているのかを判断されます。

融資実行

面談審査に通ったら、融資が実行されます。

まず、契約センターもしくは支店から契約に必要な書類が送付されますので、受け取ったら記入して返送します。
日本公庫側に書類が届いたタイミングで融資が実行されます。

返済

基本的には、月賦払いで返済することになります。
元金均等返済、元利均等返済、ステップ(段階)返済などから返済方法を選んで、返済していくことになります。

融資を実行に導くために重要な3つのポイント

融資実行は上記の4ステップで進んで行きますが、実行にたどり着くのは簡単な話ではありません。
実は、融資成功率は20%程度だと言われることもあるので、細心の注意を払って準備することが大切です。

・書類の作成を入念に行う
・面談の準備は手を抜かない
・自己資金は多めに準備しておく

まずは上記の3つを徹底して融資審査に臨むことが大切です。
上記3つに関して詳しくご紹介します。

書類の作成を入念に行うこと>

融資の審査の中で、書類は非常に大きなウェイトを占めています。
そのため、書類を充実させなければ、融資は実行されないと考えておいた方が良いでしょう。

そもそも、書類審査後の面談で行われる質問は、書類に関することが多いです。
書類に疑問点や証拠不十分な点が多数ある場合には、その部分を重点的に質問されることになるでしょう。

融資担当者は思わぬ角度から質問を投げかけてくることがあります。
全く準備していなかった質問が来たときには、自分の考えを十分に伝えることは難しくなってしまうでしょう。

まずは、書類の疑問や証拠不十分な点を無くして、何を聞かれても動じずに答えられる完璧な書類を作成しておかなければなりません。

面談の準備は手を抜かないこと

書類が完璧だからと言って、面談で手を抜いても良いわけではありません。
前述しましたが、面談ではありとあらゆる角度から事業に対する質問が投げかけられます。
時には予想しなかった質問が投げかけられる場合もあるでしょう。
そのような場合にも、答えられるように準備しておかなければなりません。

事業の目的やターゲット、企業理念などを明確にして面談に臨むことで、予想しなかった質問にも対応できます。

自己資金を多めに準備しておくこと

自己資金を多めに準備しておくことで、融資担当者からは融資を返済できる能力があると判断されます。
なぜなら、自己資金を十分に用意できることで、以下のような事業者だと判断されるからです。

・資金管理がしっかりとできる
・事業に関して熱量がある
・返済できなかった場合に自己資金から払う可能性が高い

融資担当者が見ているのは「返済できる事業者かどうか」ということです。
自己資金を多めに準備しておくだけで、担当者からは絶対的な信頼を得られるはずですので、可能であれば多めに準備しておきましょう。

融資を成功に近づけるなら、税理士に相談

本記事では日本政策金融公庫の創業ゆうしを受けるのに必要な書類をご紹介してきました。
もう一度必要な書類全てをまとめます。

・借入申込書
・創業計画書
・見積書(設備資金として融資を受ける場合)
・履歴事項全部証明書の原本(事業者が法人の場合)
・不動産の登記簿謄本もしくは登記事項証明書(不動産担保を設定する場合)
・企業概要書
・源泉徴収票
・許認可証
・預金通帳
・公的な本人確認書類
・資金繰り表

これらの書類を準備して、融資審査に臨みます。審査の流れは以下の通りでした。

1.融資申し込み(申し込み前の相談があるとなお良し)
2.面談
3.融資実行
4.返済

融資の審査は4ステップです。
簡単なように見えますが実際のところ、融資実行まで至るケースは20%程度だと言われています。
そのため、しっかりと事前に準備することが大切です。

とはいえ、融資審査に提出する書類を充実させると言ってもどのようにすれば良いか分からない方は多いことでしょう。
特に融資をまだ受けたことがない人にとっては、非常に難しい作業になります。
専門的な知識が必要なだけではなく、効率的に書類を作成することも重要になります。
なぜなら、創業時は融資以外にも準備すべきことがあるからです。
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