✔︎創業融資に必要な書類がわからない
✔︎日本公庫と制度融資、それぞれで必要な書類は何?
✔︎どのような流れで融資を受ければいいの?
など、疑問を抱えていませんか。
主な創業融資として挙げられるのは、日本政策金融公庫の新創業融資制度と、地方自治体を利用した制度融資だと思います。
これらの融資を受けたいけれど、どのような書類を準備すれば良いのかわからず、手をつけられないという方も多いと思います。
そこで本記事では、以下の内容についてご紹介していきます。
・新創業融資制度の書類審査で必要な書類
・新創業融資制度の面談時に必要な書類
・新創業融資制度の具体的な流れ
・制度融資の書類審査で必要な書類
・制度融資の具体的な流れ
本記事を読むことで、新創業融資制度と制度融資それぞれに必要な内容がわかるとともに、書類を集めた後の流れについても理解できるようになっています。
また、この記事を読んだ後すぐに融資の準備をすることができるでしょう。
新創業融資や制度融資を受けようと考えている方で、必要な書類がわからないとお困りの方はぜひ最後までご覧ください。
Contents
新創業融資制度について
まずは、日本公庫の新創業融資制度について触れます。
新創業融資制度は、日本国が100%行っている融資政策で、創業者に比較的優しい融資制度です。
創業者向けに長期間借りられる融資を提供しており、無担保・無保証人で融資を受けられることが最大のメリットとなっています。
また、他の融資と比較して、低金利で借入を行うことができるということも魅力の一つとなっています。
融資を受けられる条件は以下の通りとなっています。
新創業融資制度を受けるための要件 |
概要 |
1.対象者の要件 |
新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方 |
2.自己資金の要件 |
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方 |
これらの条件を満たす場合には新創業融資を受けられますので、書類を準備して融資受けることをおすすめします。他の制度と比較しても一番と言っていいほど魅力的な条件が揃っているので、まずは検討してみるべきだと言えます。
新創業融資の書類審査で必要な書類
日本公庫の新創業融資制度を利用するためには、書類審査が行われます。
その際に必要となる書類は以下の6つになります。
・借入申込書
・創業計画書
・履歴事項全部証明書の元本
・資金繰り計画書
・見積書
・不動産の登記簿謄本もしくは登記事項証明書
上記で挙げた6つの中で、事業形態や状況によって不要なものもありますので、合わせて確認していきます。
どんな業種でも共通で必要となるのは、借入申込書と創業計画書ですので、こちらに関しては必ず用意することになります。
まずは、書類審査で必要になる書類を詳しくご紹介します。
借入申込書
申し込み時に必ず準備することになる書類です。
申し込むことを証明するための書類になります。
市役所等で受付をする際に、書類を書かされることがありますよね。
これと同じ位置づけです。
申込み人・申込み金額・借入希望日・返済期間・連絡先など、借入に関して必要となる事項を記載することになります。
書類は全国の日本公庫支店から受け取る方法や、日本公庫のHPからダウンロードして印刷、記入する方法があります。記入例も用意されていますので、例に従って記載しましょう。
創業計画書
創業計画書は、創業融資を受けるために非常に重要な書類となっています。
こちらには主に8つの項目を記載することになります。
記入項目 |
記入する内容 |
1.創業の動機 |
なぜ創業するのかを記載する項目です。 |
2.経営者の略歴等 |
創業に向けて、今まで行ってきた事業や、会社員時代の経歴がどう活きるのかを記載する項目になります。 |
3.取扱商品・サービス |
創業する事業において、どのような商品・サービスを提供するのかを記載する項目になります。 |
4.取引先・取引関係等 |
どのようなルートで商品を仕入れるか、事業に関わる仕入れはどこから行うかなどを記載する項目になります。 |
5.従業員 |
創業するにあたって、従業員の人数は適切かが判断されます。 |
6.お借入の状況 |
他の金融機関やローンを借り入れている場合には、記載が必要です。 |
7.必要な資金と調達方法 |
事業を行うにあたって、どのくらいの資金が必要か、どのように調達するのかを記載する項目です。 |
8.事業の見通し |
事業の成長見通しがあるかを記載する項目になります。 |
上記の内容を記入することになります。
すべての項目において言えることは、具体的な内容をもとに記載する必要があるということ。
抽象的な内容では融資を受けられないこともありますので、注意が必要です。
資金繰り計画書
資金繰り計画書は、必ず作成しなければならない書類ではありませんが、準備しておくべき書類だと言えます。
理由としては2点が挙げられます。
1つ目は日本公庫の担当者に資金繰りの計画を行っていることをアピールできるからです。
十分に練り上げられている書類があることは、融資を返済される可能性が高いと判断される一つの要因になりますので、融資審査に有利に働くでしょう。
2つ目は、ご自身の資金繰り計画を客観的に見れるという点です。
具体的な数字をもとにして記載することになりますので、ご自身で把握できていない部分に対しても理解することができます。
「うまく行くと思っていたのに」というように、理想と現実が離れることを防げるでしょう。
資金繰り計画書を作ることは一石二鳥ですので、ぜひ作成しておきましょう。
履歴事項全部証明書の原本
事業者が法人の場合には、必要となる書類です。
法人代表の名前や、住所、法人の名称などを記載することになります。
法務局で直接受け取って記載することもできますが、法務省が運営している登記・供託オンライン申請システム「登記ねっと 供託ねっと」から請求することも可能です。
見積書
設備資金として融資を受ける場合には、使用する設備に関する見積書が必要になります。
設備用に購入する物品に関して、見積書を発行してもらう必要があるでしょう。
不動産の登記簿謄本もしくは登記事項証明書
不動産担保を設定する場合に必要となる書類です。履歴事項全部証明書と同じように「登記ねっと 供託ねっと」から請求することが可能です。
面談の必要書類
日本公庫の新創業融資制度において、書類審査が終わった後に面談が行われます。
その際に必要となる書類を以下にまとめます。
また、ここで記載した以外の書類に関して求められることがあります。
その際にはその他の書類を準備することになるので、注意が必要です。
ああくまでここでご紹介する書類は、一般的に必要な書類だと考えてください。
必要書類 |
概要 |
創業計画書 |
書類審査時に用いた創業計画書を再度持参します。 |
公共料金の引き落とし通帳 |
公共料金を引き落としている通帳を提出します。 |
自己資金の額がわかる通帳 |
上記の預金通帳では確認できない預金以外の有価証券等があれば提出します。 |
各種ローンの支払明細 |
住宅・自動車・ビジネスローンなどがある場合には、支払い明細を発行して提出します。 |
固定資産課税明細書と固定資産税の領収書 |
不動産や土地などの固定資産がある場合には提出します。 |
賃貸借契約書 |
自宅や賃貸を店舗、もしくは事務所とし構える場合に必要になります。また、契約を結ぶ予定があるけど、まだ準備していない場合には、賃貸借予約契約書を提出します。 |
源泉徴収票 |
前職場の源泉徴収票を提出しましょう。現在も職場で勤めている場合には、現職場の源泉徴収票を提出します。 |
公的な本人確認資料 |
本人が確認できる公的な本人確認資料を提出します。免許証やパスポートなど、顔写真付きのものを提示するのが一般的です。 |
印鑑証明書 |
役所・証明サービスコーナーなどもしくは、マルチコピー機が置いてあるコンビニで発行することができます。 |
新創業融資の実行までの流れ
ここでは、新創業融資の実行までの流れについて触れます。
具体的には以下のような流れになります。
利用の流れ |
① 日本政策金融公庫(国金)にお申し込み 基本的には上記の書類が必要となりますので、事前に準備して支店へ向かうようにしましょう。 |
② 面談 |
③ 結果 |
④ 返済 |
上記の流れで融資が行われますので、必要な書類と併せて把握しておきましょう。
地方自治体の制度融資について
制度融資は3つの機関が関わる融資制度です。
地方自治体・金融機関・信用保証協会が連携して融資を実行しています。
制度融資のメリットは、据置期間が長く設定されていること。
元本を返済しなくても良い期間が長く設定されていますので、余裕を持った返済が可能となっています。
また、地方自治体の「利子補給制度」を利用すると、低金利で融資を受けることが可能ですので、創業者にとって比較的優しい融資だと言えるのではないでしょうか。
融資を受けるための条件は地方自治体によって個別で定められていますので、ご自身が制度融資を受けられるのかは事業所がある地方自治体に赴いて、説明を受けましょう。
制度融資を受けるために必要な書類
制度融資を受けるために必要な書類は以下の通りになります。
・信用保証委託申込書
・履歴事項全部証明書
・創業計画書
・見積書(設備投資がある場合)
・資金繰り表
・許認可証(許認可が必要な場合)
・法人設立届の控
・法人印鑑証明書
・代表者の個人印鑑証明書
基本的には日本公庫と同じですが、地方自治体によっても多少異なるので、注意が必要です。
場合によっては、上記の書類以外にも書類を求められる場合があります。
ここでは上記の書類を一つずつ詳しく見ていきます。
信用保証委託申込書
信用保証協会の「信用保証」を申し込む際に必要な書類です。
信用保証協会によって様式が異なります。
そのため、様式に従って記入することが求められます。
たとえば、東京都の場合だと、申込人・申込内容・事業状況等・他協会の保証利用・団信加入希望の5つの項目について詳しく記載することになります。
履歴事項全部証明書
法人の場合に必要となる書類です。
日本公庫の新創業融資制度でも必要となる書類で、法務局から取得することが可能です。
もしくは、「登記ねっと 供託ねっと」から請求することも可能です。
創業計画書
各信用保証協会のHPからダウンロードすることが可能です。
基本的には日本公庫と同じように、8つの項目をもとに記載することになります。
見積書(設備投資がある場合)
設備投資として融資を受ける場合には、設備投資の見積書を求められます。
物品にどのくらいの費用が掛かるのかを見積もった書類を用意しましょう。
資金繰り表
収入・支出・財務収支の項目にならって記入していきます。
資金の流れを記載するものになります。
特に決まったフォーマットはありませんが、信用保証協会のHPからダウンロードできるので、その書類を利用して作成するのが最も早いでしょう。
許認可証(許認可が必要な場合)
許認可が必要となる場合には許認可証を準備する必要があります。
許認可が必要となる業種は三重県信用保証協会のHPで記載されていますので、こちらからご確認ください。
法人設立届の控
国税庁ホームページの「[手続名]内国普通法人等の設立の届出」ページで様式はダウンロードできます。
会社設立日から2ヶ月以内に提出期限が定められているので、すでに2ヶ月経っている場合には手元にあるものを準備しましょう。
法人印鑑証明書
法務局窓口、郵送もしくは「登記ねっと 供託ねっと」から印鑑証明書の申請を行うことができます。
法人化していて、持っていない場合には準備しておきましょう。
代表者の個人印鑑証明書
個人の印鑑証明書も必要となります。
制度融資の融資実行の流れ
制度融資の具体的な流れは以下の通りです。
制度融資の手続き |
概要 |
1.地方自治体に申請 |
地方自治体の窓口で申請を行います。制度融資を申し込みたい旨を伝えます。 |
2.金融機関で融資申込み |
地方自治体の申請が通ったら、「紹介状」や「あっせん手配」が金融機関に対して行われます。 |
3.信用保証協会に保証申込み |
金融機関の金融機関の申し込みをする際に、信用保証協会の申し込みも手配されるので、従って申し込みを行います。 |
4.信用保証協会の審査 |
申し込みの際に提出した書類をもとにして、信用保証協会で審査が行われます。書類の不備や、疑問点がある場合には面談や、事業所訪問なども行われることもあります。また、追加で資料を求められることもあるでしょう。 |
5.金融機関の審査 |
信用保証協会の審査を通過したら、金融機関で最終審査が行われます。基本的には通ることが多いですが、まれに審査に通らないこともあるので、気が抜けません。各種ローンなどがある場合には落とされることもあります。 |
6.融資実行 |
ここまでの審査をクリアしたら、融資を受けることができます。指定口座に資金が振り込まれるので、確認しましょう。 |
7.返済 |
返済時期になったら、融資を返済します。仮に融資を返済しなかった場合には、信用保証協会の代位弁済が行われます。しかし、返済義務がなくなるわけではなく、後に弁済の義務が生じるので、注意が必要です。 |
日本公庫の融資よりも工程が多いことがわかると思います。
そのため、融資実行までにかかる時間が長くなることを理解しておかなければなりません。
まとめ:各種創業融資に必要な書類
最後に、各種創業融資で必要な書類をもう一度まとめます。
創業融資を受ける際の主に必要な書類
新創業融資 |
制度融資 |
・借入申込書 |
・信用保証委託申込書 |
※その他必要な書類もあります。
創業融資を受ける際には、上記の資料を準備しておきましょう。
とは言え、これらの書類を準備するのは相当な手間です。
特に、創業融資を受けるほとんどの方が、創業が初めてだと思いますので、準備するには時間がかかると考えておいた方が良いでしょう。
専門的な知識や記入の仕方などをすべて把握しなければならないため、難しいと考えて、融資を諦めてしまう方もいらっしゃいます。
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