公認会計士が独立する年齢の目安、年収・キャリアアップの流れを解説

2020年10月12日

公認会計士のキャリアプラン

公認会計士の資格を取得すると、監査法人や公認会計事務所、経営コンサルタント会社、大企業の経理部など、さまざまな場所での活躍が見込めます。

将来的に独立を考えているのなら、公認会計士としてキャリアを重ねていけば、その経験が独立する時の土台になることでしょう。

公認会計士の資格を取得した後、まずは監査法人などに就職して、公認会計士としてのキャリアをスタートすることになります。

定年まで同じ職場で働き続ける人もいますが、ある程度のキャリアを積んだら、収入の多い大企業や経営コンサルタント会社に転職する、というチャンスもあります。

さらに上を目指すのなら、独立開業する、という方法があります。

独立を目指す人は多い

公認会計士は、独立すると雇われていた時よりも収入を増やしやすくなるため、独立する人や、将来的に独立を目指している人が多くいます。

一般的に、公認会計士が監査法人に勤めた場合の平均年収は、650万円~900万円といわれています。

それに対して、独立開業した公認会計士の平均年収は1,000万円以上といわれており、経営や顧客の開拓に成功すれば、年収3,000万円以上を稼ぐ人も少なくありません

独立すれば、自分の努力次第で収入を増やしていくことができるのです。

キャリアアップの流れ

基本的には、まずは監査法人や会計事務所などで、公認会計士としての実務経験を積むことになります。

公認会計士の本来の仕事は、企業が作成した決算書をチェックすることですが、キャリアアップのために企業に転職することもできます。

公認会計士は監査について詳しいので企業にもメリットがあり、会計士も企業の立場から決算書を作る経験や、企業側の事情を理解することができます。

大企業であれば収入も上がります。

また、公認会計士の仕事は専門性が高く、経営に関して深い知識を習得していくことになります

そのため、経営コンサルタント会社に転職し、経営コンサルタントとして活躍、その後に独立開業する人も少なくありません。

コンサルティング業界は実力主義ですが、結果を出せば収入は大幅にアップします。

さまざまな職種を経て、公認会計士として独立開業、またはコンサルタント等としての独立、公認会計士として独立しコンサルティング業務を請け負う、というように、さまざまな経験を積むことによって、より広い道が開けてきます。

会計鑑査など従来の公認会計士の仕事に合わせて、下記の仕事の経験を積んでいると、独立時により多くの仕事や、より高単価の仕事を受けることができるようになるでしょう。

  • 税務処理の代行
  • 経理業務の代行
  • 経営コンサルティング
  • 会計コンサルティング
  • 戦略コンサルティング
  • 事業再生コンサルティング など

公認会計士が独立するタイミングは?

年齢で決める場合

公認会計士が独立するのは、何歳くらいが適切でしょうか?ここでは独立するのに適した年齢の目安を考えます。

公認会計士の試験は非常に難しいために、一度の試験で合格する人は、なかなかいません。

そのため、合格時の平均年齢は26歳程度です。

資格を取得してすぐに独立できるわけではないので、資格を取得したら、まずは就職してキャリアを積むことになります。

監査法人などで働いて、独立できるほどの経験を身につけるためには、一般的には最低でも5年以上の勤務経験が必要だと言われています。

26歳で公認会計士の資格を取得し、5年の経験を積んで独立するとなると、31歳あたりには独立できる能力を身につけていることになります。

一般的には、30代中盤くらいの年齢から独立する人が多いようです。

しかし、もちろん身に着けられるスキルが大いに越したことはないので、40代や50代から開業する層も多く、あまり一概には言えない部分もあります。

必要なスキルを得られた時

公認会計士としての勤務経験が5年以上、30代中盤くらい、というのは、あくまで目安です。

監査法人などで身につける経験やスキルが多ければ多いほど良い、というわけでもありません。

独立するには、営業活動や、事業を立ち上げるためにしなければならないことが、たくさんあります。

独立するために必要なスキルは既に得られた、と感じたのなら、そのタイミングで独立するのも良いでしょう。

早く行動を起こしたなら、それだけ早く経営を軌道に乗せることができます。

家族の都合などで決める時

独立することで、収入や生活環境も変化します。

たとえば子供の進学までに収入を増やしておきたい、親が年老いてきたので実家の近くで独立開業したい、というように、自身や家族のライフステージに合わせたタイミングで独立する、という方法もあります。

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独立する場合に必要なものやスキル

独立するためには実務で得た知識やスキルも大切ですが、どんな事業でも、開業するときに必要なものがあります。

「資金」と「事業計画」です。

資金

独立開業するための資金は、まずは自己資金を使うことになります。

不足分は外部から調達することになります。資金調達にはいくつかの方法があり、そのひとつが「日本政策金融公庫」からの融資です。

日本政策金融公庫では、公認会計士や弁護士など、専門資格をもつ「士業」向けに、開業資金をサポートするローン事業を推進しています。

民間の金融機関よりも低金利で融資を受けることができ、基本的には保証人や担保も必要ありません。

融資には審査があり、審査に通過するためには「事業計画」を準備しておくが必要があります。

事業計画

融資の審査のために「事業計画」が必要ですが、融資を受けないとしても、事業計画なしで独立開業するのはリスクが大きすぎるため、もちろん事業計画は必要です

事業計画では、年間の売り上げ計画に対してどのように、いくらで、何件獲得して達成するのかといった計画や、その計画を達成するための方法も準備しておくことが大切です。

会社経営を軌道に乗せるために、計画性を持って挑みましょう。

実際に独立開業したとしたら、どのくらいの収入が見込めて、どのくらいの支出があるのかをイメージしておくと良いでしょう。

「開業すること」を目的にするのではなくて、経営を軌道に乗せることを目指しましょう

独立することは、目的ではなく新たなスタートなのです。

もし独立した場合、どの程度の年収になるのか?

一年目は400万程度~が多い

独立した直後には、まだ顧客が付いていないために、雇われていた時よりも収入が減ってしまう人のほうが多いようです。

具体的には、一年目は年収が400万円程度~になることが多いようです。

また、独立開業する際の初期費用もかかっていますので、最初からすぐに稼げるようになるわけではありません。

顧客を開拓して、経営をうまく軌道に乗せることができると、2年目あたりからは、雇われていた時よりもずっと高い収入が得られるようになり、年収は2,000万円ほどになる人が多いようです。

案件を増やすことが重要

独立開業したら、まずは経営を安定させることが大切です。

経営を安定させ、収益を増やしていくためには、案件を増やすことが重要です。

公認会計士の仕事では、案件は紹介で増えていくことが多く、紹介には顧客からの紹介、知人からの紹介、同業の会計士仲間からの紹介、銀行や銀行員からの紹介など、さまざまなところからの紹介が考えられます。

紹介から案件を得るためには、公認会計士として誠実な仕事をして、相手からの信頼を得ることです。

顧客の信頼を得ることができると、その顧客が別の顧客を紹介してくれて、そこからまた次につながって、と、どんどん案件が増えていきます。

しかし、独立してすぐの頃には顧客がいないことが多いので、紹介から案件を増やしていく、というのは困難です。

独立する前から顧客を見つけておき、案件ありきで独立する、というのが良いでしょう。

もしも案件も顧客もいない状態で独立すると、開業しても毎日営業活動をするだけになってしまう可能性もあります。

一応、顧客も案件もない場合には、監査などの非常勤の仕事を受ける、という方法もあります。仕事がない場合でも、非常勤の仕事を受ければ収入を得ることができます。

ただし、非常勤の仕事は時間を切り売りするようなもので、独立してまで受けたくない、という考えの方もいます。

それぞれの仕事に対する考え方の違いによりますが、経営が軌道に乗るまでは、非常勤の仕事も大切な仕事であると考え、選択肢に入れてみましょう。

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まとめ

公認会計士の資格を取得して、キャリアアップし収入も増やしていくには、独立開業するという方法があります。

独立する年齢の目安として、公認会計士の資格を取得してから実務経験を5年以上、30代中盤くらいからが一般的です

独立一年目には年収が400万円程度~と、雇われていた時よりも下がってしまう可能性が高いですが、顧客を開拓して経営を軌道に乗せたなら、2年目以降には2,000万円か、それ以上の収入も見込めます。

しかし一番重要なのは、経営できるスキルがあるかどうかという部分です。普通に監査法人や税理士事務所で経験を積んでいるだけでは簡単に独立できません。

社員として働く中でさまざまな経験を身に着け、生身のスキルを身に着けましょう

例えば、当社は会計業界初ベストベンチャーに選出された優良企業です。

大手で細分化されたタスクをこなすような粒度の粗い仕事をするのではなく、自分で思考して仕事をできることが大きな強みです。裁量権のある職場やスピーディーな会社をお探しの方はぜひ当社の面接に一度いらしてみてくださいね。

「独立できるぐらい確かなスキルを身に着けたい」「仕事の中で成長したい」という方には非常におすすめできる職場です。

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