会計事務所で年収アップさせるコツは?会計士の場合や無資格の場合などシーン別に解説

2020年10月12日

会計事務所で公認会計士が年収を上げるコツ

公認会計士が会計事務所に就職して、働きながら収入を上げていくためには、どうすれば良いのでしょうか?
収入を上げるために努力を続けている人もいるでしょうし、日々の仕事に追われて向上心を忘れている人もいるかもしれません。

しかし、ただ会計事務所で働いているだけでは年収を上げていくことは難しく、年収を上げるためには、ある程度のスキルを身につけていく必要があります。

会計事務所で公認会計士が年収を上げていくコツを、会計事務所に就職したところからスタートして、年齢と段階にあわせて見ていきましょう。

まずは一通りの業務をこなす

公認会計士の有資格者が会計事務所に就職した場合は、はじめから、無資格者に比べて高収入です。

月次決算や巡回監査、年次決算、税務申告といった、会計事務所の通常の業務を一通りこなせるようになれば、それだけで年収400万円~500万円は期待できます。

公認会計士の試験は難関で、合格時の平均年齢は26歳程度なので、この段階の年齢では20代くらいでしょう。

公認会計士の資格がないとできない業務もあるため、有資格者の収入は、20代としては少なくない金額です。

マネジメント業務ができるようになる

通常の業務が完璧にこなせるようになったころには、後輩や部下ができていることでしょう。

そうしたら、後輩や部下をまとめて、育成していく能力が必要になってきます。

チームを従えて仕事のディレクションをしていくことで、会社や上司からの信頼を得て、評価も上がり、その結果として職位も上がり、管理職などになる機会も出てきます。

部下の育成やマネジメント業務ができるようになったり、管理職などの役職に就いたりすることによって、さらに収入を増やしていくことができます。

この段階に到達すると、500万円~600万円程度の年収が見込めます。

年齢は、20代から数年間の経験を積み、20代後半から30代前半くらいでしょう。

税務以外の仕事を覚える

公認会計士が会計事務所に勤務して、ここからさらに収入を増やすためには、会計事務所の通常の業務である税務以外の仕事を覚える必要があります。

たとえば、公認会計士の仕事は専門性が高く、経営に関して深い知識を習得していくことが可能なので、それを活かして経営コンサルティング業務などのスキルを習得する、という方法があります。

コンサルティング業務は単価が高いことが多く、会計事務所にも利益をもたらしますので、それがあなたにも収入として還元されるはずです。

コンサルティング業務のスキルを習得するのは大変ですが、努力して習得する価値があります。

さらなるステップアップを目指すなら、専門的なコンサルティング業務の知識やスキルなど、税務以外の仕事のスキルを身につけましょう。

覚えることで収入アップの可能性のある税務以外の仕事を、いくつかご紹介します。

  • 経営コンサルティング業務
  • 会計コンサルティング業務
  • 戦略コンサルティング業務
  • 事業再生コンサルティング業務  など

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無資格で会計事務所で働いている場合のキャリアアップのコツ

無資格で会計事務所で働く場合、難関である公認会計士や税理士の有資格者に比べると、収入はかなり低くなってしまいます。

しかし、簿記などの資格やスキルを身につけることで、少しずつ収入を増やしていくこともできますし、実務を通した勉強を活かして、公認会計士や税理士の資格を取得する、という大きなステップアップも考えられます。

働き始めの収入が多くない分、これからの伸びしろが大きい、という考え方もできますね。

ここからは、無資格で会計事務所で働いている場合のキャリアアップのコツをご紹介します。

会計事務所の未経験採用は幅広い

会計事務所の業務は専門性が高いので、無資格で未経験では採用してもらえない、というイメージがあるかもしれません。

ところが実際には、未経験でも採用してくれる会計事務所は少なくありません。

仕事内容はそれぞれの事務所によって異なりますが、仕訳入力や元帳製本などの仕事を任せられるケースが多いようです。

ただの事務作業から、会計士補助を任される会計事務所まで、事務所によって仕事内容はさまざまですが、会計士補助のような、より専門的な業務に近い仕事に携われる事務所を選ぶほうが、業務から学べる内容が多く、キャリアアップの機会は多いといえるでしょう。

最初は年収250万程度が一般的

無資格の未経験者が会計事務所に就職した場合には、最初は年収250万円程度が一般的のようです。

この収入は、会計事務所で働く公認会計士と比べて低いだけでなく、他の一般的な仕事と比べても低いといえます。

しかし、会計事務所の業務には、簿記の知識や資格がないとできない仕事もあるために、無資格で未経験、実務経験もない状態では、できない仕事も多いのです。

資格を取得してキャリアアップして、少しずつ収入を増やしていきましょう。

簿記などの資格をとって業務の幅を増やす

会計事務所の業務は専門性が高いので、無資格・未経験で就職しても、対応できない業務が多くあります。

資格の有無によって、任せてもらえる仕事内容も変わってきます。

会計事務所で働きながらキャリアアップしていくためには、簿記と税務の知識をつけるのが有効です。

公認会計士や税理士の資格は難関ですが、日商簿記検定2級以上を取得すれば、対応できる業務の幅も広がり、少しずつ年収をアップさせることも可能です。

また、さらなるステップアップとして日商簿記検定1級を取得すれば、この資格は税理士試験の受験資格を得るために必要なので、次は税理士試験を目指す、という目標にもつなげることができます。

税理士試験には複数科目の試験があり、科目ごとに合格を認定するという制度をとっています。

会計事務所によっては、税理士試験の合格科目が増えるごとに、一般企業でいう職能給のように収入が増える場合があります。

将来的には、働きながら公認会計士や税理士資格の取得を目指すことも可能です。

また、資格ではありませんが、経営コンサルティング業務などの知識やスキルを身につけることで収入はアップを目指す、という道もあります。

経営コンサルタントには経営全般に関する知識やスキルが必要になりますが、こうしたスキルを身につけて、コンサルティング業務も引き受けられるようになる、というキャリアアップの方法も考えられます。

無資格で会計事務所で働いている場合、以下の資格は収入アップにつなげられる可能性は高いです。

  • 日商簿記検定2級
  • ファイナンシャルプランナー
  • 宅建
  • 社労士
  • 税理士試験の科目合格

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会計事務所はボーナスが低いって本当?

会計事務所はボーナスが低い、という話を耳にすることがあります。

これは本当でしょうか?
実際には、公認会計士は平均的なサラリーマンよりも多くボーナスをもらっています。

しかし、会計事務所で働いていても、資格の有無で収入は大きく違いますし、ボーナスの支給方法や支給額は事務所によっても異なります。

無資格・未経験で会計事務所に就職したばかりの場合には年収が低く、年収が低ければボーナスも低くなります。

こういったケースの人が情報を広めて、「会計事務所はボーナスが低い」という話になったのではないでしょうか。

会計士がボーナスをもらえるタイミング

会計事務所でボーナスが支給されるタイミングは、基本的には一般の会社員と同じく夏と冬の2回です。

会計事務所では、4月~6月は法人決済が多い繁忙期にあたり、夏のボーナスが支給される時期は、事務所によっては繁忙期に山積みになった仕事の処理で忙しいか、場合によっては繁忙期を超えて一息つけることもあります。

冬のボーナスが支給される時期には、年末調整などに関わる業務のため、年末年始の繁忙期と重なります。

一般的なサラリーマンがボーナスをもらうと、その後の休暇にバカンスなどを考える余裕があります。

しかし、会計士の場合、事務所や仕事の状況にもよりますが、ボーナスをもらってもすぐに使うタイミングがない人も少なくありません。

一般的なボーナスの金額

厚生労働省のまとめた平成28年賃金構造基本統計調査によると、公認会計士・税理士の平均賞与(事業規模10人以上)は年間およそ139万円です。

同じく厚生労働省の発表している平成29年年間賞与の平均額(夏季・年末合算額)は736,664円なので、公認会計士・税理士のボーナスは、一般的な会社員よりも、かなり高い水準といえます。

また、平成28年賃金構造基本統計調査によると、公認会計士・税理士のボーナスの額は、女性は男性よりも少なく、企業規模が大きくなると、それに比例してボーナスの額も増加する傾向があります。

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