動物病院は、ペットが急病や持病を持っているときにかかります。
動物病院であるとわかることに加え、通いたい、と思える内装にするにはどうしたらよいでしょうか。
内装デザインとして取り入れたいポイントを5つ紹介します。
わたしたちにとって信頼できる場所であり、ペットにとっても恐怖心を和らげられる場所になれる内装として機能することが大切です。
おすすめを参考にして、心地よい動物病院を開きましょう。
Contents
動物病院の内装に求められること
動物病院の内装に求められることは大きく4つです。
- 動物と飼い主がリラックスして過ごせる空間
- 明るい待合室
- 動物に与える怖さを減らすこと
- 機能的であること
患者側にも、動物病院に従事するスタッフ側にも使い勝手の良い動物病院であれば、長期的に利用してもらえる動物病院になれます。
動物と飼い主がリラックスして過ごせる空間
動物と飼い主がリラックスして過ごせる空間を作ることが大切です。
わたしたちが病院に行くとき、何をする場所かがわかった状態で行きます。
それゆえに怖さを感じることもあれば、検査が苦痛でゆううつな気分になることもあります。
病院という場所には、ただでさえマイナスなイメージを持っているでしょう。
動物も同じです。
痛いこと、不快だと思うことは、動物の記憶にも残ります。
見たことのない、得体の知れない場所は動物にとっても行きたくない場所です。
痛い検査や苦痛な時間を過ごすことが記憶に残るような動物病院は、当然不快でしかありません。
待合室や診察室が過度に緊張をあおらず、リラックスできる場所にすることは、動物にとっても重要なポイントです。
わたしたちにとっても、緊張しない場所であれば、安心してペットを任せられます。
動物もわたしたちも、両方がリラックスできる場所であることは、必要条件なのです。
明るい待合室
明るい待合室にすることで、不安を軽くできます。
想像してみてください。
明るい部屋と暗い部屋、どちらに長くいたいと思うでしょうか。
結果はもちろん、明るい部屋です。
病院はただでさえ怖いイメージを持つ場所。
病院の待合室が暗いと、恐怖は倍増します。
一方、明るい待合室であれば、怖さが軽減されると同時に、清潔で好印象な病院という印象を持てます。
部屋は明るいほうが好印象です。
あたりまえではありますが、採光や照明などで室内を明るく保てる待合室を作りましょう。
動物に与える怖さを減らすこと
動物病院としての理想は、動物が怖さを感じないようにすることです。
動物に与える怖さは、できる限り減らせる工夫をしましょう。
音やにおい、雰囲気など、動物が察知できるものは多様です。
すべては難しくても、ベストをつくすことはできます。
わたしたちが脅威に感じることは、動物にとっても同じです。
歯医者の音が苦手な人が多いように、医療機材の音は不快に感じやすい音。
無影灯の過度な光と、上からのぞき込む人の威圧は、体の小さい動物には特に怖いと感じるでしょう。
このような怖さを感じさせるシーンを想像して、どのような作りにすれば軽減できるのかにこだわった内装が良いです。
機能的であることも重要
動物病院としての機能を果たすことも重要です。
患者となる動物や飼い主だけでなく、動物病院で働くスタッフの働きやすさ・動きやすい導線にもこだわる必要があります。
動物病院における機能的な点を一部紹介します。
・処置室と検査室との移動が単純
・受付へスムーズに移動できる
・レントゲン室と直結が望ましい
・フロアや通路は広くする
・器具や備品が多くしまえる収納
どれも効率よく働く上で必要な点ばかりです。
スタッフが効率よく動けば、診察もスムーズに進みます。
結果的に1件でも多くの診察ができるので、動物病院の収益アップにもつなげられます。
<あわせて読みたい>
動物病院の内装デザイン案5選
動物病院の内装デザイン案を5つ紹介します。
多くの病院で採用されていたのは、病院らしさが少ない内装です。
動物も人間と同じように、病院らしさがあると緊張します。
動物も人間もリラックスできる、ナチュラルな空間が人気です。
とはいえ、医療機関として清潔感も大切なので、清潔感が出せる内装も良いでしょう。
①ナチュラルな木目調
ナチュラルさを感じられる、木目調が人気です。
木目調は、ナチュラルを表す代表的な模様。
木はぬくもりを感じられるので、内装に使うことでやわらかな雰囲気を出せます。
住宅のフローリングや、低い位置の壁に使われることが多い木目調。
視覚からも、家のようで安心感が得られることが理由です。
また、周りに溶け込みやすいという特徴を持っているため、とりあえず木目調を採用しておくと間違いがない、という考えもあります。
ペット用品のなかにも、ペットハウスやキャットタワーに木目調が採用されています。
目にする機会が多い分、いろいろな場所でなじみやすいと、わたしたちの感覚が認識しているのかもしれません。
②清潔感のある白やベージュ
清潔感のある白やベージュも人気色です。
動物病院は、やはり医療機関として清潔感は持っていたい場所。
清潔感は、動物病院の信頼感や衛生的であるかの評価につながっています。
アットホームな場所もいいですが、ホコリやくすんだ壁を見つけてしまうと、掃除が行き届いていないと不安を感じる人もいるでしょう。
ペットは特に、家族にとって大切な存在です。
自分なら許せても、大切な家族には触れてほしくないと思うのも無理はありません。
ペットの中には、何でも口に入れてしまうペットもいます。
どんな行動をとっても良いように、好きに過ごせるような衛生環境であることが重要です。
白やベージュは、汚れを見つけやすく、きれいであるかを判断しやすい色でもあります。
清潔で衛生的な動物病院であるためにと、白やベージュを好んで使う病院が多いのです。
③ドックホテルをイメージした高級感
ドッグホテルをイメージした高級感のある内装もおすすめです。
ドッグホテルとは、犬が利用する宿泊施設のこと。
飼い主が旅行などで家を空けるとき、ペットだけを家に残すのではなく、必要な期間預かって世話をしてくれる場所をいいます。
ケージの中に入って過ごすことが多いですが、ペットが自由に歩ける場所も整えているホテルもあります。
外観や内装も、高級感を出してダークブラウンを使っていたり、照明をやや暗くしている施設もあるのです。
イメージは、わたしたちが利用するホテルのラウンジのような雰囲気。
高級感があると、質の保証ができていると感じられて信頼できる場所だと思えます。
この病院に任せたら大丈夫、という飼い主の信頼を得られる内装です。
④待合室にぬいぐるみを置く
待合室にぬいぐるみを置くことも不安軽減につながります。
ぬいぐるみのふわふわ、もこもこした感触や大きさなどが、ある時はきょうだい犬の、ある時は母犬の代わりとなって、そのコの『遊び相手や安息の場所』となる
と言われているように、犬にとってはぬいぐるみが安心できる存在となるケースがあります。
ほかの動物でも、仲間や家族と認識して、自分の安心できる場所や物として捉えている場合があります。
ぬいぐるみは、待合室を和やかにするだけでなく、動物の緊張や恐怖を軽減してくれるのです。
さらに、人間の気持ちはペットに伝染するとも言われています。
「動物病院は怖いところ」
「うちの子についてなにか言われるのだろうか」
などと不安な思いを抱えて動物病院へ向かうと、ペットにもその気持ちが伝染します。
わたしたちもぬいぐるみを見ると心が落ち着いたり、怖さが軽くなります。
子どもが遊んでいるところを見れば、より和やかな気持ちが芽生えるでしょう。
飼い主の不安を軽減することも、動物の不安や恐怖を軽減することにつながるので、一石二鳥の効果が得られます。
⑤遊べるスペースを設ける
遊べるスペースを設けることで、動物たちの気持ちを紛らわせることができます。
犬や猫が動物病院を嫌がるのは、過去に痛い思いや不快な治療などをした経験を覚えているからです。
病院に連れて行かれたときのにおいや雰囲気で、怖さや不安を感じてしまいます。
そこで、動物病院を遊べる場所であると認識させて、恐怖心を減らす目的で遊べるスペースを設置しましょう。
楽しい場所だと分かれば、待っている時間にペットも落ち着きます。
診察後も、ごほうびとして遊ばせてあげることもできるので、ただ怖い場所というイメージを払拭できるでしょう。
内装工事にかかる費用
動物病院の内装工事費用は坪単価です。
相場で50万円程度と言われています。
医療機器の導入も必須なので、内装工事だけでもかなりの金額がかかるのは避けられません。
安く行うために知っておきたいポイントも紹介します。
内装工事の相場
内装工事の相場は、1坪あたり50万円程度です。
◆床や壁の加工
◆汚れにくい素材の使用
◆傷つきにくい床
◆防音
◆抗菌
床や壁だけでもこれ以上のメリットがある内装を作らなくてはいけません。
医療機関なので、レントゲンも使います。
放射線を室内から漏らさないように、部屋の配置や壁の暑さなどを考えなくてはならないので、専門性の高い工事です。
そのため、相場もかなり高くかかります。
また、医療機器の導入も高額です。
最新機種を完備して、精度の高い診断と検査をするためには、削りたくない設備。
内装工事費用ができるだけ抑える費用であることは明らかです。
安く工事を行うために
内装工事を安く行うためには、内装工事費用をリースで支払う選択肢があります。
毎月決まった金額のみ支払えば、開業前に多くの資金を失うことはありません。
開業前に一括で支払うはずだった資金は、医療機器の購入に充てられます。
待合室のぬいぐるみを購入する資金としても利用できます。
浮かせられた資金で、もっと動物や飼い主がリラックスできる場所にすることも可能。
内装工事リースは、内装工事に使われている素材や設備はすべて自分のものとして扱えるのが魅力です。
リースで支払った後もこれまでと同じように使えて、返却や再契約をする必要はありません。
安く工事が行えて、永久に設備を使えるのが嬉しいポイント。
長く愛される動物病院として機能できます。
まとめ
動物病院の内装デザインで取り入れたいポイントを紹介しました。
動物病院は動物にとって怖さや未知の恐ろしさを感じやすい場所です。
見た目や雰囲気がやわらかく、飼い主とともにリラックスして過ごせる場所に近づけるような内装が理想的といえます。
内装に求めること | 内装デザイン案 |
---|---|
動物と飼い主がリラックスできる | 壁や床をナチュラルな木目調にする |
待合室が明るい | 白やベージュなどで明るい室内に光を取り込みやすいデザイン |
動物に与える怖さを軽減 | 待合室にぬいぐるみを置く遊べるスペースを設ける |
機能的 | スタッフや患者の導線を考えた間取り |
どれも大切な要素で、できるだけ取り入れることで理想の動物病院が作れるでしょう。
しかし、実現するには費用がかかります。
内装工事は坪単価も高く、特に金額も大きいです。
資金面でも不安が募ります。
そこで、内装工事リースを使って工事費を浮かせる方法を利用する選択肢はいかがでしょうか。
浮いた資金で必要な医療器具を買うことができるので、質の高い医療を提供できる動物病院が開業できます。