最近は、10坪などの小規模で店舗や事務所を開設する事業者も多いです。
しかし、10坪レイアウトでお店の内装を作り上げようと思っても、どのような部分に気をつけたらいいのか、また10坪レイアウトのメリット・デメリットがなんなのかわからない人も多いでしょう。
そこで、この記事では10坪レイアウトのメリット・デメリットやポイントについて紹介します。
Contents
10坪レイアウトとは?
10坪レイアウトとは10坪(33㎡)でできるレイアウトのことで、一般的な事務所と店舗と比較して小さめの店舗で用いられることが多いレイアウトです。
一般的なワンルームマンションの広さが都心部の場合は、20㎡〜30㎡になるので、そのくらいの大きさと意識してもらえるといいでしょう。
オフィスや事務所の場合は、一人当たりの必要な面積が2坪から3坪程度とされています。
そのため、10坪の場合は収容人数3人から5人程度の小さめのオフィスです。
また、飲食店の場合も一人当たりの必要な面積が1坪程度とされていますが、飲食店の場合は厨房などのスペースも必要となるので、10坪の場合収容人数5人から10人程度のお店が多くなっています。
このように、10坪レイアウトとは10坪でできるレイアウトのことで、狭いながらも工夫を凝らしたレイアウトのことです。
10坪レイアウトの3つのメリット
ここでは、10坪レイアウトの3つのメリットについて紹介します。
10坪レイアウトの3つのメリットは以下のものです。
- ◆固定費を小さくできる
- ◆個性をだしやすい
- ◆親近感を与えやすい
固定費を小さくできる
10坪レイアウトの1つのメリットが、固定費を小さくできるということです。
10坪のオフィスや店舗の場合、坪単価1万円程度と計算すると月に10万円程度でテナントを借りることができます。
坪単価1万円というのは、東京の都心部の坪単価を参考にしており、最も高い千代田区でも坪単価2万円弱でテナントを借りることができます。
そのため、東京の都心部にオフィスを構えた場合でも、20万円程度でオフィスを構えることが可能です。
東京の都心部以外の場合は、坪単価7000円程度のところも多く10坪の場合は7万円から10万円程度でオフィスを持てることになります。
東京都以外の場合でも同様に、坪単価1万円弱のところがほとんどなので、例えば大阪の都心部などでも10万円前後でテナントを借りることが可能です。
10坪程度のオフィスの場合、光熱費などもそこまで高くならないことが多く、一般的な賃貸住宅と同等もしくはそれより10%程度高い金額で光熱費を抑えることができます。
目安としては月に1万円〜3万円前後でしょう。
個性をだしやすい
10坪レイアウトのメリットの1つに、個性を出しやすいというところがあります。
10坪の中で、オフィスとして存在感を出すためには、内装を工夫したりすることが必要です。
また、10坪という限られた面積の中でオフィスデザインをすることで、一般的な広さのオフィスと比較して個性的に見られるということがあります。
実際に、最近では小さい面積のオフィスデザインを中心に集めたサイトであったり、雑誌などもありそのようなサイト・雑誌で紹介される可能性もあるでしょう。
これは10坪という限られた家の中で、いかに工夫を凝らして個性を出せるかということが大きなポイントで、一般的な広さの事務所で同じ事をやったとしても個性として認識されないようなものであっても、10坪の中でそれを実現するだけで個性としてみなされることが多いです。
また、10坪の限られた空間のなかでレイアウトに個性を出すことができると、オフィスを訪れた人やお客さんにも印象付けることができ、全体的なイメージの向上にも繋がるでしょう。
親近感を与えやすい
10坪レイアウトのメリットの1つに、お客さんとの距離が近くなり親近感を与えやすいというものがあります。
これは、オフィスでも飲食店でもそうですが、人との距離が近くなることによってお客さんとより密なコミュニケーションを取ることが可能です。
皆さんもイメージしてもらえれば分かると思いますが、小さい居酒屋さんの方が大きい居酒屋さんよりもマスターとの距離が近くて、より密にコミュニケーションが取れます。
その結果、常連となってくれる人が増える。このようなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
実はこれも、限られた空間の中で飲食店を展開していくことで、お客さんと店舗運営者、今回の場合はマスターとの距離が近くなり、お客さんがマスターに対して親近感を覚え、その結果をお店に対しても愛着を持ってくれるという流れです。
このように、限られた空間のなかでビジネスを展開することによって、お客さんに親近感を持ってもらいビジネスを展開しやすいのもメリットの1つになります。
10坪レイアウトの3つのデメリット
ここでは、10坪レイアウトの3つのデメリットについて紹介します。
10坪レイアウトの3つのデメリットは以下のものです。
- 内装業者・デザイン業者の選定が困難
- 物件が多くない
- できる業種が限定されている
内装業者・デザイン業者の選定が困難
10坪レイアウトのデメリットの1つが内装業者・デザイン業者の選定が困難であること。
10坪レイアウトでは、空間の窮屈さを意識させないようなデザインが必要になりますが、そのような内装デザインをできる業者は限られています。
また、施工に関しても狭い空間のなかでできることは限られているので、内装デザインをもとに施工できる業者も限定されてくるでしょう。
このように、10坪レイアウトでオフィス・お店を開業したいと思っても、満足の行くデザインや施工ができる業者に巡り会えない可能性もあるのはデメリットです。
物件が多くない
10坪レイアウトのデメリットの1つに、物件がそもそも多くないというものがあります。
10坪は、平米に直すと33m2程度です。
そのため、そもそも10坪の広さのテナントがないということも多いです。
特に、最近では大型のオフィスビルや飲食店は増える一方で、昔ながらの小規模店舗・小規模テナントに関しては再開発の影響でなくなりつつあります。
また、小規模の店舗などには昔からのテナントが入っていることもあり、空きがでることも珍しいです。
このような背景から、10坪レイアウトを実施する前に物件が見つからないというデメリットもあります。
ただし、オフィスビルに入居するのではなく、事務所利用も可能なマンションまで選択肢に入れると物件を見つけやすいでしょう。
できる業種が限定されている
10坪レイアウトでは、できる業種も限定されているのがデメリットです。
例えば、オフィスの場合は、数十人収容する場合は10坪では窮屈になりすぎてしまうので、選択肢には入らないでしょう。
そのほかにも、来客が多い事務所・オフィスの場合も10坪だと休憩スペースや会議室などを設けることができないので厳しいでしょう。
飲食店の場合でも、デリバリーに特化して、店内での飲食は想定しない場合は業種に関係なく開業することが可能です。
しかし、店内飲食を想定する場合は収容人数が最大でも10人程度なので、10人程度の収容でも利益を出すことができる高回転のお店、もしくは高単価のお店でないと厳しいです。
10坪レイアウトで気をつけるポイントとは?
ここでは、10坪レイアウトで気をつけるポイントについて紹介します。
10坪レイアウトで気をつけるポイントは以下の3つです。
- 窮屈感を出さない
- 家具に気をつける
- 色の配色を意識する
窮屈感を出さない
10坪レイアウトで気をつけなくてはいけないのが、窮屈感を出さないということです。
10坪レイアウトでは、10坪という空間をいかに広く見せることができるかがポイントになります。
窮屈感を出さないためには、窓を大きくとることやオフィスのなかに色を使い空間の狭さを感じさせないこと、家具をできるだけ少なくすること、フリーアドレスにして固定席を設けないことなどがあげられるでしょう。
家具に気をつける
10坪レイアウトでは、家具に気をつけることが必要です。
家具とオフィスデザインは、統一感がある方が10坪という狭さを意識させることがありません。
たとえば、壁や床などをモノトーンに揃えている場合は、デスクなどの家具もモノトーンのものを揃えた方が、部屋全体に統一感がでて空間を意識させることがないでしょう。
そのほかにも、家具で物を隠すことも重要です。
10坪レイアウトの場合は、机の上やオフィス内・店舗内にさまざまな備品が置かれたままになっていると、それだけで全体的に汚い印象になってしまいます。
そのため、備品などは家具などを利用して見えないように収納するのがポイントです。
色の配色を意識する
10坪レイアウトでは、配色を意識するのもポイントです。
例えば、白を壁やカーテンに使うことで天井までの奥行きを感じさせることができ、視覚的に広さを錯覚します。
そのほかにも、ストライプ柄なども天井までの奥行きを錯覚させる効果がある配色です。
このように、10坪レイアウトのなかでも壁や床などの配色にこだわることで、10坪という空間の広さを意識させないオフィスや店舗にすることができます。
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まとめ
10坪レイアウトでオフィスや店舗を開業するためには、工夫を凝らさないといけない部分も多いです。
しかし、10坪レイアウトで効果的に内装デザインを行うことができると、固定費も少なく済み、経営の面では有利になることも多いでしょう。
今後、10坪レイアウトで開業したいと思っている人は、今回の記事を参考にしてもらえると幸いです。