現在リペア職人として仕事をしている人のなかには、将来的にはリペア職人として独立したいと思っている人は多いでしょう。
そこで、この記事ではリペア職人として独立する方法を紹介します。
目次
リペア職人の仕事とは?
リペア職人とは、家の中でつけてしまった傷を修復する技能を持つ職人です。
例えば、生活の中でつけてしまったドアや壁の傷、穴などを修理します。
部品交換するのではなく、その場で修繕する、つまりリペアをすることがリペア職人の仕事です。
また対個人顧客だけでなく、建設工事やリノベーションの際につけてしまった傷のリペア作業を請け負うこともあります。
リペア職人の資格とは?
リペア職人の技能を認定する資格には、次の3つがあります。
- ウッドリペアマイスター認定講座
- アルミリペアマイスター認定講座
- ハウジングスタイリスト認定講座
この3つの資格はどれも、全国ハウジングマイスター協会が認定しているもので、各資格スクールで取得することができます。
建設会社の現場監督や、掃除業者、すでにリペア事業に従事している職人のスキルアップなどに活用されている講座です。
受講資格は特になく誰でも受講できますが、定員があるので早めに予約しておく必要があります。
受講料は概ね3〜4万円程度で、必要ツールも購入する場合はさらに3〜6万円程の費用がかかります。
それでは、1つずつ内容を解説していきますので、参考にしてください。
ウッドリペアマイスター認定講座
ウッドリペアマイスター認定講座は、木部についてしまったキズを直すリペア技能を認定する資格です。
4時間のカリキュラムを修了し、認定試験に合格すると、ウッドリペアマイスター2級の認定証が発行されます。
講座内では次のような内容を学びます。
基礎知識
- 補修とは
- キズについて
- 色について
- 補修ツールの説明
実習
- 凹みキズの補修
- 打痕キズの補修
このカリキュラムを修了した後に、30分の筆記試験があり、合格すると後日認定証が郵送されます。
アルミリペアマイスター認定講座
アルミリペアマイスター認定講座は、アルミの傷補修を学ぶ講座になります。
こちらも4時間のカリキュラムの後、認定試験を受ける流れです。
講座内では次の内容を学びます。
本講座
- アルミサッシとは
- 製造方法とヘアライン
- キズの分類
- 補修ツール
実習
- スリキズの補修
- 打痕キズの補修
カリキュラムが修了したら30分の認定試験を受け、合格すると後日認定証が郵送される流れです。
ハウジングスタイリスト認定講座
ハウジングスタイリスト認定講座は、住宅のコーディネートの実践的な知識が学べる講座です。
接客とコーディネート両方を学ぶことができ、顧客と打ち合わせをする時のヒアリングや提案に生かせます。
この講座も4時間のカリキュラムの後に認定試験を受ける流れですが、2級に合格するとさらに1級講座の受講資格が得られます。
講座の中で学ぶ内容は次の通りです。
ハウジングスタイリストの仕事
- ハウジングスタイリストの仕事・役割
- ハウジングスタイリストの仕事とは
- 仕事をする上での心構え
ハウジングスタイリストの接客
- ハウジングスタイリストの接客とは
- ヒアリングからご提案までの流れ
- 接客演習
ハウジングスタイリストの基礎知識
- 外装仕上げの基礎知識
- 内装仕上げの基礎知識
- 色・素材・形の基礎知識
基本のハウジングスタイル
- 基本的なハウジングスタイルの種類
- ハウジングスタイル演習
- 各スタイルをつくるための構成要素
これらのカリキュラムが修了したら30分の認定試験を受け、合格すると認定証が発行される流れです。
リペア職人の魅力とは?
リペア職人は、技術を身につければ対応できる内容の幅をどんどんと広げていくことができる職業です。
顧客は多くの場合、家の中の特定の部分を直そうと思うと、直したい部分が他にも次々と見えてくるものです。
リペア職人の対応できる内容が多ければ多いほど、多くの依頼を受けることができ、顧客からの信頼にもつながります。
生活の中でうっかりと壁などに傷をつけてしまうことはよくあることなので、そのリペア技術を信頼してもらえれば、リピート顧客や口コミで紹介顧客がつくことでしょう。
リペア職人が身につけられる技能には次のようなものが挙げられます。
- 内装工事・壁紙
- 水まわり
- カーテン、ブラインド取り付け
- 家電修理、取り付け
- 住宅建材リペア
- 屋根工事、瓦
独立開業する場合、どの程度の範囲まで事業を広げるかは自身で選択できます。
可能性を広げやすい職種であるという点はリペア職人のメリットでしょう。
リペア職人として独立して成功する人のポイント
リペア職人として独立するには、リペア技術はもちろん、他の様々な技能が求められます。
ここでは特に次の3つのポイントをご紹介します。
- コミュニケーション能力が高い
- リペア経験が豊富
- 専門性がある
コミュニケーション能力が高い
リペア職人として身につけておきたい技能の1つは、コミュニケーション能力です。
特に個人宅でのリペアを行う場合には、安心して利用してもらうためにコミュニケーションが求められます。
顧客がどのように修復したいのかをしっかりとヒアリングし、その上で修繕方法と費用の説明を行い、納得してもらった上で作業に当たる必要があります。
新品を納入する建設現場でも行き違いは起こるものですが、さらに臨機応変さが求められるリペア作業では、顧客とのコミュニケーションが欠かせません。
仕事を受注するためには営業は必要なので、リペア技術だけでなくコミュニケーション能力は必須でしょう。
リペア経験が豊富
住宅の傷は、素材や傷の原因によってそれぞれ適したリペアを行う必要があります。
そのため、リペア職人としての経験が豊富なら、対応できる範囲が広がり満足度の高いサービスを提供できるはずです。
また、建設やリフォーム現場でリペアの必要が生じた場合、すでにクレームが出ている状況という場合もあります。
厳しい顧客の目にも満足できるリペアの仕上がりにするためには、やはり豊富な経験と高い技術が必要です。
技術を学んだことはあるが、実践経験があまりないという人の場合は、一度はリペア会社で働いてみる、一人親方に弟子につくなどの経験を経てから独立するのがよいかもしれません。
専門性がある
リペア職人は、経験を積めばできることの幅を広げていくことができますが、まずは得意分野を絞り専門性を深めるのも良い方法です。
例えば、木材とアルミや素材によっても修復の仕方は異なりますし、外壁か内装かなど場所によっても修復に求められることは異なります。
そのため、得意分野の素材や場所を明確にし、その分野に特化した営業を行なっていくと高い評判を得られるはずです。
専門性が高いと建設会社や不動産会社など企業からのニーズも高まり、定期的な依頼がかかりやすくなるでしょう。
リペア職人は独立しやすい?
リペア職人は、比較的独立が簡単な職種です。
リペア職人の企業の特徴は、何か物作りや販売をするわけではないので、店舗や在庫を必要としないという点です。
技術さえあればどこにでも出張で行けますし、必要な機材も車両で運搬できる程度のボリュームとなります。
そのため、初期コストがそれほどかからず、独立のための敷居はとても低いです。
ただし、利益を得られるようになるまでにはそれなりに時間がかかる場合もあります。
定期的に仕事の依頼が来るようになるためには、積極的な営業活動が必要です。
急にニーズが生じる単発的な仕事も多いため、柔軟に動けるフットワークの軽さも求められます。
また、独立する場合にはリペア技術だけではなく経営者としての能力も必要です。
料金の踏み倒しや契約上のトラブルなどが生じると、利益が出ないだけでなく赤字経営となってしまう場合もあります。
初めて独立をする人の場合は、経営面の準備もしておく必要があります。
リペア職人として稼ぐために必要なこと
リペア職人として独立するなら、営業を開始するだけではなく利益が出せるようにならなければなりません。
ここでは、リペア職人として稼ぐために必要な次の3つのポイントをご紹介します。
- 確かな経験と実績
- 新たな顧客層の拡大
- Webを使ったマーケティング
確かな経験と実績
リペア職人の技能を証明する資格を取得することも良いですが、それよりももっと重要なのが実績や経験です。
リペア補修が必要になる場面は多種多様であり、講座で数時間学んだり、修繕方法を知っているだけでは対応できないケースが多くあります。
リペア職人として長年の経験を持ち、多種多様な現場での対応を行なってきた実績があると信頼を得やすくなります。
補修例の写真を載せたパンフレットやホームページを作る、など実績が目に見てわかるような営業方法は効果的です。
依頼がないときにもサンプル建材に傷をつけて補修の練習を重ねるなど、技術を高めていく努力は欠かせないでしょう。
新たな顧客層の拡大
リペア職人という職種については、まだまだ一般的に知られていない分野です。
特に個人宅のリペアは、営業方法次第で新たな顧客層を拡大していける見込みが大きくあります。
家の中に傷があっても、補修には費用がかかる、わざわざ業者を呼ぶのは面倒だなどのイメージがあり、そのまま放っている家庭も少なくありません。
そこで、リペア職人に依頼すれば手軽な補修が可能であることを上手く周知すれば、今まで補修を検討していなかった顧客を取り込むことができます。
また、補修前補修後の写真など視覚効果を活用し、家の中を傷のない状態にしたいと感じさせる宣伝をすると効果的です。
Webを使ったマーケティング
Webを使ったマーケティングには、情報サイトへの掲載、自社ホームページの設立、ブログ、SNSなどが挙げられます。
地域情報サイトや、生活サービス系の比較サイトなどに広告を出し、地域の人の目に留まるようにするのは有効です。
また、定期的にブログを更新するようにすると、自社ホームページのSEO対策になり、検索上位に上がりやすくなります。
ブログには、日々受注したリペア補修の内容を写真付きで掲載すれば、写真を見た顧客からの似た内容の依頼を受けやすくなるはずです。
自身の顔写真や仕事の作業風景なども、親しみと安心感を持って依頼してもらうのに効果的です。
個人のホームページやブログと違い、プロフェッショナル感を演出する必要があるため、多少の費用をかけてホームページ作成や写真撮影をプロに依頼するのも良いでしょう。
ただし、数十万円といった高額をかけてデザイン性の高いホームページを作っても、営業において大切なのはSEO対策ですので、あまり意味がありません。
プロに依頼する場合には、SEO対策ができて、適正な費用でホームページ作成をしてくれる業者を選ぶと良いでしょう。
まとめ
リペア職人は、技術さえあれば店舗や特別な機材は必要なく、初期コストが少なく独立できます。
ただし、安定した利益が出るようにするためには、営業活動の努力は必要となります。
着実に実績を重ねて信頼を獲得しつつ、 Webマーケティングなどを通じて新規顧客の開拓を狙うことが、安定した経営のためには有効な方法です。
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