働き方改革が政府によって提言されている昨今、副業に関心を持つ人が増えてきています。
2019年には副業・兼業促進のガイドラインが発表されるなど、ますます副業にチャレンジしやすい環境が整備されつつあります。
投資やYouTube、ECサイトの運営など、様々な副業がありますが、それが少しずつ軌道に乗ってくると、起業するということも視野に入ってくるでしょう。
そこで、この記事では副業で起業する方法や、そのメリットについて紹介していきます。
副業から起業するには
個人事業主になるか法人を設立するか
起業する方法は2つあります。
個人事業主になる方法と法人を設立する方法です。
個人事業主は法人ではなく、個人で特定の事業を継続して行う人のことを指します。
それと対比して、法人とは法律上の人格が付与された(=法律上の権利や義務を負う)組織を指します。
法人にも様々な種類がありますが、一般的に思い浮かぶのは社団法人、つまり会社でしょう。
このように、個人事業主と法人は概念として大きく異なるものですが、そのほかにも実務的な面で個人事業主と法人には大きく3つ違いがあります。
創設時
個人事業主の場合、開業するのに、特にお金のかかる手続きはありません。
開業するには税務署に「開業届」を出すだけです。
一方、法人を設立する場合は登記や定款などの作成が必要になり、会社の種類によって異なりますが、最低でも十数万円の初期費用がかかります。
廃業時
個人事業主の場合であれば、廃業する際も税務署に届出を出すだけで済みますが、法人の場合は廃業する時にも手間やお金がかかります。
税金のシステム
やはり起業する上で気になるのは、税金のことでしょう。
個人事業主と法人では税金の仕組みが異なります。
個人事業主の場合は累進課税制が適用されます。
つまり、所得が上がれば上がるほど税率が上がります。
一方、法人の場合、会社の規模によって税率が固定されています。
そのため、「所得が〇〇円を超えた場合、法人の方が得である」といったことが言われますが、法人税などの計算は複雑であるため、一概に「〇〇円以上」ということは難しいです。
法人化に迷った時は、税理士などの専門家に一度相談すると良いでしょう。
個人事業主になるためには
では、実際に個人事業主になるにはどのような手続きが必要なのでしょうか。
先ほど少し説明したように、手続きとしては開業届を税務署に提出するだけです。
開業届は最寄りの税務署窓口、もしくは国税庁のホームページからPDFで取得できます。
国税庁のHPから入手すれば、直接PDFに書き込んで印刷することも可能です。
記入の際には、マイナンバー、事業所の住所や開業日がわかる書類を準備しておくと良いでしょう。
起業につながる副業のアイデア
副業にも様々なものがあります。
起業に繋げるには、長く続けられることが肝心です。
そのためにも、自分にあったビジネスを探しましょう。
webライター
webライターは、ネット上の記事を書く職業です。
記事を掲載する媒体が紙であった時代、ライターという職業は参入が難しい分野でしたが、webメディアが発達した今日では比較的手軽に始められる副業です。
。
パソコンがあればどこでも仕事ができる、隙間時間に執筆できるという点が魅力ですが、低単価な案件ではなかなか稼げないというデメリットもあります。
YouTube
YouTuberは現在子どもに人気の職業でもあり、人気YouTuberを見て憧れる人もいるかもしれません。
様々なジャンルの動画があるため、自分の好きなことを表現することができますが、収入を得るには動画編集のスキルやセンスが問われます。
アフィリエイト
アフィリエイトは、自分のホームページやブログに企業の広告を掲載し、そこからそのページへのアクセスや商品購入につながった分だけ広告料が入るというシステムです。
アクセス数が安定すればかなりの収入が見込めますが、一方で、そのアクセス数を上げることが難しいという難点もあります。
ECサイトの開設
ECサイトはネット上のショップです。
ネットショップであれば初期費用はほとんどかからず自分のお店を持つことができます。
ハンドメイドのものなど自分の好きなものを売ることができるので、趣味の延長としても続けやすいでしょう。
ただし、ネット上でしか商品が見れないので、品質によってはトラブルになる可能性がある点は注意が必要です。
副業から起業するメリット
では、このような副業から起業する際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
経済的な不安を抱えることなく起業できる
副業ということは、本業の職を辞めずに続けているので、万一副業で思ったように稼げない時にも本業の収入があるので安心です。
また、個人事業主として起業する場合は、開業時も廃業時も特にお金がかからないので、低リスクで起業することができます。
さらに、本業がサラリーマンであれば、融資やローンの審査、引越しなどの入居審査に通りやすいというメリットもあります。
自分のペースで事業を進められる
副業から起業する場合であれば、本業の収入もあるため、自分のペースで事業を行っていくことができます。
起業してみたいけれど収入がなくなるリスクは負いたくないといった場合や、ハイペースで事業を拡大することに不安があるといった場合に最適な起業方法と言えます。
副業で成功していれば、失敗するリスクが低い
全く経験や実績がゼロの状態から起業することには抵抗がある人もいるのではないでしょうか。
その点、副業としてある程度実績を積んでいれば、十分にそのノウハウが身についているので、これまでの実績や取引などを生かして仕事ができます。
そのため、失敗するリスクを低減することができるでしょう。
副業で貯めた資金を起業に使える
副業を行っていれば当然本業に加えた収入を得られるので、金銭的に余裕が生まれます。
その余裕をしっかりためれば、本格的な企業の資金にもなるでしょう。
これまでみてきたように、個人事業主として起業する場合は基本的に初期費用はかかりませんが、法人を設立する場合は設立するだけでも初期費用がかかります。
また、本格的に事業を始めるには十分な資金を準備することが重要であるため、さらに事業を拡大していくことを視野に入れている場合は、まず副業として始めて、ノウハウを学びながら資金を貯めていくという方法は賢い選択と言えるでしょう。
個人事業主が法人化するには
副業からの起業として、まず個人事業主として事業を続けていき、収益が伸びてきたところで法人化することを検討する人もいるでしょう。
その場合はどのような手続きが必要になるのでしょうか。
会社の基本事項の決定
法人化のステップとして、まず会社の基本事項を決定することが必要です。
その中でも特に重要な事項は以下の5点です。
商号
これは会社名のことです。
会社名はその会社の看板でもあるので、こだわって決めたいところです。
法律上の観点から他社の権利を侵害することがないかなど、しっかりと調べて決めましょう。
本店所在地
次に登記に使う住所を決めましょう。
これまで使っていたオフィスを登録することもできますが、契約によっては法人不可の場合もあるので、事前に確認が必要です。
事業目的
法人になると、定款に記載した以外の事業を行うことができなくなります。
そのため、まだ行っていなくても、将来展開する可能性のある事業に関しても記載しておくと良いでしょう。
資本金
会社法人にも様々な形態がありますが、現在は基本的に一円から設立することが可能ですが、会社の信用ということを考えるとある程度の資本金は必要です。
個人事業主から法人化するのであれば、最後の確定申告書を基準にできますが、事前に税理士など専門家に相談すると安心です。
決算日
決算日は会社設立後も変更することができます。
ただし、資本金が1000万円未満の会社であれば設立第一期は免税事業者となるので、その期間を長くするため、会社設立日の前月の末日(会社設立日が12月2日だとすると、11月30日が決済日)とすることが一般的です。
必要書類の準備作成
会社の基本事項が決まったら、必要書類の作成に取り掛かりましょう。
登記に必要な書類は会社の形態によって異なります。
法務局HPを参考に書類を準備することもできますが、
定款認証と申請
株式会社の場合は定款を公証人に認証してもらう必要があります。
この定款認証は紙のものとPDFファイルで行うものがあり、紙の場合、印紙代が4万円かかりますが、PDFの電子定款であれば印紙代はかかりません。
ただし、いずれの場合も公証役場に定款を取りにいく必要はあります。
副業で法人を設立する際はお任せください
この記事では副業から起業する方法やそのメリットなどを紹介しました。
起業にも個人事業主と法人設立という選択肢があります。
副業の規模によってどちらの形で起業した方がいいかは異なりますが、副業の事業がある程度の規模に拡大した際には法人化を検討した方がいい場合もあります。
法人化は、個人事業主に比べて、必要書類や手続きが煩雑です。
せっかく軌道に乗った事業を手続きなどの手間で煩わせたくない、専門的な知識を持った人に相談したいといった時には、会社設立のプロに相談することも検討してみましょう。
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