車が好きな人のなかには、いつか自分で中古車屋を開業したいと思っている人も多いのではないでしょうか?
しかし、中古車屋はある程度の経験がある上で、数千万円の資金を用意しないと難しいのも事実です。
そこで、この記事では中古車屋を開業するために必要な資格や中古車屋を開業したにもかかわらず、失敗してしまう人の特徴を紹介します。
中古車屋の開業に必要な資格
中古車屋を開業するためには、専門資格などはなく誰でも開業することが可能です。
しかし、以下の2つの資格は中古車屋と業務をするなかで必要な資格になります。
- ◆古物商許可証
- ◆自動車リサイクル法引取業登録
古物商許可証
古物商許可証は、中古品を仕入れて販売するために必要な資格です。
個人事業主であっても、法人であってもそれぞれ取得する必要があります。
そのため、個人事業主として古物商許可証をすでに取得している場合でも、法人として新しく中古車屋を開業する場合は、古物商許可証が必要です。
古物商許可証は、取得できる条件が決まっており、自己破産をしてから復権していない人、禁錮以上の刑に処せられた人は、古物商許可証を取得することができません。
また、古物商許可証は中古車を販売する時のみではなく、中古車をレンタカーとして貸し出す際にも必要です。
自動車リサイクル法引取業登録
自動車リサイクル法引取業登録は、お客様から預かった中古車を廃車にする手続きをするために必要な資格です。
そのため、中古車を販売するだけで、自社の中で廃車手続きまで行わないという場合には、自動車リサイクル法引取業登録は必要ありません。
しかし、中古車屋では業務の中で、廃車業務が必要になることも多いので、自動車リサイクル法引取業登録はしておいた方がいいでしょう。
中古車屋の開業形態
中古車屋の開業形態は、以下の2つです。
- 1.完全独立
- 2.フランチャイズ
詳しく見て行きましょう。
完全独立
完全独立とは、フランチャイズ に加入せず自分で一から自分のブランドを立ち上げることです
完全独立のメリット
完全独立形式で中古車屋を始める最大のメリットは、フランチャイズ本部に対してお金を支払う必要がなく、自由に活動ができることです。
フランチャイズに加入するとフランチャイズのノウハウを獲得できる代わりに、毎月の利益の数%をロイヤリティーとしてフランチャイズ本部に入れなくてはいけません。
また、フランチャイズとしてのブランドを確立しているため、他の店舗とサービスやイメージを統一するためにできることできないことが明確に決まっているのもフランチャイズの特徴です。
一方で、完全独立の場合は一から自分で作り上げていくことができるので、外部からのしがらみがなく、ロイヤリティーの支払いもないので金銭的な負担も小さいでしょう。
完全独立のデメリット
完全独立型のデメリットは、ノウハウを得られないことです。
例えば、中古車屋で数年働いた経験があり、そこで店長業務をやっていた人なら完全独立でも、中古車屋として成功する可能性は高いです。
しかし、中古車屋での経験がない、もしくは中古車屋で働いたことはあるけどバイト程度の経験しかない人は、中古車屋として独立してもノウハウの面で劣り経営がうまくいかないことが多いでしょう。
中古車を始めるにあたって必要な資格の取得方法やマーケティング、中古車の仕入れ方法、販売方法、その他各種関係先との契約などで必要になることが多々あり、それらを一つ一つ自分で確認するのは難しいのも事実です。
フランチャイズ
フランチャイズとは、会社設立ノウハウやブランドなどを使う代わりに、売り上げの数パーセントや加盟金を支払う形態です。
大手の中古車屋ブランドのフランチャイズに加入することで、ブランド名やノウハウを使うことができます。
フランチャイズのメリット
フランチャイズの最大のメリットは、ノウハウを本部から受け取れることです。
中古車屋を開業するにあたっては、必要な業務が数々あり、また中古車として繁盛させていくためのマーケティングなども必要になります。
しかし、マーケティングの経験や知識がないと、効果的なマーケティング手法を身につけられないのも事実です。
そのような時でも、フランチャイズに加入していれば、フランチャイズ本部が長年の経験をもとに積み上げたマーケティング方法や営業方法などのノウハウを教えてもらうことができます。
また、フランチャイズに加入していることで、店舗作りがある程度の仕組み化されているので、自分で一から店舗を作り上げていくよりも安くできることも多いです。
他にもフランチャイズに加入していることで、フランチャイズ本部が店舗の内装業者を紹介してくれたり、中古車のオークション会社紹介、またフランチャイズ本部が一括で車を仕入れて、それをフランチャイズ店に対しておろしてくれることもあります。
このように、フランチャイズに加入していることで、長年の経験がある大手の強みを活かして営業できるのは、フランチャイズに加入する大きなメリットでしょう。
フランチャイズのデメリット
フランチャイズに加入する最大のデメリットは、加盟金とロイヤリティーがかかることです。
加盟金とは、フランチャイズに加入するために必要なお金で、最初に数百万円から数千万円支払うことになります。
加盟金の金額は、どの程度の大きさの店舗を出すか、またどの本部に所属するのかによっても変わります。
一般的に、中古車屋でも大手と言われるところのフランチャイズは、ブランド力が高いだけではなく、CMなども沢山流していることから加盟金が高い傾向です。
また、ロイヤリティーは、フランチャイズ本部に毎月一定の金額を支払うというものになります。
ロイヤリティーの計算方法は、フランチャイズ本部によっても異なり、一概に言うことはできませんが、利益の数%と決めている場合もあれば、売上の数%と決めている場合もあります。
利益の数%の場合は、ロイヤリティーの支払いで赤字になることはないです。
しかし、売上の数%の場合はロイヤリティーを支払うために、赤字になってしまう可能性もあります。
そのため、ロイヤリティーお支払い方法や加盟金の金額は、しっかり確認した上でフランチャイズ契約をするようにしましょう。
中古車屋の業務とは?
中古車屋の業務は、以下の4つです。
- 1.中古車の仕入れ
- 2.中古車の販売
- 3.中古車の廃車手続き
- 4.保険代理業務
中古車の仕入れ
中古車屋の最大の業務は中古車の仕入れです。
中古車の仕入れは、中古車を仕入れるための業者用オークションがあり、そこに参加して行います。
また、オークションに参加するには、各オークション会社に業者として登録すること必要です。
業者の中には、参加者を厳しく制限している場合もあり、例えば中古車屋として開業したばかりの場合はオークションに参加できないこともあります。
中古車の販売
中古車屋の業務の一つに、販売業務があります。
販売業務では、個人のお客様に対して中古車を販売するだけではなく、企業に対して中古車を販売することもあります。
例えば、企業で営業車が必要な場合に、一括で仕入れて販売することも多いです。
また、お客様によってはオークション代行をしてほしいと言われることがあります。
オークション代行とは、お客様が欲しいクルマの条件を中古車屋さんに伝えた上で、中古車屋さんがオークションに参加するというものです。
中古車の廃車手続き
中古車の廃車手続きを行うことがあります。
中古車の廃車手続きには、自動車リサイクル法引取業登録が必要です。
そのため、自動車リサイクル法引取業登録をしていない場合は、廃車手続きをすることができません。
保険代理業務
保険代理業務とは、保険会社と契約をして保険の販売店になることです。
保険代理店になることで、お客様に対して自動車保険を中古車の購入と同時にすすめることができます。
ただし、保険代理業を行うためには、損害保険募集人資格が必要になることや、大手の損害保険会社では新規で代理店を募集していないこともあるので、代理業務を行うかは検討した方がいいでしょう。
中古車屋の開業で失敗する人の3つの特徴
中古車屋を開業しても、すぐに失敗してしまう人がいるのも事実です。
実際に、中古車屋を開業しても失敗しやすい人の特徴は以下の3つになります。
- 1.利益のシミュレーションができていない
- 2.元手の資金が少ない
- 3.自分の好きな車を仕入れてしまう
利益のシミュレーションができていない
中古車を購入してから販売するまでの間にも、様々な手数料がかかります。
例えば、中古車を購入してからお店に運ぶまでの運送費用や登録費用、保管費用、メンテナンス費用などです。
また、これらの費用は仕入れてからどれくらいで販売するかによっても変わります。
売れ残り期間が長くなれば、そのぶんメンテナンス費用が高くなり、利益も小さくなるでしょう。
このように、利益のシミュレーションができていないと、中古車屋として失敗する可能性が高いです
元手の資金が少ない
中古車屋のビジネスモデルは、中古車を仕入れた上で販売するものです。
また、中古車屋の場合は、ある程度多くの種類を揃えた上で、お客さんに選んでもらう必要があります。
そのため、仕入れだけでも最初に数千万円かかることが多いです。
自分の好きな車を仕入れてしまう
自分が好きな車と売れる車は違います。
例えば、スポーツカーなどは男性にとっては人気で、憧れを持ってる人が多いです。
一方で、一般的には普段づかいしやすい軽自動車の方が売れる可能性高いでしょう。
もちろん、ブランディングとしてスポーツカーなどを中心に扱うのも一つの手段です。
しかし、大衆向けのお店にするなら自分の好きな車を入れるのではなく、どの車が売れるのかを分析して車を仕入れる必要があるでしょう。
まとめ
中古車屋を開業するには、資格なども必要なく誰でもできます。
しかし、中古車屋として業務を行うためには、古物商許可証や自動車リサイクル法引取業登録がが必要になるので気をつけるようにしましょう。
今後、中古車屋を開業したいと思っている人は今回の記事をぜひ参考にしてください。