創業資金を集めようと考えて、新創業融資制度を利用したいと考える方は多いでしょう。
その際に一番頭を抱えやすいポイントは創業計画書の書き方ではないでしょうか?
✔︎融資で資金調達したいけど、創業計画書の書き方がわからない
✔︎各項目についてどのようなことを書けば良いのかわからない
✔︎HPに載っているテンプレート通りに書いたらダメなの?
✔︎どうすれば通りやすい創業計画書になるの?
✔︎テンプレート通りに書いたらダメなの?
など、疑問を抱える方は多いはずです。
そこで、本記事では創業計画書の書き方や、審査に通るためのポイントを詳しくご紹介します。
本記事が創業に頭を悩ましている方の疑問解決になれば幸いです。
※日本政策金融公庫の創業計画書をもとに話を進めていきます。
Contents
創業計画書とは?
創業計画書とは、これから事業を始めようとする方が日本政策金融公庫の新創業融資制度に申し込む際に必要となる書類の一部です。
創業計画書を見て融資を与えるかどうかが判断されるので、創業計画書は充実したものにする必要があります。
日本政策金融公庫側からすれば、できるかぎりお金を貸したくないというのは本音です。
なぜなら、創業間もない事業者は、将来返済できない可能性の方が高いからです。
新創業融資制度は法人であれば、代表人にリスクがほとんどかかりません。「返済できなかった」となっても、痛手を追わないのも事実です。
そのため「返済能力」がある事業者にのみ貸し付けなければ、制度が破綻してしまうので、書類で判断しているのです。
・本当に貸与した額を返済できるのか
・経営者の資質があるのか
・利息を払えるほどの利益を出せるのか
など、日本政策金融公庫の担当者からしても不安要素はたくさんあるはずです。
そう言った不安や疑問を全て明確にすることが創業計画書を書く目的です。
創業計画書のテンプレート通りに記入したらダメなの?
確かに、日本政策金融公庫HPにはテンプレートが載っています。
しかし、このテンプレートをもとに記入したら、審査に落ちてしまう可能性があります。
なぜなら、記入例のクオリティがあまり高くないからです。
実際に見てもらえば分かるはずですが、非常に分かりづらい記載が多いように見えます。
また、簡易的な記入を行うために作られたものですので、記入枠は非常に小さいです。
そのため、アピールしたい事柄を全て記載できないこともあるでしょう。
そこで、おすすめなのは創業計画書を書くことに加えて、自分で作成した添付資料を作成して分かりやすくすることが大切です。
逆に言えば、添付資料の枚数等は特に指定がありませんので、必要に応じて十分な添付資料を作成しておくことが審査に通る第一歩となるでしょう。
創業計画書の書き方と審査に通るためのポイント
それでは、具体的な創業計画書の書き方と、審査に通るためのポイントをご紹介します。
1.創業の動機【重要な項目です】
2.経営者の略歴等【重要な項目です】
3.取扱商品・サービス
4.取引先・取引関係等
5.従業員
6.お借入の状況
7.必要な資金と調達方法【重要な項目です】
8.事業の見通し【重要な項目です】
こちらが新創業融資政策の創業計画書に記載されている項目です。
こちらをもとに書き方とポイントを詳しくご紹介します。
1.創業の動機【重要な項目です】
創業計画書の一番重要な項目と言っても過言ではないのが「創業の動機」です。
担当者は事業をどれだけ成功させる意思があるか、どのくらい事業に真剣なのかを見ています。
そのため、充実した内容を記載することで審査に受かる確率は格段に上がります。
こちらは、創業計画書の記入欄が少し小さいので、別紙資料として作成して添付するのが良いでしょう。
そのほうが事業に向ける熱意が伝わりやすいです。
とは言え、熱意を記入しすぎつあまり、膨大な創業動機を書いてしまうと、逆に伝わらな句なってしまいますので、A4サイズ1枚程度に収めるのが良いでしょう。
開業目的が明確である
開業理由が突拍子もないものだと、創業の意思が薄いと判断され、審査に落ちてしまう可能性があります。
独立に向けて準備したことや、独立に至った経緯について、できるだけ詳しく記載しましょう。
創業において目標が定まっている
「売り上げを上げる」など、漠然とした目標ではなく、具体的な目標を掲げることが重要になってきます。
たとえば、どのようなことを実現したいから独立に至ったのか、業種がどのように社会に役立つのかなどを記載することで、明確な目標が定まっていることを提示できます。
独立のタイミングについての記述が適当である
「タイミングだと思った」や「同僚にすすめられたから」などの曖昧な記述では審査に落ちてしまうことがあります。
「勤務先で固定客がついた」や「独立のために必要な準備・業務経験が実現できた」など、詳しく主体性を持った動機を記入するようにしましょう。
2.経営者の略歴等【重要な項目です】
経営経験があるかを記載する項目になります。
これまでに事業を手掛けてきた方であれば
・どのくらいの実績が見込めるか
・今後将来の展望はどうなるか
・利益をいつ頃生み出せそうか
などを記載できるのですが、これから初めて創業する方は予想が立たず、記入できないでしょう。
そのため、創業融資の審査においては今までの実務経験やプロジェクトの参加経歴しかアピールできません。
ここでは、今までのプロジェクトに携わった上で、自分がどのポジションで、どんな成果を挙げたのかを記入することが大切です。実際の数値た売り上げ、利益率などを引用できる場合には細かく書くべきです。
どう言ったことについて記入するのかは以下の項目でまとめますので、ご覧ください。
この項目も創業計画書の用紙のみでは、記入欄が少ないので、別紙で添付するのが良いでしょう。
業種に関わる適切な知識を持っている
経営においては法律、経理、労務、税務など幅広い専門知識が必要になります。
全てのプロフェッショナルではないにしろ、十分に理解していることが求められます。
業務実績がある
知識だけあれば良いわけではありません。
業務経験も見られるポイントでしょう。
とはいえ、創業間もない方にとって経営経験は少ないと思いますので、あくまで創業する事業に関する業務経験で問題ありません。
また、任せられていた役職や責任者経験などがある場合には記載すると、有利に働くでしょう。
3.取扱商品・サービス
創業後にどのような商品・サービスを取り扱うか、どのように集客を行って利益を出すのかを説明する項目です。
・商品・サービスを利用する層
・商品・サービスの具体的な内容
・集客の方法
などを詳しく説明し、説明できるようにしましょう。
こちらも別紙添付がおすすめです。
また、イメージが文章だけで伝えづらい場合には、ユーザーのイメージ写真や商品・サービスの画像などを添付するのもおすすめの方法です。
商品・サービスの明確な売りを記載する
「〇〇な商品」といったような、曖昧な形容詞を使った表現は避けるようにしましょう。
5W1Hに留意した細かい表現で、読み手に具体的なイメージを伝えられるような記載を目指しましょう。
集客施策を説明する
集客に使うツールはどのようなものがあるか。
広告、新聞、SNS、DM、Webページなどの施策を具体的に記入しましょう。
商品・サービスの独自性を記載する
競合と同じような商品・サービスでは、あまり売り上げが期待できません。
そのため、融資額を減額されることもあるでしょう。
なので、他の同業他社と比較して、どう言った点が優れているのかを明確に記載することが肝心です。
4.取引先・取引関係等
取引先や仕入れ先など、利益を生み出すための取引の道筋が立っているかを説明する項目です。
会社の信頼性を担保するためにも非常に重要な項目になります。
ターゲットやどういった業者から商品を仕入れるのかなど、明確に記載することで、商品を販売して顧客に届くまでの道筋がイメージしやすくなります。
結果として、きちんと売り上げを出せる事業者か判断しやすくなり、審査に通る可能性も高まるのです。
取引先・仕入れ先を明確に記載する
販売先を明確に決めておきましょう。
たとえば、
・20代の男子大学生が買いたくなる文房具の販売
・40代主婦が通いたくなる健康志向の整体
など、できるだけ具体的に記載しましょう。
・年齢
・性別
・趣味
・嗜好
・仕事
・年収
・家族構成
など、事細かに記載することでターゲット層が明確になるので、融資担当者も分かりやすくなります。
仕入れ先を記入する
もし可能であれば、仕入れ先の名称や住所を記載しましょう。
仕入れ先との関係を作ることも経営する上では重要なポイントです。
そのため、創業前に仕入れ先が決まっていることは大きなアピールポイントになります。
また、仕入れ先との関係性も記載できると良いです。
5.従業員
従業員がどのくらい必要なのかを記載する項目です。
業務内容や業務の流れなどを踏まえて、どのくらいの人数が適正なのかを判断して、記載しましょう。
6.お借入の状況
創業者が他に借入しているかを記載する項目になります。
ここで書かなければバレないというものでもないので、しっかりと記載するようにしましょう。
主な借入としては、クレジットカードや住宅ローン、車のローンなど、自分が借入ているものは全て記載しましょう。
バレないからと思って記入していないと、信用を失う恐れもありますので注意が必要です。
7.必要な資金と調達方法【重要な項目です】
創業の資金がどのくらい必要で、どのように準備しているかを記載する項目です。
また、自己資金の金額やどのくらい借入する予定なのかも記載します。
特に、自己資金は非常に重要なポイント。
資金があることは返済できる可能性が高いことに繋がりますので、融資担当者側からしても、自己資金がある事業者に貸し付けたいことは目に見えています。
ご自身としても自己資金が少なければ無理なく返済することは難しいので、再確認する意味で記載しましょう。
必要資金を全て記載する
創業時に必要な資金がいくらあるか、抜け漏れがないかは非常に重要なことです。
仮に抜け漏れがある事業者に貸し付けてしまった場合には資金不足に陥って、返済が滞ると担当者は判断します。
また、返済額のことを思うあまりに、ギリギリの資金しか調達しない場合は、創業の時点で赤字になることも考えられます。
抜け漏れがないかを確認するとともに、事業を行う上でギリギリの資金ではないか確認しましょう。
自己資金の十分性が記載する
創業時に必要な資金として、新創業融資制度では10分の1以上の自己資金が必要だと記載されています。
しかし、実際のところ、このくらいの自己資金で融資を受けることは難しいと考えられるのです。
相場から考えて、3〜4割は自己資金で賄わなければなりません。
自己資金額が十分であることは返済をできることを数字で伝えるための唯一の手段とも言えるため、自己資金額が足りているか、今一度確認することが大切です。
また、万が一足りなそうなのであれば、創業のタイミングをずらすことも考慮した方が良いでしょう。
自己資金の証明ができる
自己資金について、日本政策金融公庫では通帳原本の確認を行い、金額が正しいかチェックされます。
また、一時的に借りたお金も通用しません。
ちゃんとコツコツお金が溜まっているのか確認されます。
通帳で示せる額が十分かをしっかりと証明することが大切です。
8.事業の見通し【重要な項目です】
創業後、どのように事業が進んでいくかを示す項目です。
この項目を参考に以下のことを確認されます。
・日本政策金融公庫の返済が可能か
・生活する上で必要な給与を支払えるか
・売上計画は順調か
・無理ない原価率で運営ができるか
これらの項目を満たしていないと、審査に通ることは少ないと考えられますので、しっかりと記載しましょう。
また、日本政策金融公庫の創業計画書には創業当初と事業がスムーズに進んだ後のみ記入することになっていますが、できることなら事業最中の展望も記載するようにしましょう。
こちらの項目に関しては、素人目ではわからないこともあるので、専門家に頼ることをおすすめします。
売り上げ見込みが数値で記入できる
売り上げの見込み数値が根拠に基づいて記入されていることは非常に重要なポイントです。
たとえば、整体業を例として挙げると、お客様の単価×人数×営業日=売り上げ目安になるでしょう。
また、商品を販売する場合には1個当たりを販売する人件費や原価率なども記載するのが良いでしょう。
借り入れの返済目処を記載する
事業見通しの一番下の項目には、3点を加味した利益を記載する必要があります。
①日本政策金融公庫の借入金返済額
②税金・国保・国民年金の支払額
③創業者の生活費
これらの項目を無理なく支払える見込みがない場合には、審査に通らない可能性もあります。
しっかりと確認するようにしましょう。
売り上げ計画に無理がないか(実現可能なものかを示す)
事業体系が似ている競合と比較して売上金が無理のないものである必要があります。
こちらのページを確認して指標とズレがないか確認するようにしましょう。
提出後の面談も重要なポイント
これまでは「創業計画書」の記入項目と記入時のポイントを解説してきました。
ここまでを踏まえて記載すれば完璧な創業計画書の書き方が分かって、融資を受けられると思う方もいらっしゃるでしょう。
実は、創業計画書意外にも窓口では面談があります。
この面談も審査の一環ですので、ここも徹底しておかないと、融資を受けられない可能性もあります。
ここでは簡単に面接についてご紹介します。
面接では以下の項目を話すのが良いでしょう。
・この事業をやろうと思ったきっかけ
・この事業を行うために何を行なってきたか
・事業をやる意味
・事業が軌道に乗るまで全力で頑張ること
・事業に関する熱意は誰にも負けないこと
など、事業に関する思い入れを確認されます。
創業計画書に書かれたことの信頼性があるかを確認するだけなので、内容をしっかりと把握していれば問題はありませんが、熱意をしっかりと伝えられるプレゼン能力は必要になります。
融資の審査は面談の後にされるので、安心して融資できる事業主かどうかをアピールできれば、問題なく審査に通るはずです。
また、面談は一人で練習するのは難しいので、専門家や友人などにお願いするのが良いでしょう。
創業計画書と面談にお困りの際はKSPへご相談ください
創業計画書はこれからの事業がどのように進んでいくのかを示すものです。
ともに、日本政策金融公庫からすれば、「返済の見通しが立たない事業者」には融資したくないと考えるのが普通でしょう。
だからこそ8つの項目について全て充実させた創業計画書が必要になるのです。
しかし、今回ご紹介したポイントを踏まえて記載しようと考えても
・正しく書けているのか
・他の事業者と比べてレベルの高い内容になっているのか
・しっかりと審査に通る内容が書けているのか
は非常に不安だと思います。
そこでおすすめなのは専門知識を持った税理士が所属しているサポート法人に依頼することです。
専門知識を持った税理士法人であれば、融資審査を何度も通してきた実績から、あなたの創業資金集めをサポートできるでしょう。
私たち、税理士法人経理サポートプラスアルファでは24時間いつでも、融資に関するお問い合わせに対応しています。
・創業計画書の記入が不安
・面談と一貫した動機を組み立てられるか不安
などお困りの方はぜひ、ご相談ください。
専門知識を活用して、審査に通りやすい創業計画書を当日作成できることもあります。
また、万が一融資審査に落ちてしまった場合には料金は一切いただきませんので、お気軽にご相談ください。