監査法人へ転職するには?大手と中小の監査法人の違いやキャリアを解説!

2021年01月5日

転職が当たり前になった昨今ではキャリアアップを目指す方法として、資格取得が挙げられます。

その中でも、医師や弁護士と並び国家資格である公認会計士は魅力的な資格の一つです。

合格率5%とも言われる難関資格の公認会計士を取った後、まず就職先として考えられるのが、監査法人でしょう。

そこでこの記事では監査法人への転職やキャリア形成について紹介します。

監査法人の求人ニーズ

転職を考えるには、その業界のニーズを知ることが必要でしょう。

そこで、まずは監査法人の求人ニーズについてみていきます。

年齢を考慮して

監査法人への転職で求められるスキルや経験は年代によって異なります。

20代

20代であれば、転職も比較的有利でしょう。

ただし、監査法人最大手のBig4(「有限責任あずさ監査法人」「EY新日本有限責任監査法人」「有限責任監査法人トーマツ」「PwCあらた有限責任監査法人」)では、無資格でもできる監査補助者を解雇するケースも出てきているため、公認会計士の資格は必須事項となってきています。

また、海外進出をサポートする業務も増加傾向にあるため、TOEIC700程度の英語力があると尚良いでしょう。

30代

30代になると、即戦力となることを求められるケースが多くなります。

そのため、これまでのキャリアをアピールする必要があり、基本的には監査法人での勤務経験を求められます。

ただし、経験がなくても、30代前半でTOEIC800点以上の高い英語力などの武器があれば、転職できる可能性はあります。

40代

40代では、監査法人での勤務経験はもちろんのこと、これまでの経験がより具体的にみられる傾向があります。

IPO(新規公開株)での成功といった業務上の成果や、管理職ポジションでの転職であれば、マネジメント能力などのアピールポイントが必要となってきます。

全体的なニーズ

監査法人業界の全体的なニーズとしては、新型コロナウイルス蔓延の影響などもあり、これまでの売り手市場は終わりを迎えています。

特に大手のBig4では、働き方改革や業務効率化などの待遇改善により人材の流出が抑えられているため、採用控えの傾向がみられるようです。

そのため、公認会計士の資格に加え、経理のスキルや金融関係などの経験、英語力などといった武器が必要でしょう。

一方で、準大手や中小監査法人ではまだ採用が続いているので、目標の監査法人の採用情報はこまめにチェックしましょう。

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Big4と中小の監査法人の違い

 
以上のように、全体的には売り手市場は終焉しつつありますが、各監査法人によって求人状況は異なってきます。

Big4に転職する場合

監査法人最大手であるBig4には数百人単位で公認会計士が在籍していますが、新人公認会計士のほとんどがこのBig4への就職を希望すると言われており、競争率はそれだけ高くなります。

そのため、他の監査法人などから転職する場合は、これまでのキャリアや経験などが問われることになります。

そのほかにも、監査法人によっては「学歴」を重視するところもあるようです。

とはいえ、それぞれの監査法人によって、体育会系の人柄を求めるところや英語力を必要とするところもあるため、自分にあった社風の監査法人を選ぶと良いでしょう。

Big4に就職するメリットとしては、やはり最大手であるため、キャリアとしての価値や収入などが高いということが挙げられます。

また、様々な案件に関われるので、視野が広がるというメリットもあります。

一方で、案件が大きいため、チームで分担することになり、案件の全体像が見えにくいという点や、業務量が多いというデメリットもあります。

中小に転職する場合

上述のように、中小の監査法人では、人材不足が続いているため、積極的に採用を行っているところも多いようです。

中小監査法人といっても規模や方針はそれぞれですが、比較的早い段階から裁量を与えられることが多く、インチャージやマネージャーとしての経験を積むことができるということは魅力の一つと言えるでしょう。

また、Big4と比べて、ワークライフバランスがとりやすいというメリットもあります。

一方で、待遇面でBig4には劣る傾向にありますが、ポジションやその監査法人の規模によっては遜色ない場合やBig4よりも高い収入を得ている場合もあります。

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監査法人でのキャリア

では、実際に監査法人ではどのようなキャリアを積むことができるのでしょうか。

監査業務でのキャリア

会計監査は公認会計士の独占業務であるため、監査法人業界での地位は保証されやすいと言えます。

加えて、監査法人内での競争は外部に比べて緩やかであり、努力をつめばキャリアアップを望むことができるでしょう。

一方で、会計監査の経験があれば、FAS、コンサルティング、事業会社(経理、財務、IPO準備など)、金融機関といった業界へ転職することも可能です。

とはいえ、年齢を重ねると転職の選択肢は狭まってくるので、早めにキャリアを見据える必要があります。

また、監査業務の中でも、金融監査と公会計監査のキャリアは、監査法人以外ではやや特殊な扱いになるという点は留意する必要があるでしょう。

金融監査の経験は、金融機関などでの評価が高い傾向にあります。

ただし、金融監査を長く続けていると、その他業種への転職は難しくなります。

公会計監査のキャリアは、自治体や第3セクター、特殊法人などの経理職といったポジションでは有利に働きますが、一般企業の経理職では評価されにくい傾向にあります。

また、会計事務所、FASやコンサルティングファームでも、自治体や第3セクター、特殊法人などのクライアントが多いファームでは、有利なキャリアとなるでしょう。

監査業務以外でのキャリア

会計監査以外にも、監査法人によっては様々な部門があります。

例として、IT監査や会計アドバイザリーといったポジションが挙げられます。

IT監査のポジションは、公認会計士の間で人気が高くありませんが、その分人材不足であり、法人内での評価が高いと言えるでしょう。

IT監査のキャリアがあれば、IT系コンサルティングファームや事業会社のIT関連の企画部門などへの転職に有利でしょう。

会計アドバイザリーのポジションでは、財務会計を中心としたアドバイザリーの経験を積むことができます。

昨今会計アドバイザリー部門のニーズは高まっているため、若手であれば、監査未経験でも採用対象とする法人もあるようです。

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未経験や無資格がなくてもできるのか

このようにその後の様々なキャリアにも繋がる監査法人への転職ですが、未経験や無資格でも就職できるのでしょうか。

無資格では難しい

監査法人には監査業務と非監査業務がありますが、やはり主な業務は監査になります。

監査の業務には複数名の公認会計士がチームとして携わります。

このような監査法人の業務の性質上、やはり公認会計士の有資格者が優先されるため、無資格での転職は難しい傾向にあります。

しかし、アドバイザリー部門などの非監査業務部門のある法人もあるため、そういった部門であれば、無資格者も採用の可能性はあるでしょう。

ただし、この場合は実務経験を求められることが多いという点は注意が必要です。

また、USCPA(米国公認会計士)の合格も、英語力とグローバルな会計知識を裏付けるものとして監査法人への転職に有利となりますが、公認会計士の独占業務である監査をメインとした求人では、やはり公認会計士の資格を持っていない場合は難しくなります。

監査業務未経験の場合は

その一方で、監査業務未経験であっても、公認会計士の資格を持っていれば採用対象となります。

特に20代〜30代であれば、未経験でも監査法人への転職は可能であると言われています。

40代にでは、20代、30代に比べるとハードルは高くなりますが、資格だけではなく、事業会社の経理職や会計事務所での勤務経験、金融機関の営業職、コンサルティング職など、監査業務と親和性が高いとされるキャリアや、海外赴任の経験など入社後の業務に生かせる経験を積んでいれば、転職の可能性はあるでしょう。

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会計業界で成長したい人材を求めています。

この記事では、監査法人でのキャリアや転職に関して紹介しました。

監査法人への転職は、公認会計士の資格を持っていれば、20代、30代では十分にチャンスがあると言えるでしょう。

40代になっても、英語力やこれまでのキャリア次第では転職の可能性はあります。

若手で監査法人に入った場合は、金融系やコンサルティング系へのキャリアチェンジも可能であるため、早めに今後のキャリアを検討すると良いでしょう。

公認会計士の資格を取得していない場合は、監査の業務をメインとしたポストへの就職は難しいでしょう。

一方で、アドバイザリー部門など非監査業務であれば、これまでのキャリア次第で転職の可能性もあります。

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ディスクリプション:
この記事では監査法人でのキャリアや転職について紹介しました。

監査法人への転職は、Big4は雇い控えをしているようですが、中小の監査法人であればまだ採用を継続しているので、公認会計士有資格者であればチャンスはあります。

また、若手であれば、監査法人でのキャリアを生かして、金融系やコンサルティング系への転職を見据えることもできます。

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