30代/40代からでも税理士への転職は可能!その理由とは?
2020年10月18日
税理士資格は、会計、税法など難関の試験5科目を突破しなければならない非常に取得が難しい資格です。
このため、社会人として働きながら税理士試験の合格を目指して勉強する人は非常に多いです。
30代、40代になって税理士試験に合格し、税理士として転職を考える方も少なくありません。
しかし、30代、40代で税理士試験に合格し、税理士になったとしても、税理士として未経験のままで税理士として働くことができるのだろうか、と不安に感じている方も多いことでしょう。
今回は、30代、40代の税理士の実情や、30代、40代で税理士に転職する方法まで、幅広く紹介します。
30代、40代から税理士として活躍しよう、と考えている方は必見です。
30代/40代の税理士の現状
まずは、30代、40代で税理士としてすでに活躍している人々の現状を紹介します。
30代/40代の税理士の平均年収
30代、40代の税理士の平均年収は、以下の通りです。
30代税理士の平均年収
30代税理士の平均年収は、およそ400万円〜500万円ほどです。
日本全体の平均年収と比べたら高い水準ではあるものの、5科目もの難関試験を突破してはじめて就ける職業である税理士の年収、と考えるとそんなに高くないと感じる方もいることでしょう。
実際、税理士試験は非常に難易度が高いことから30代でも税理士になりたての人が多く、いわゆる「見習い期間」であることが多いため、やや水準が低くなっています。
もちろん、20代の頃に税理士試験に合格し、30代までバリバリと現役で活躍している税理士に関しては、さらに高い水準の年収であることは間違いありません。
なかには、30代からすでに独立・開業する税理士も存在します。
40代税理士の平均年収
40代税理士の平均年収は、およそ700万円〜800万円ほどです。
30代と比べると、実践経験も積み、組織の幹部・マネージャーとして従事する税理士も多く、平均年収が高くなっています。
特にプレイヤーとしての実績を十分に積み、役職者になった税理士に関しては、年収が1,000万円を超えるケースもあります。
開業する人も多い
30代、40代では、税理士としての経験をある程度積んだ後、独立・開業するケースも多いです。
独立・開業した場合の平均年収は約3,000万円と言われているため、顧客獲得の難しさなどリスクも大きいですが、税理士法人に勤務するよりもはるかに高い収入を得ることができる可能性があります。
30代のうちに税理士として転職をして、税理士法人の中で実践経験を積むことで、独立・開業をして現状よりはるかに高い収入を得られる可能性があるのです。
税理士への転職に年齢は関係ある?
一般的に、税理士などの士業では、年齢が上がるほど転職が難しいという通説があります。
この通説は、感覚的には非常に理解しやすいでしょう。
当然年齢が上がれば上がるほど未経験者の需要は少なくなります。
同じ実務未経験税理士でも、20代と40代であれば20代の方がポテンシャルがあるとみなされる可能性は高いでしょう。
しかし、あくまでもポテンシャルという要素においては不利になる、というだけの話であって、年齢が高いからといって転職できる可能性が全くない、というわけでは当然ありません。
年齢が上がれば上がるほど、有利になる点もあるのです。
それが「社会人経験」です。
同じ実務未経験税理士であっても、20代であれば社会人経験が薄く、入社後社会人としての基礎的なスキルから教える必要があります。
つまり、育成の工数がかかるのです。
一方で、30代、40代の転職組であれば、社会人としてのスキルは十分に身についています。
後輩のマネジメント経験もある方も多いでしょう。
こうした社会人としてのスキルは、育成体制が整っていない税理士法人においては、非常に重宝されやすいです。
また、「社会人として結果を出しながら、難関資格に合格した」という実績を評価してもらえる場合があります。
まとめると、税理士への転職のおいて、「年齢の高さはポテンシャルという点では不利だが、社会人としての実践経験がある点で有利」ということです。
30代/40代での税理士転職は可能
上記の通り、30代、40代であるからといって、一概に税理士転職が不利になるわけではありません。
さらに、税理士転職には以下のような事情があり、実際に未経験から転職を成功させている人も多いです。
税理士業界は人手不足
税理士業界は、人手不足であることが多いです。
このため、他の業界と比べても、比較的需要が多いという特徴があります。
30代からは即戦力として期待される
税理士として正式に5科目合格したのが30代、40代であっても、それまでの社会人経験の中で経理や経営企画などの業務に携わっていた場合、即戦力として期待されることも多いです。
また、税理士法人は育成などの体制が整っていないことも多いため、人事・総務などに携わっていた経験も重宝されることがあります。
未経験からの転職成功事例
ここでは、未経験から30代、40代において、未経験から見事税理士法人に転職をした成功事例をいくつか紹介します。
もちろん全員というわけにはいきませんが、人によっては、未経験から税理士BIG4法人(PwC税理士法人、デロイト トーマツ税理士法人、KPMG税理士法人、EY税理士法人)への転職も可能です。
40代税務業務未経験Kさん
40代税務業務未経験のKさんは、年収1000万円以上という高い条件にも関わらず、見事に大手税理士法人への転職を成功させています。
通常は「40代業界未経験」の人材が年収1000万円以上で転職できる、という事例はかなりレアケースですが、Kさんの場合は、「税理士業務と関連する経理・経営企画の業務経験が非常に長かったこと」から即戦力を期待されて採用されたと考えられます。
このように、未経験でも前職でしっかりと実績を残している人材であれば、通常なかなか考えられない条件での転職も可能なのです。
40代税務業務未経験Mさん
大学卒業後、地元の青色申告会にて、個人事業主向けに税務指導を行ってきたMさんは、税務知識は豊富でも、実際に手を動かして会計処理・税務処理をした経験がありませんでした。
しかし、人柄やこれまでの仕事の実績などを評価され、税理士法人への転職を叶えることができています。
30代/40代で税理士へ転職する際の注意点
30代、40代から税理士に転職するためには、以下のような点に注意する必要があります。
正社員としての募集が大幅に減る
30代、40代の実務未経験者は、そもそも転職市場に募集が大幅が少ないです。
このため、時期や地域によっては条件にあう求人が一件もない可能性もあります。
働きながら税理士資格を取らなければいけない
社会人として働きながら税理士資格をとるのは決して簡単ではありません。
仕事に忙殺されてしまい、思うように勉強が進まないことも多々あるでしょう。
働きながら税理士資格をとるためには、「絶対に税理士転職を果たす」という強い決意を持ち、高い計画性をもって勉強を進めることが大切です。
現場の教育体制が整っていない
税理士法人は、現場の教育体制が整っていないところが多いです。
このため、仮に未経験で税理士法人に入社できたとしても、うまく業務を身につけられるかどうかは転職先次第です。
税理士法人に入社したものの、仕事をまともに教えてもらえずに放置され、すぐに辞めることになってしまった、というケースも決して少なくありません。
求人が少ないから、といって妥協せず、自分が安心して身を預けられる会社を探すことが転職においては重要です。
様々な業界の知識が必要
税理士の基本的な仕事は、様々なクライアントの税務上のコンサルティングをすることです。
税務は、日本に存在する全ての会社が対応しなければならないことであるため、あらゆる業界がクライアントになりえます。
このため、税理士として力を発揮するためには、クライアントの業界の特性を理解し、クライアントに寄り添ったコンサルティングをすることが大切です。
このため、税理士として成長するためには様々な業界の知識が必要になります。
まとめ
30代、40代から税理士への転職を目指すのは、決して簡単なことではありません。
そもそも市場に求人が少なく、チャンスが少ないというデメリットもあります。
こうした際は、「求人があるから」と闇雲に応募しまくるのではなく、自分の条件にあった求人を探しながら、しっかりと面接対策、スキルアップのための勉強などをしておくことが大切です。
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