スケルトン物件の内装工事を業者に依頼する際の費用について！メリットデメリットも解説します

こんにちは。今回はスケルトン物件の内装工事を業者に依頼する際の費用についてです。

テナント用の物件の貸し出し方は「居抜き物件」と「スケルトン物件」に分けられ、それぞれの特徴は異なり、メリットやデメリットも変わってきます。
ここからはスケルトン物件に焦点を当て、居抜き物件との比較をしつつ、スケルトン物件の内装工事を業者に依頼する際の注意点や内装工事費用について詳しくご紹介していきます。

スケルトン物件とは

スケルトン物件とは、テナントの中でも内装設備が整っていない状態で募集されている物件のことを指します。
元々スケルトン物件として募集されていた物件の場合、退去する際は原状回復工事またはスケルトン戻しをすることが一般的です。
それではスケルトン物件のように内装設備等が何もない物件においては、どのようなメリットやデメリットがあるのかご紹介していきます。

スケルトン物件のメリットとは

撤去費用がかからない

スケルトン物件とは逆に、以前の内装設備が残った状態で募集されている「居抜き物件」があります。
居抜き物件の場合、既存の内装設備が自分のイメージとかけ離れた内装のときには、撤去工事が必要となりますし、当然それはの工事費用が発生してしまいます。

その点、スケルトン物件は初めから真っ新な状態であるため、撤去の内装工事が不要となり、内装工事以外に余計な工事費用の負担が発生する可能性が少ないのです。

好みのレイアウトにしやすい

スケルトン物件の特徴である”内装が真っ新”であることによって、撤去工事の費用がかからないだけでなく、一から内装工事ができることで自身の理想の内装を実現しやすくなります。
居抜き物件のように既存の内装が残る場合では、撤去工事をしたとしても、やはり内装工事に制限はつきものです。しかしスケルトン物件の場合、初めから自分自身の好きなような内装やレイアウトができるため、事務所や店舗の内装にこだわりたい人からすれば、それは大きなメリットです。

物件選びがしやすくなる

一般的な賃貸物件ではスケルトン物件が最も多いので、スケルトン物件の方が立地面等においても理想にあったものを比較的選びやすいといえます。
居抜き物件の場合では、立地面で問題なかったととしても、自分がイメージする内装と合わなければ余計な内装工事の費用がかかってしまいます。
しかしスケルトン物件であれば自分自身の好みのレイアウトにできます。
スケルトン物件は母数が多いため、余計な撤去工事費用などをかけずに理想に近い内装を再現できる物件の方が実は選びやすいのです。

スケルトン物件のデメリットとは

ベースの内装工事費用が高い

スケルトン物件のメリットとして、居抜き物件のように既存の内装が合わない際の工事が不要であり費用が余計にかからないとお伝えしましたが、スケルトン物件は一から内装工事を行うため、そもそもの内装工事費用が高くなってしまいます。

居抜き物件を取得し、撤去工事をしてから新規に内装工事を行う場合に比べると費用は抑えられるものの、やはり内装や設備をそのまま使用する場合に比べてしまうと、スケルトン物件では内装工事費用は高くなってしまうのです。

内装工事の時間がかかる

スケルトン物件のように一から内装工事を行う際には、工事の規模が大きくなってしまいがちです。
それに伴い、内装工事に要する時間も長くなります。また、工事を始める前の事前打ち合わせにおいて工事の方向性やレイアウトを決めますが、完成した後に「イメージと違っていた！」というトラブルを無くすためにも、こまめに工事の現場を確認しておく必要があります。

スケルトン物件の内装工事の相場とは

スケルトン物件の内装工事を業者に依頼する際のデメリットとして費用面をお伝えしました。
実際の内装工事の費用は工事する規模の大きさや、依頼する業者にもよりますが、”坪単価”というものにも左右されるのです。
坪単価とは、1坪あたりの工事にかかる費用のことであり、坪単価は業種ごとに変わってくるのです。そのため、今回はテナントの店舗で代表的な、「飲食店」「美容院」「アパレル」の3つの店舗に絞ってご紹介していきます。

飲食店

飲食店の内装工事の費用を大きく左右する要素として主に挙げられるのは、キッチン周りの器具や空調設備です。
レストランなどのようにキッチンが大きくなりがちな店舗であれば、それに伴って換気扇などの空調設備もこだわっているケースが多いのです。
また、座席数や食卓の質を求めていくと当然に費用も高くなっていきます。
飲食店の平均的な坪単価は約20万円から40万円とされており、内装工事費用は約300万円前後がかかってしまうことが多いようです。

美容院

美容院の内装工事の費用で大きく影響を与える要素としては、座席の数や専門機材などが挙げられます。
また、専門機材を導入するとなった際には、それに応じて電気設備を整えることも必要となるため費用が嵩んでしまうことがあります。美容院の坪単価は約40万円から80万円といわれており、内装工事の費用の目安としては約500万円前後かかるといわれています。

アパレル

アパレルの内装工事で費用面に大きな影響を与える要素は、主に壁や床の素材が挙げられます。

アパレルは店内でお客様に向けて直接的にサービスを与えるという業種ではないため、特殊な機材や器具などは不要ですが、清潔感やオシャレな雰囲気を出すために壁や床の素材にこだわり費用が高くなることがあるのです。
アパレルの坪単価は約10万円から20万円であり、10坪の内装工事を行うとなると、約100万円から200万円ほどの費用がかかるといわれていますが、ブランド店やジュエリーショップのような内装の素材にこだわるような店舗では、やはり坪単価は用いる素材等に応じて高くなります。
内装工事の総額が1,000万円ほどかかる店舗もあります。

スケルトン物件の内装工事で気を付けるべき点とは

業種ごとの内装の規定をクリアする

業種ごとに内装の規定が法律上に定められており、その規定を守らなければ店舗を経営することができなくなってしまいます。

居抜き物件のように、前の事業主の内装設備がそのまま残っていると、規定をクリアした状態の内装を利用できるため、規定に関してをあまり気にする必要はないかもしれません。
しかしスケルトン物件のように一から内装工事を行う際には、内装の規定を十分に考慮にした上で設計していかなければなりません。

工事内容の見直し

スケルトン物件は既存の内装が何もない状態からレイアウトなどの構成を考えるため、自身の理想により近づけようとすると、気づけば工事の内容がドンドン膨らんでしまっているということがあります。

自身の希望通りの内装にするために全ての内装工事を行うとなった際には、想定していたよりも費用が高くなってしまい、後々の後悔に繋がることがあります。
そのため、内装工事がスタートする前に再度工事の内容を見返して、本当に必要な内装工事を精査したうえで工事を開始してください。

スケルトン物件の内装工事の費用の抑え方とは

相見積もりをする

内装工事の費用が変わる要素の一つとして、業者選びが挙げられます。

同じ内装工事の業者だとしても、資材の調達にかかる費用や経験・技術力が異なるため、それぞれの業者で工事にかかる費用が異なるのです。
ひとつの業者だけで決めてしまうと、後から「同じ工事内容でもっと安くできた」というような業者を見つけることもあるため、極力複数の業者に費用面で相談をし、見積もりをいくつかの業者に出してもらって上で決めると良いでしょう。
しかし、次から次へと業者に費用面だけで相談してもキリがないため、最低でも3社、多くても5社ほどの業者に絞るといいでしょう。

スケルトン物件の実績が多い業者へ依頼する

先ほど業者によって経験や技術力が異なると記述したように、業者ごとにスケルトン物件の内装工事の経験が多い業者と少ない業者に分かれます。
そのため、より信頼できる内装工事業者に依頼をしたいのであれば、やはりスケルトン物件の内装工事に慣れている内装工事業者に依頼をするべきでしょう。

必要以上に内装工事をしない

先ほどの内装工事で気を付ける点で記述したように、内装工事の規模が大きければ大きいほど費用が嵩んでしまうため、一番の費用の抑え方としてはそもそも必要以上に内装工事を行わないという方法が望ましいでしょう。
最近ではDIYで簡単な箇所の内装工事を行う人もいますし、ホームセンターなどでもDIY用の工具や材料が販売されています。
自分でやるには難易度が高い内装工事は内装工事業者に任せ、できそうな箇所はDIYで手掛けるという選択をするのもいいでしょう。

＜最後に＞物件選びは慎重に

ここまでスケルトン物件のメリットやデメリットを踏まえて、内装工事の際に気を付けることや費用の抑え方についてご紹介してきました。

冒頭でもお伝えしたように、スケルトン物件と居抜き物件にはそれぞれのメリットやデメリットがあります。
スケルトン物件の内装工事を行う前に自身の状況や方向性を検討した後、費用面や技術面を鑑みて、内装工事業者を選ぶべきなのです。
また、業者に内装工事を依頼するとなった際にも、慌てて内装工事業者を決めてしまうと後のトラブルにも繋がりやすくなってしまいます。
そのため、いくつかの内装工事業者で内装工事費用を見比べた上で、スケルトン物件の実績が多くて信頼のできる内装工事業者に依頼できるように業者選びは慎重に進めてください。