今回は飲食店の電気代の平均について焦点をあてていきます。
飲食店を経営する上では、必ずと言っていいほど電気代について考える方がほとんどでしょう。
一般的な家庭における毎月の電気代は、1人暮らしの場合は約5,000円から8,000円ほどが平均とされており、ファミリー層の場合は約20,000円前後が平均とされています。
それに比べ、常に電気を消費し続けている飲食店であれば、電気代はやはり高くなってしまいます。
そのため、今回は飲食店の電気代の相場や電気代が高くなってしまう原因についてご紹介していきます。
Contents
飲食店における電気代の内訳とは
飲食店の電気代は一般家庭と比べても比較的高くなります。
電気代の平均や相場についてご紹介する前に、まずは飲食店ではどのようなことに電気代を支払っているのかについてご紹介していきます。
照明
飲食店の照明は、その飲食店ごとに店内の広さや数量、照明器具自体の大きさが異なるため、電気代のなかで占めるウェイトは異なります。
主に客席で使用している照明が大きく占めていますが、厨房でも照明は必要なので電気を使用しますし、電子看板を設置している飲食店もありますので、一様ではありません。
空調
空調に関しては、照明以上に店舗の規模が電気代に大きく影響をします。
客席の広さによってエアコンを変えなければいけなりませんし、小規模な飲食店であれば一般家庭で使用しているエアコンでも事足りることがありますが、大規模な飲食店や客席が広い飲食店であれば業務用のエアコンをそれとと複数台使用しなければいけないことが多いでしょう。
厨房機器
飲食店の厨房にある専門の機器も電気代に大きく影響します。
業務用冷蔵庫や製氷機などがあります。
また、それに加えて飲食店のジャンルによって厨房に置かれている専門の機器は異なります。
カフェであればコーヒーを提供する「コーヒーメーカー」や居酒屋ではビールを提供する「ビールサーバー」などがあります。
飲食店の電気代が高くなってしまう原因とは
先ほども記述したように、飲食店では平均的に電気代の負担が大きくなります。
その理由を紹介していきます。
食材の保管
飲食店では照明や空調のために電力を消費しますが、これらは主に店舗の営業中に限られます。
それに比べて、食材や氷を保管しておくための冷蔵庫や製氷機というのは、店舗が営業していなくても常に電気が必要です。
また冷蔵庫は一般家庭の冷蔵庫よりも大きな業務用冷蔵庫であり、その数も飲食店によって違えど、基本的に複数台設置されているので、やはり平均的に電気代が高くなってしまうのです。
調理中に使用する専門機器
飲食店では調理をする際にも電力を使用しますので、お客様が来店すればするほど電気代が高くなります。
特に飲食店の”ゴールデンタイム”と呼ばれている繁忙時の11時から14時のランチタイム、17時から22時ほどのディナータイムでは、使用電力はますます多くなります。
営業中の照明
飲食店では店舗内の照明というのは非常に重要な役割を果たしており、やはり照明も電力を消費します。
また、店舗によって照明の役割は様々です。
カフェやバーのようなオシャレや高級感を出そうとしている飲食店では、照明を暗めにすることで雰囲気づくりをしている店舗が多くあります。
それに対して居酒屋などでは明るい雰囲気を作るために照明が強く設定されていることがあります。
客席の空調調整
飲食店の客席はエアコンなどで温度の調整がされていますが、お客様によって適切な温度が異なるため、要望があればそれに応じて温度を調整しなければいけません。
ですので、夏や冬時期には平均的に電気代が高くなってしまうのです。
業務用機器の使用
飲食店では、基本的に一般家庭で使用しているエアコンや冷蔵庫よりも大きなエアコンや冷蔵庫を使用しているため、平均して電気代が高くなってしまうのです。
客席に複数の業務用エアコンを設置している飲食店や、厨房に複数の業務用冷蔵庫を設置している飲食店は珍しくありません。
また、それぞれの飲食店や提供している商品によって専用の機器が異なりますが、業務用の専門機器は総じて消費電力は一般的な電化製品より高くなってしまう傾向があるようです。
飲食店の平均の電気代とは?
同じ飲食店だとしても、それぞれの店舗で電気代が異なるのはもちろんですが、飲食店の種類によって電気代の使用料や用途が異なります。
飲食店の代表格の「カフェ」「ラーメン屋」「居酒屋」の3つの飲食店の電気代についてご紹介していきます。
カフェ
カフェの平均的な電気代としては約30,000円から40,000円といわれています。
カフェではオシャレな雰囲気や高級感を出すために特殊な照明が使われており、コーヒーマシーンを利用している店舗がほとんどです。
とは言え、カフェではあまり電気を使用しないのではと思われがちですが、そうでもないことがあります。
例えば、喫煙席と禁煙席を分けた分煙対応をしているカフェを見かけたことはありませんか?
分煙対応をすると、それぞれのスペースにエアコンを設置が必要ですし、喫煙スペースの換気扇を常に稼働させていなければいけないのです。
ラーメン屋
ラーメン屋は店舗によっては、ランチタイムである11時から14時、15時まで営業をした後にディナータイムの17時まで休憩や仕込みの時間を取るために営業を止めることがあります。
しかし、それとは対照に、朝の10時や11時から深夜朝方まで営業をしている店舗もあるのです。
したがって、電気代の平均は店舗の営業時間によってかなり変わってきますが、ラーメン屋全体の電気代の平均としては約20,000円から40,000円ほどといわれています。
ちなみに、ラーメン屋は電気代よりもガス代で非常にお金がかかってしまう傾向があり、ラーメン屋のガス代の平均は約70,000円から80,000円ほどかかるといわれているので、電気代と合わせると光熱費で約100,000円ほどになってしまいます。
居酒屋
居酒屋は電気代が、かなりの費用がかかってしまう飲食店です。
居酒屋では店舗の規模が20坪ほどの店舗でも平均して約50,000円から100,000円ほどの電気代がかかってしまい、その規模が100坪を超えてくると、約400,000円から700,000円ほどの電気代がかかってしまうともいわれているのです。
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<最後に>飲食店経営と電気代の関係とは
ここまでで、飲食店を経営する上でかかってくる電気代の内訳や飲食店の種類によっての平均的な電気代についてご紹介してきました。
飲食店の種類や店舗ごとによって電気代は異なりますが、基本的に数万円から数十万円ほどとなります。
「毎月数万円ならそこまでの金額でもないし、その分だけ利益を出せば問題ないでしょう」と考えられる方も多くいらっしゃるでしょうが、例え毎月数万円だとしても、1年間を通しての金額として考えると、数十万円にも繋がってしまいます。
飲食店において数十万円があれば、食材の調達や人件費にも回せたり、時には店舗内の改装にも回せるほどの金額となります。
また、飲食店において売上から引かれる割合の多くは人件費です。
その人件費は売り上げが高かろうと低かろうと必ず発生します。
たしかに「その分だけ売り上げる」という心意気は間違いではありませんが、長期で飲食店を経営するとなると、毎月の固定費の無駄を削減することが非常に重要なことになります。
ですから、毎月の無駄な電気代を発生させずに、平均して電気代を含めた光熱費を削減することは飲食店経営にとても影響を与えることなのです。
既に飲食店を経営されている方やこれから飲食店を始めようとしている方であれば、必ず電気代は発生しますので、常に電気代を削減できないかということを検討して対策をすることをオススメします。