バーを開業するために必要な資格があります。
お酒に関する資格を取らなければならないと考える人もいるかもしれませんが、必要なのは店の責任者であることです。
他の飲食店にも言えることで、取得すべき資格は同じ。
バーを経営したいと考えている人が取得すべき資格はたったの2つです。
いつ取得するのが良いのか、取得するのに費用はかかるのか、についてお伝えします。
Contents
バー開業に必要な資格は2つ
バー開業に必要な資格は2つです。
- 食品衛生責任者
- 防火責任者
どちらも、特別な資格をあらかじめ持っていなくても取得できる資格。
これらがどのような資格で、どのようにして取得できるのか、お伝えします。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、次の定義がされています。
食品衛生責任者になるためには、次の資格を有する必要があります。
- 栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、船舶料理士、食品衛生管理者(注1)の有資格者。
- 都道府県知事が行う食品衛生責任者になるための講習会または都道府県知事等が適正と認める講習会の受講修了者。
(注1)医師・獣医師・歯科医師・薬剤師または、学校教育法に基づく大学で、医学・歯学・薬学・獣医学・畜産学・水産学・農芸化学の過程を修めて卒業した者等。
特定の資格を持っている人もしくは、指定の講習を受けた人が取れる資格です。
食品衛生責任者とは別に、食品衛生管理者という資格がありますが、調理した食事や生鮮食品を提供する場合に必要となる資格です。
居酒屋やワインバーなどで肉や加工食品などを提供する場合が該当します。
反対に、
◆酒類のみの提供
◆おつまみはナッツ類や乾物に限る
などの場合は、責任者のみで営業できます。
防火責任者
防火責任者は、
- 防火管理者とは、多数の者が利用する建物などの「火災等による被害」を防止するため、防火管理に係る消防計画を作成し、防火管理上必要な業務(防火管理業務)を計画的に行う責任者を言います。
※消防法では、一定規模の防火対象物(*1)の管理権原者(*2)は、有資格者の中から防火管理者を選任して、防火管理業務を行わなければならないとされています。
また、防火責任者には専任要件があります。
- 防火管理業務を適切に遂行することができる「管理的、監督的地位」にあること
- 防火管理上必要な「知識・技能」を有していること(防火管理講習修了者、学識経験者等(*3))
こちらも、特定の資格を有している人のみではなく、誰でも取得が可能な資格です。
講習を受講すれば取得できる資格で、学識経験者であれば講習を受けずとも防火責任者に任命できます。
消防や消火関連の知識や職業に就いていた経験がある人が該当します。
防火責任者として資格を取る場合、開講している講座が3種類あります。
講座 | 講習で取れる範囲・詳細 |
---|---|
甲種防火管理新規講習(甲種新規講習) | 甲種防火管理者として、すべての防火管理を行うことができる人として選任が可能 |
乙種防火管理講習(乙種講習) | 乙種防火管理者として、甲種より小規模な防火管理を行うことができる人として選任可能 |
甲種防火管理再講習(甲種再講習) | 収容人数300人以上の防火管理対象物を管理している人が対象。講習終了後4年が経過するまでに受ける必要がある。オンラインでの受講が可能。 |
★東京都
★鳥取県
★岐阜県
★千葉県千葉市
★神奈川県横浜市
★大阪府大阪市
以上の都府県は、市町村の消防長が管理しているため、各自治体ごとに開催日程の確認が必要です。
資格はいつ取るのがおすすめ?
バーの経営に必要な2つの資格は、いつ取得するのがおすすめなのでしょうか。
答えは明白で、開業を考えているならば、今すぐ取得したほうが良いです。
講習を受講するだけで取得できるので、会社員として働いていても不可能ではありません。
資格取得から営業までに、申請が必要なので忘れずに行いましょう。
開業を考えたらなるべく早めに
- 食品衛生責任者
- 防火責任者
以上の2点は、開業を考えたら早めに取得しておくのが良い資格です。
なぜならば、資格取得ははじめに行う準備のため。
時間が限られている中で、物件決めや内装工事は余裕を持って準備を進めることが必要ですし、資金集めも時間がかかるので、時間はいくらあっても足りないと思っておくほうが良いです。
時間の余裕を少しでも作っておくために、最初はできるだけ早く動きましょう。
働きながらでも資格は取れる
バー経営に必要な資格は、働きながらでも取得可能です。
資格取得に必要な条件は講習の受講。
講座がいつどこで行われているかを確認します。
資格 | 講習内容 | 受講方法・費用 | 開講日 |
---|---|---|---|
食品衛生責任者 | ・ 食品衛生学 2時間30分 ・ 公衆衛生学 30分 ・ 食品衛生法 3時間 1日で取得可能 | ・会場集合型 ・e-ラーニング | ・各自治体によって開講日が異なる。 ・不定期開催(東京都内は平日のみ開講) ・自宅近くの講習会場もしくはPCから受講可能 |
防火責任者(甲種新規講習) | 防火管理の意義及び制度火気管理、施設 ・設備の維持管理防火管理に係る訓練及び教育防火管理に係る消防計画など 2日間で取得可能 | ・会場にて受講(会場によっては実技を行う場所あり) | ・受講場所によって開講日は異なる ・受講可能人数は受講日によって異なる ・都道府県によっては実施していないため隣の都道府県を含めて検索する必要あり。 |
防火責任者については、バー経営に関わる甲種新規講習について記載しています。
基本的に平日の開講となるため、土日休みの人は有給を取得するなどで休みを確保する必要があります。
開講日は不定期のため、あらかじめ日程を確認しておきましょう。
受講日数は1~2日と短期間です。
働きながら、というのが難しい人は、バー経営の準備のみに集中できる環境を整えてから資格を取得しても構いません。
平日休みが取得できる場合は、働いている期間に取得することをおすすめします。
資格が取れたら申請を
資格が取得できたら、忘れないうちに申請をしましょう。
どちらの資格も、取得してすぐ申請するのが望ましいです。
申請をしていないと営業できない資格なので、必ず申請しましょう。
経営途中に専任者が変わった場合も、速やかに申請します。
変更したことを言わず、責任者がいない状態での営業はできません。
申請を怠ったまま営業をすると、罰則によって、懲役もしくは罰金が課せられます。
経営資金を圧迫しかねないため、資格取得後忘れずに申請をしましょう。
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資格を取るのにかかる費用
バーを経営するための資格を取得するのには、少なからずお金がかかります。
◆食品衛生責任者
◆防火責任者
それぞれどのくらいの費用がかかるのかをお伝えします。
また、長く経営するために必要な経営資金を蓄えるべく必要な、開店資金を抑える工夫も紹介します。
資格を取るには費用がかかる
資格をとるのには費用がかかります。
民間が行っている講座を受講するので、受講料は発生します。
しかし、手軽に払える金額で受講可能なので、ステップとしては踏み出しやすいのではないでしょうか。
資格取得にかかる料金はこちらです。
資格 | 費用 |
---|---|
食品衛生責任者 | 12,000円 |
防火責任者 | 8,000円 |
1~2日で取得できる資格であるため、さほどスケジュールを調整しなくても取得が可能。
貯金がない状態から始めようとしている人にも手の届きやすい価格なので、取得できるときに取得しておくのがおすすめです。
また、資格取得には講習を受けるための交通費もかかります。
もちろん実費なので、遠方から受講する人は交通費の確保も必要です。
時期や会場によっては、駅から距離があるケースや自宅から遠いこともありえます。
手軽に取得できる資格ではありますが、時間とお金に余裕を持って参加することが必要です。
開店資金を抑えることはマスト
開店資金を抑えることはマストです。
バーを経営するための資格を取得するのにお金がかかりますが、それ以上に開店資金やランニングコストがかかります。
これらを貯金や融資、売上でまかなっていくのですが、思うようにうまく運営できないこともあります。
開業してしばらくは、自分の貯金に頼ることになるので、開店資金を抑えて手元にお金を残しておくのは必須です。
とはいえ開店資金は、かさんでしまいがちな費用。
どのように工夫すれば抑えられるのか、知っている人は少ないです。
資金をできるだけ貯めるという方法もありますが、それでは増え幅が想像を上回ったときに対応できません。
増え幅が大きくても支払いの負担を減らせる方法こそが、開店資金をいちばん抑えられる方法なのです。
抑えられる開店資金
開店資金の中で、もっとも抑えられる費用は内装工事費用です。
内装工事費用は、開店資金の中でいちばん費用がかさみますが、だからこそ抑えられる費用でもあります。
からくりは、内装工事費用をリースで支払うこと。
内装工事費用を一括で支払うのではなく、毎月決まった金額で支払うことで、初期費用の出費を抑えます。
ローンを組んで支払うのですが、内装工事で設置した設備などはすべて自身の持ち物として使えます。
所有権は自分にあるので、期限が来たときに返却しなくて良いのがメリットです。
開店資金を準備するときに内装工事費用をリースで支払う方法を知っておくだけで、初期費用をかなり抑えられます。
準備資金が少なくてもバーを開業でき、手元に資金が残っているので経営費用に充てることも可能です。
このように、内装工事費用はもっとも抑えられる初期費用であり、開店資金は抑えられます。
まとめ
バーを経営するための資格には2種類あります。
- 食品衛生責任者
- 防火責任者
いずれも1~2日の講習を受けることで取得できる資格です。
費用は、2つの総額が2万円で、収入を圧迫するほどではありません。
資格を取るタイミングは、バーの経営を視野に入れ始めたらすぐに取得するのが望ましいです。
今後の準備がスピーディーに進んでいくので、時間の余裕があるうちに取得しておきましょう。
資格が取れた後、申請は忘れずに行ってください。
いざというとき営業できなくなります。
また、経営資金を確保するために、初期費用を抑えることは必須です。
内装工事費用を抑えられる、リースでの支払いも検討して、長く経営できる店をめざしましょう。