美容師として独立をしたいものの、最初から大規模な美容室を開業するのは不安と思っている人も多いでしょう。
そのような人に最近人気なのが、一人美容室です。
一人美容室とは、簡単に言うと店内がそこまで大きくなく、一人の美容師でも回せる美容室のことを言います。
一般的には、1席もしくは2席程度のこじんまりとした美容室のことを指します。
ただ、どのように一人美容室を開業したらいいのか、また一人美容室の内装にはどのようなことに気をつければいいのか知らない人も多いでしょう。
そこで、この記事では一人美容室の内装のポイントや、一人美容室の内装費用の相場についても紹介していきます。
Contents
一人美容室に必要な広さとは?
美容室では、開業にあたり細かい規定が存在します。
例えば、美容室の大きさは最低でも13㎡ないと開業することができません。
また、13㎡では6席しか設置することができず、7席以上設置する場合は1人につき追加で3㎡が必要です。
そのほかにも、床材にはコンクリート、タイル、リノリューム又は板等不浸透性材料を使用することが規定されています。
このように、美容室には細かい基準が設けられており、一人美容室であってもこのような基準を満たさないと美容室としての開業許可はおりません。
そのため、規定に沿った内装工事・内装デザインを行うことが必要です。
一人美容室の内装のポイント
一人美容室の内装で意識するポイントは以下の3つです。
- テーマを統一する
- 個性を全面に押し出す
- 動線を意識する
それでは、詳しくみていきましょう。
テーマを統一する
一人美容室では、テーマを統一することがポイントになってきます。
テーマの統一とは、外装と内装のデザインを統一するということです。
一人美容室の最大の魅力は、美容師さんとお客さんの距離が近く、美容師さんの個性がお店に全面的に打ち出されていた方がお客さんも来やすいということ。
そのため、一人美容室の内装や外装については、その美容師さんのイメージに合わせて作った方がお客さんを取り込みやすいと言われています。
例えば、フェミニンなイメージのある女性の美容師さんの場合、内装や外装もそれに合わせて可愛いデザインにしたほうが一人美容室としても人気が出るでしょう。
一方、クールなイメージのある男性を美容師の場合、内装や外装もスタイリッシュに仕上げた方が美容師さんとお店のイメージが一致しやすく、お客さんもどういうお店なのか、またどういう人がやっているお店なのかをイメージしやすいでしょう。
最近では、SNSを使って集客をすることが多いので、美容室内のテーマ統一、また店舗の内装と美容師さんの雰囲気があっているかどうかも、1つのバズるポイントになっています。
個性を全面に押し出す
一人美容室は、個性を前面に押し出した美容室の方が人気が出る可能性が高いです。
例えば、店内にぬいぐるみがたくさん置いてあったり、店内のオブジェとして大きなモニュメントを作成する、店舗の名前に工夫を凝らす、サービスとして他の美容室にはないものを提供する。
このように、その美容室にしかない個性を全面的に押し出すことで、お客さんを獲得しやすいです。
一方で、個性を前面に押し出す時には、何をコンセプトとして打ち出したいのか、またどのような客層をターゲットにしているのか、このようなところも意識できると個性がある上で集客・マーケティングができるお店にできるでしょう。
動線を意識する
一人美容室では、動線を意識することも重要です。
一人美容室の場合、通常の美容室とは異なり複数人が同時にお店にいるということはなく、店内が混雑して動線がぐちゃぐちゃになってしまうということはないでしょう。
一方で、美容室としてはカットする場所からシャンプー台まで一直線で行けた方が良いとされています。
これは、動線をひとつに絞ることで髪の毛の掃除であったり、移動によるお客様への負担も減らすことができるからです。
そのため、面積の問題でシャンプーとカットが大きく離れてしまう、もしくは別の部屋になってしまうこともあると思いますが、このような動線になってしまうとお客様には負担になってしまうので、なるべく動線を意識した上で一直線でお客様が移動できるようにしましょう。
理想としては、会計からシャンプー、カットが全て一直線上にあり、その上で済ませることができるようにすると動線的にはお客様も利用しやすいお店になります。
一人美容室の内装費用
一人美容室の内装費用の相場は、坪単価20万円から25万円です。
一人美容室では内装工事費用は通常の美容室と変わらないことが多いですが、デザインの部分では通常の美容室よりも個性を出したもの、また特徴のあるものにしなくてはいけないのでその分デザイン料が高くなってしまう場合があります。
しかし、10坪程度の一人美容室の場合、200万円から300万円程度で内装工事を終わらせることは可能でしょう。
外装工事についてもそこまで大きな金額がかからないことが多いです。
これは、一人美容室の多くがテナントの1階部分ではなくて、2階・3階もしくはマンションなどに立地することが多く、外装工事という概念がそもそも無いような立地で開業することが多いためです。
もちろん、外装工事が必要な1階の場合は、店舗内装に合った外装工事をすることでお客さんを呼び込みやすくなるでしょう。
ただし、一人美容室の集客・マーケティングの基本は、なんとなく入店してくる一見さんではなくて、常連さんもしくはそのお店を目指して来てくれる人を取り込むもので、ローカルマーケティングは行わず、オンライン・SNSマーケティングが中心になることがほとんどです。
そのため、外装についてはそこまでこだわらなくても大丈夫でしょう。
200万円から300万円程度で内装工事を行うことができ、開業できるのも一人美容室の大きな魅力です。
一人美容室の内装工事費用を抑えるコツ
一人美容室の内装工事費用を抑えるコツは以下の3つです。
- モニター募集している業者に依頼する
- 工事内容を限定する
- デザインと工務店を分ける
それでは詳しく見ていきましょう。
モニター募集している業者に依頼する
内装業者では、定期的にモニター募集していることがあります。
モニターとは、内装工事の実施業者が内装施工実績として自社ホームページに掲載したり、チラシなどに掲載する代わりに工事費用を通常よりも値引きしてくれるキャンペーンのことです。
モニター募集している内装業者に内装工事を依頼することで、内装費用を安く抑えられることもあります。
一方で、美容室の内装工事は一般的な飲食店の内装工事と違い、専門的なデザインの知識や施工の知識が必要になってくる部分もあります。
そのため、そのモニターを募集している内装業者が、美容室の内装にも対応しているのかというところを確認した上で、内装工事を依頼できるのか、またモニターとして美容室の内装工事も実施してもらえるのかというところを確認するといいでしょう。
工事内容を限定する
内装工事の工事内容を精査するのも内装工事費用を抑えるポイントです。
例えば、美容室の場合、配管やシャンプー台の設置などについては内装工事をした上で行わないと難しい部分があります。
一方で、カット台の設置、カット台の電飾などについては自分で行えるものも多いです。
その他にも、美容室で必要な製品の多くは、中古品が流通しているのでそのようなものを使うことでも内装費用を抑えることができます。
内装工事内容を限定する場合には、まず知識や資格がないとできない部分については内装工事業者に任せるようにして、誰でもできるいわゆるDIYで対応できるような所については、店舗運営者の方で行うようにすると内装費用を抑えることが可能です。
一方で、このように内装工事の内容を限定する際には、どこまでが内装工事業者の責任範囲でどこからが責任範囲外なのかが不明瞭になってしまうことがあります。
そのため、何か開業後に瑕疵があった場合に誰が責任を取るのかを明確にできるようにしておくといいでしょう。
この点については、書面として工事業者との間で残しておくと安心できます。
デザインと工務店を分ける
デザインと工務店を分けるのも内装工事費用を抑えるポイントのひとつです。
一人美容室の場合、デザインが重要になるのでデザインと内装工事の施工を一緒に行う内装業者に依頼すると、満足のいくデザインができない、もしくは満足のいくデザインにするためには値段が高くなってしまう所もあります。
そのような場合は、美容室もしくは一人美容室の内装デザインを専門にしている内装デザイン業者に、デザインのみ依頼した上で施工に関しては地元の工務店などに依頼することで価格を抑えてうまくいくことも多いです。
特に、デザインに関しては満足のいかないものの場合、いくら価格が安くても意味がないものになってしまいます。
また、全ての内装業者が一人美容室の内装デザインに長けているわけではありません。
そのため、ある程度満足するデザインにするためにはデザイン専門の事務所に依頼することが必要になるでしょう。
まとめ
一人美容室では、内装の段階で気をつけるポイントが多く、特に一人であることから個性を全面に押し出していくことが重要になります。
しかし、一人美容室の場合は開業費用が安く済み、スモールスタートができるのが魅力です。
今後、一人美容室の開業を目指している人はぜひこの記事を参考にして、一人美容室の開業に取り組んでみてください。