今回は飲食店の厨房の換気扇を取り付ける際の工事に焦点を当てていきます。
飲食店を経営する上では厨房に換気扇を取り付けるのは必要不可欠でもあり、店舗によって厨房の大きさが異なるため、適切な換気扇の大きさも異なります。
また、換気扇の工事を行う際には専門の業者に依頼する方がほとんどであり、店舗によって工事にかかる費用が異なります。
そのため、今回は厨房で工事を必要とする場所や換気扇を取り付ける時の工事について、依頼をするべき業者の特徴や費用の相場について詳しくご紹介していきます。
Contents
厨房の工事を行うべき場所とは
飲食店に厨房を設ける際には、最低限の内装設備を整える必要があります。
また内装設備にもいくつかの種類があり、それぞれ目的が異なりますが飲食店においては必要な設備となります。
大きくわけると「空調設備」、「水道設備」、「電気設備」の3つにわけることができるので、それぞれご紹介していきます。
空調設備
空調設備とは、厨房内の換気扇や店舗内のエアコンなどの空気や温度を調整する設備のことを指します。
空調設備の規模は基本的に店舗が広ければ広いほど規模が大きくなり、エアコンは店舗によって家庭用で事足りるところがあれば、業務用でないと間に合わない店舗もあります。
水道設備
飲食店を経営する上では、調理時に水を使用したり食器などの洗い物を行う際の水道設備が必要になります。
厨房の工事を行う際には、水道の通り道に合わせて厨房のレイアウトを構成する必要があるのです。
電気設備
客席や厨房内の照明やコンセントなどの電気回線の設備のことを指します。
飲食店では客席の照明が重要な役割を果たし、照明の明るさがお客様の食欲にも影響を与えるといわれているのです。
また、厨房内には冷蔵庫などの電化製品を設置するため、コンセントの配置が作業効率を左右することもあるのです。
ダクトとは
厨房の換気扇の工事を行う際に”ダクト”というものを必ず耳にするでしょう。
ダクトとは、厨房の換気扇と屋外の排気口を繋ぎ合わせ、空気の給気や排気などを行うために使用する設備です。
基本的に換気扇と一緒に設置の工事を行うので、飲食店の厨房工事を行う際にはダクトの幅や通り道を考慮しなければいけません。
ダクト工事の相場とは
ダクト工事では、排気や換気を行うための「排気・換気ダクト」、火災が起こってしまった際の煙を外に排出するための「排煙ダクト」、調理を行う際に発生する煙や油を外に排気するための「厨房排気ダクト」、室内の空気を快適に保つための「空調ダクト」の4種類を取り付けます。
ダクト工事費用は、店舗ごとの規模によって換気扇を設置する幅や換気扇の数も変わってくるため、相場は約20万円から300万円と幅が広くなっています。
飲食店の物件の種類とは
飲食店を構える上で主な物件の種類は「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2種類にわけられます。
厨房の換気扇の工事を行う際には、この2つの物件のどちらにするかによっても費用が異なることがあるのです。
それでは、それぞれの特徴や費用面についてご紹介していきます。
居抜き物件
居抜き物件とは、前の事業主の内装設備がそのまま残っている状態で募集に出されている物件のことを指します。
前の事業主が飲食店の際にはある程度の厨房の設備が整っていることがあるので、一から換気扇を設置する工事をする必要がないケースもあるのです。
その場合は、換気扇の設置工事にかかる費用を抑えることができます。
しかし以前の事業主が飲食店であっても自身のイメージしている厨房とかけ離れている時には、換気扇を含めた厨房設備を真っ新にするための工事を行わなければなりません。
こうなると余計に工事にかかる費用がかかってしまったり、長い時間を費やすことになります。
スケルトン物件
スケルトン物件とは、居抜き物件とは真逆であり、何もない状態で募集に出されている物件の事を指します。
ですからスケルトン物件の場合は必ず一から厨房設備を整える必要があります。
そのため、スケルトン物件の場合は比較的工事の費用が高くなってしまいがちですが、自分の思い通りの厨房にしやすいという利点もあります。
換気扇の設置工事を依頼すべき業者の特徴とは
換気扇の設置工事や厨房設備の工事に対応している業者は数多くあり、どこの業者に依頼をするべきかわからないという人は多いでしょう。
業者に依頼する際にはどのような業者に依頼をするべきかについて、ご紹介していきます。
飲食店の工事実績が多い
換気扇の設置などの厨房の工事に対応してくれる業者は数多くあり、業者によって得意な工事や不得意な工事があります。
換気扇の設置など厨房設備の工事が得意な業者であれば、過去にどのような厨房の工事を行ったか、どのような換気扇の設置を行ったかなどのアドバイスをくれるでしょうし、より費用を抑える方法なども教えてくれることでしょう。
また、豊富な経験から全体的な流れを把握しているので、工事完了までをスムーズに終わらせることができるのです。
対応が良い業者
厨房の換気扇設置工事を業者に依頼するとお金がかかります。
ですから、できるだけ工事の費用を抑えたいというのが本音のところでしょう。
中には「安く対応してくれるのであればどの業者でも良い」というほど費用面を最優先している飲食店の方もいるかもしれません。
しかし、いざ業者に依頼をする際に費用面だけで決めてしまうと、いくつか問題が発生してしまうことがあるのです。
費用が安いからと言って依頼をしたが、工事を進める上で話が合わず、対応も悪く、トラブルになってしまうというケースは少なくありません。
業者に工事を依頼する際には、費用が安いに越したことはありませんが、「こちらの要望をどの程度飲んでくれるのか」「こちらにメリットのある提案をしてくれるのか」などの部分もよく考慮しながら依頼する業者を決めるべきでしょう。
ホームページを持っている業者
ホームページを持っている業者を選ぶという選び方もあります。
今やホームページは持っていて当たり前なので、やはり簡単なホームページすら持っていないと安心して工事を任せられないのではないでしょうか。
また、専門業者のホームページには工事の実績を掲載しているところが多いので、その業者が厨房関係の工事や換気扇の設置を行ったことがあるのかなども確認できるでしょう。
厨房の換気扇工事の設置での注意点とは
換気扇の工事を行う際にはいくつかの注意点があり、事前に気を付けておかなければ、余分に高い費用がかかってしまうことや、再度の工事を必要とするケースがあるのです。
ここからは、事前にいくつか注意しておくべき点についてご紹介していきます。
店舗の規模に合わせた換気扇を設置する
飲食店によって厨房の大きさが異なるため、適する換気扇の規模も異なってきます。
適した規模の換気扇を設置できなければ厨房内や客席にも調理中の煙が充満してしまったり、十分に換気ができなくなってしまいます。
しっかりとした換気を行うためには換気扇の大きさだけでなく、換気扇やダクトの配置も非常に重要となるため、事前にレイアウトや換気扇の規模も考慮する必要があるのです。
複数の業者に見積もりを出してもらう
先ほども記述したように、それぞれの業者によってその特徴や得意・不得意があるので、同じ工事を依頼したとしても業者によってその費用は上下してしまいます。
したがって、1社だけ話を聞いて決めてしまうのではなく、複数の業者に相談を踏まえて見積もりを出してもらってから決める方が無難です。
<最後に>厨房の内装規定を把握しておくべき
ここまでで厨房の換気扇設置工事を業者に依頼する際についてご紹介してきましたが、最大の注意点としては”内装の規定を把握しておく”という点です。
店舗を構える上ではそれぞれの業種によって法律上、内装の規定が設けられています。
飲食店においても内装の規定が設けられており、厨房の設備を整える際には遵守しなければならない規定があります。
この規定を知らず知らずのうちに破っていると、経営を続けられなくなってしまうケースもあるため、事前に把握した上で換気扇の設置を含め厨房設備の構成を検討してください。