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ネイルサロンの開業で融資を受けるには?~注意すべきポイントを銀行員が解説

ネイルサロンの開業で融資を受けるには?~注意すべきポイントを銀行員が解説

ネイルサロンの開業を考えている人でも、ネイルサロンのことをどこまで知っているでしょうか?

まだ新しい業界であるネイルサロンでは、経営や融資についても他とは違い注意すべきポイントがいくつかあります。

そこで今回は、こうしたネイルサロンの開業で融資を受けるためのポイントなどを、融資を審査する銀行員が解説しますので、参考にしてください。

ネイルサロンの開業で融資を受けるために~ネイルサロンを知る

ネイルサロンの開業で融資を受けるポイントを知る前に、まずネイルサロンのことを知りましょう。

ネイルサロンの知識がない人も、またネイルサロン業界にいても、もっと知識が欲しい人も「いまさら聞けない」ネイルサロンの基本事項を説明します。

ネイルサロンの定義、属する業種

ネイルサロンとは、専用の化粧品などでネイルケアやネイルアートを手足の爪に施す店舗のことです。

業種としては下記のとおり、分類されています。

 <ネイルサロンの属する業種>

  1. ①大分類N:生活関連サービス業、娯楽業
  2. ②中分類78:洗濯・利用・美容・浴場業
  3. ③小分類 789:その他の洗濯・理容・美容・浴場業
  4. ④細分類 7899: 他に分類されない洗濯・理容・美容・浴場業

これは「*日本標準産業分類」により決められたネイルサロンの業種です。

(*日本標準産業分類:日本の産業を大分類・中分類・小分類・細分類の4段階に分類しているもので、総務省の統計局が発表している)

大きい業種としては生活関連サービス業、つまりいわゆるサービス業や娯楽業(映画館、競馬場など)に属し、その中でもクリーニング、スーパー銭湯、理美容業に含まれ、さらに理美容業(理髪店、美容室)以外で「人、人の身に着けるものをきれいにする」業種であると言えます。

ネイルサロンと同じ細分類では「コインシャワー」「コインランドリー」「ソープランド」などがあげられます。

ちなみにここで用いた「日本標準産業分類」は、日本政策公庫や銀行などで融資審査をする際に、申込人がなんの業種か?を判断する基準になっています。

また同様に、日本政策公庫の各種融資や銀行における制度融資などでも、利用できる業種かどうかを決めるものさしにもなっていますので、興味のある人は自分の関連する仕事がなに業か調べてみるのもいいでしょう。

出典
総務省/統計基準・統計分類/日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)/分類項目名

ネイルサロンの現状

ネイルサロン業界は 2000 年代より大きく成長し、社会的にも認知度が向上しました。

またサロンの普及拡大に伴い、普通の若い女性も気軽にサロンを利用するようになっています。

こうした背景から、上記した産業分類でネイルサービス業を独立した業種と認定されたのも最近のことで、市場の将来性も期待できる業種です。

またサロン数も年々増加していて、2005年(H17年)には4,750だったサロン数が2011年(H23年)には10,400店になっています。(出典資料参照)

出典
経済産業省大臣官房調査統計グループ/統計企画室/「細分類 ネイルサービス業」の新設について(案)

ネイルサロンの開業で融資を受けるために~融資審査のポイント

ネイルサロンの開業で融資を受けるためには、融資審査で重視するポイントを押さえる必要があります。

そのポイントとは「計画」です。

ネイルサロンの開業資金融資を受けるには「創業計画」が必須

ネイルサロンの開業で融資を受けるために、融資審査で重視するポイントは事業計画です。

開業に適した日本政策公庫の融資(詳細は後述)も、しっかりとした事業計画(創業計画)が必須です。

そして、しっかりとした計画を立てるには、お金がどの局面で、なにに、いくらくらい必要か知っておく必要があります。

 

ネイルサロン開業に必要な初期費用、運営費用

では、ネイルサロンの開業に必要な初期費用と日々の運営費用(運転資金)について説明します。

なおこの項では、出典とすべき公的統計データなどがないため、筆者がサイトで調べた内容となっています。

実際は店舗の規模や人員などで変わってくる点に留意し、あくまで参考としてください。

ネイルサロン開業の初期費用

初期費用の目安は200万円前後となっています。

なおこれは、広さ10坪程度の店舗(借店舗)を想定しており、初期費用200万円の内訳としては以下の通りです。

 <初期費用モデルケース>

  • 物件費(店舗の敷金など):50万円
  • 内装工事費:50万円
  • 家具備品費:50万円
  • ネイル材料費:20万円
  • 宣伝費など:10万円
  • その他:20万円

 合計 :200万円

なお、ネイルサロンではフランチャイズ形式の開業もあり、その場合の初期費用は600~800万円(FC加盟店、サポート費用などを含む)となります。

自分だけで開業するより費用がかさみますが、フランチャイズとしての集客サポートや技術指導、経営アドバイスなどのアフターフォローもあるのが魅力となっているようです。

ネイルサロンの運営費用

ネイルサロンを経営する運営費用(運転資金)は、モデルケースで開業に必要な運営資金は、1ヵ月あたり約150万円です。(10坪の借店舗でスタッフが3人の場合)

<運営費用モデルケース>

  • 人件費:90万円
  • 賃貸料:20万円
  • 水道光熱費:10万円
  • ネイル材料費:15万円
  • 広告宣伝費他:15万円

 合計:150万円

ネイルサロン開業で利用できる融資は?

ネイルサロンの開業で利用できる融資について、日本政策公庫と銀行など金融機関でそれぞれ説明していきます。

ネイルサロン開業で利用できる融資~日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」は女性や若者が新規事業を開業する支援が目的の融資です。

女性、若者/シニア起業家支援資金の概要

ご利用いただける方

女性または35歳未満か55歳以上の方であって、 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方

資金のお使いみち

新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする資金

融資限度額

7,200万円(うち運転資金4,800万円)

利率(年)

以下の1~3の要件に該当しない方は特別利率A(土地取得資金は基準利率)。

なお、ご融資後に利益率や雇用に関する一定の目標を達成した場合に利率を0.2%引下げる「創業後目標達成型金利」については、こちらをご覧ください。

1. 技術・ノウハウ等に新規性がみられる方(注)

[特別利率A・B・C]

(土地取得資金は基準利率)

2. 地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める方

[特別利率B]

(土地取得資金は基準利率)

3. 地方創生推進交付金を活用した起業支援金及び移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方

[特別利率C]

(土地取得資金は基準利率)

ご返済期間

設備資金

20年以内<うち据置期間2年以内>

運転資金

7年以内<うち据置期間2年以内>

担保・保証人

お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。

(注)一定の要件を満たす必要があります。詳しくは、支店の窓口までお問い合わせください。

※お使いみち、ご返済期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されます。

日本政策金融公庫/女性、若者/シニア起業家支援資金

ネイルサロン開業で利用できる融資~銀行融資

銀行や信用金庫などが取り扱う信用保証協会保証付き制度融資にも女性向けの融資があります。

茨城県信用保証協会/県女性・若者・障害者創業支援融資
群馬県信用保証協会/女性・若者・シニアチャレンジ資金

こちらは都道府県と連携してサポートする融資制度です。
東京都女性・若者・シニア創業サポート事業

銀行融資の場合は、日本政策金融公庫の融資と同時申し込みで利用できる融資(協調融資)があります。
きらぼし銀行/女性活躍応援融資「Lady Go!」

もみじ銀行/創業支援「女性活躍応援融資(愛称:イロハモミジ)」

まとめ :ネイルサロン開業では融資を受けるべきか考えて

ここまでネイルサロン開業の融資について説明してきました。

ネイルサロンは規模としては小さく、たとえば自宅を店舗にしたり、美容室の一角でネイルコーナーとして営業するインショップとしてスタートしたりすれば、開業資金も少なく抑えられます。

したがって、開業の融資を受けるべきか?つまり借金してまで開業するべきか?は慎重に考える必要があるでしょう。