女性税理士の年収はどのくらい?実態や働き方など女性税理士について解説

2020年10月4日

税理士は国家資格を取得した税務のスペシャリストのことを指します。

女性は出産や育児などを組み込んでキャリアプランを立てている人も多いことでしょう。

税理士はそういった事情を考慮しやすく、女性に支持されている職業の1つです。

今回は女性税理士の実態や年収、働き方など女性税理士について解説していきます。

記事を読んでみて、女性の将来の選択肢の1つとして税理士について考えてみてください。

女性税理士の実態

税理士は女性が働きやすい職場だと聞いたことがある方もいるかもしれません。

そんな女性税理士の実態はどうなっているのでしょうか?

日本税理士連合会が行った第6回税理士実態調査によると、男性が85.6%、女性が14.4%です。

人数で言えば男性税理士に及ばないものの、女性税理士登録数だけを見ると増えているという現状があります。

2006年には8000人に届かなかった女性税理士登録数ですが、2011年には9000人を大きく突破、2016年には10,000人以上となっています。

このような背景には、税理士は国家資格を取らなければなれない職種であることが挙げられます。

税務業務は税理士の独占業務であり、経済活動において税金はあらゆる形で関わってくるため需要が高いです。

業界の中は深刻な人手不足にも悩まされていることもあり、税理士は求められています。

特に女性のクライアントの場合、同じく同性の税理士の方が安心感があり相談しやすいということもあります。

また、女性特有の気遣いなど女性税理士ならではの強みがあるため、今後も女性税理士は重宝されるといえるでしょう。

女性税理士の年収は?

比較的女性が働きやすいと言われている税理士ですが、給与の面はどうなっているのでしょうか?
今回は女性税理士の年収について男性税理士の年収と比較しながらご紹介していきます。

※今回の数値は賃金構造基本統計調査(令和元年)より、企業規模計(10人以上)の税理士と公認会計士の年収を算出。

「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」(端数切り捨て)

全体平均

女性税理士の全体平均は約500万円、男性税理士は約760万です。

平均年収が男性よりも女性の方が低い理由としては、時短労働で働く方が多いことが挙げられます。

税理士(男) 税理士(女)
全体平均 766万円 509万円

20代

20代の他職業の年収はおよそ300万円程度だと言われています。

もちろん、20代の前半か後半かでも異なってきますが、基本的には男性税理士も女性税理士も一般年収よりも高い水準です。

税理士(男) 税理士(女)
20~24歳 417万円 365万円
25~29歳 528万円 393万円

30代

勤務税理士として経験を積む方が多い30代では、男性と女性で少し年収に差が出ています。

女性税理士は育児などをするために勤務時間を短くする方が多い一方で、フルタイムでキャリアを重ねる方がいたりするなど二極化している傾向にあるようです。

税理士(男) 税理士(女)
30~34歳 766万円 557万円
35~39歳 780万円 527万円

40代

40代も30代と同じく男女で年収の差があります。

税理士は復職しやすい職業だと言われており、この年代では育児が一段落してもう一度働きたいと思う方も一定数いるようです。

税理士(男) 税理士(女)
40~44歳 899万円 594万円
45~49歳 624万円 578万円

50代

男性税理士と女性税理士の年収の差が一番開くのが50代だと言われています。

しかし、女性税理士の中には独立開業して数千万を稼ぐような方もいますので一概に女性の方が低いとは言い切れないかもしれません。

税理士(男) 税理士(女)
50~54歳 800万円 357万円
55~59歳 746万円 310万円

60代以上

税理士には定年がなく、一生涯働き続けられる職種です。

また、厚生労働省によると令和元年の平均寿命は女性が87.45、男性が81.41です。

これらの点から特に60代後半になると女性税理士の方が平均年収が高くなると考えられます。

税理士(男) 税理士(女)
60~64歳 1,263万円 614万円
65~69歳 523万円 867万円
70歳~ 295万円 323万円

関連記事

税理士の年収は?同年代との比較や雇用形態別の平均年収、税理士が年収を上げる方法とは

女性が税理士になるメリット

女性には特有の事情があり、働く場所に気を遣う方もいることでしょう。

税理士として女性が働くことのメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
メリットについて確認し、キャリアプランを立てる上で参考にしてみてください。

復職しやすい

女性はライフスタイルの中で、出産や育児などが大きな転換点です。

この時期には仕事を辞めたり休職したりなど、一時的に仕事から遠ざかることが考えられます。

税理士は実務経験が重要視され、比較的復職しやすい職業です。

若い世代で実務経験を積んでおくことができれば、産後や育児が一段落してから仕事に戻って来ることができるでしょう。

全国に需要がある

税理士の主な職場である税理士事務所は全国に2万5千以上存在しています。

また、この他にも企業やコンサルティングファームなど税理士を必要としている所はたくさんあります。

そのため、例えば結婚して夫の出張先について行って仕事を探すことも可能です。

税理士は全国に需要がありますので、比較的土地に縛られずに働けると言えるでしょう。

定年がない

税理士には定年が定められておらず、60代や70代の税理士も存在しています。

出産や育児をしている期間は働くことが難しく、なかなかキャリアを積めないかもしれません。

しかし、税理士であれば定年がないため、復職してから改めてキャリアを積むことができると考えられます。

場合によっては、出産・育児を終えてから独立開業するなどと言った計画も立てられることでしょう。

女性税理士の働き方

結婚や出産、育児などで転換期を迎えることの多い女性税理士は多様な働き方をしています。

女性税理士の働き方をご紹介していますので、参考にしてみてください。

20代~30代

税理士資格は数年単位が必要な難しい試験ですので、20代後半や30代に試験に合格してそこから税理士として働く方が珍しくありません。

また、実務経験も資格取得に関わってくるため税理士事務所などに勤務して働きながら試験勉強する方が多いようです。

資格取得後はキャリアアップを目指してスキルを磨いています。

40代~50代

キャリアを積み役職に就いたり開業して自分の事務所を持ったりする人が多くなるのが、40代~50代です。

また、出産・育児を経験した後に復職して勤務税理士として働く方もいます。

時短勤務・パート

女性は結婚・出産・育児の面から正規社員から時短勤務・パートに切り替える人がいます。

税理士業界は人手不足のため、時短勤務やパートであっても求人があり働くことが可能です。

関連記事

税理士の将来性は不安?~今後生き残るための3つの柱~

税理士に求められるスキル

性別にかかわらず、税理士には様々なスキルが求められています。

より良い条件の職場に勤めるためにも、自分の持っているスキルは積極的にアピールしていきましょう。

それでは、税理士に求められるスキルについてご紹介していきます。

コミュニケーション能力

税理士はクライアントと言葉を交えることで、問題を明らかにしたりわからないことを伝えたりする必要があります。

そのため、コミュニケーション能力は税理士に求められるスキルの1つだと言えるでしょう。

また、他の税理士など職場の仲間と円滑に仕事をする上でもコミュニケーション能力は重要です。

あらゆる場面で重宝されるスキルではありますが、資格などはないため面接などではアピールしにくいという側面もあります。

専門知識

税理士は国家資格の取得を求められ、高い専門性が必要です。

税理士資格は11科目あるのですが、必須科目を含め5科目の合格で税理士となります。

そのため持っている専門知識は税理士ごとに違い、得意不得意がある可能性もあります。

ある分野の知識を狭く深く学んだ税理士や浅く広く学んでいる税理士もいることでしょう。

いずれにせよ、専門知識を持っている方が評価されるのは間違いありませんので、専門知識を深める努力をする必要があります。

論理的思考力

税理士の仕事内容の中には、煩雑な法律に照らし合わせて正しいかどうかを判断する必要があるものもあります。

集めた情報を精査し案件ごとに適した解決策を導き出す高い論理的思考力が必要です。

論理的思考力は元々備わっていることもありますが、多くは試験勉強をしたり実務経験を積んだりする中で育んでいくものでもあります。

有意義な仕事を行い、論理的思考力を磨いていきましょう。

向上心

税理士試験は一般的に数年単位を要する、難しいものです。

向上心を持っていなければ、試験勉強が続かないことも考えられます。

また、税法などは改正のスパンが短く、税理士として活躍するためには日々の勉強が必要です。

常に新しい情報を仕入れ、業務で取り入れられるように向上心を持たなければなりません。

関連記事

簿記は転職に有利?取得するメリットや簿記の概要について解説

まとめ

今回は女性税理士の年収に関してご説明してきました。

女性税理士は年々増えてきており、女性特有の目線から物事を解決に導くため重宝されています。

全体の平均年収としては509万円で、40代以上もしくは60代以上の時に年収のピークを迎えるようです。

女性が税理士として働くメリットには復職しやすく全国に需要があり、定年がないことが挙げられます。

20代~30代では試験勉強をしながら働いたり、キャリアアップするために実務経験を積んだりする方が多いです。

40代~50代になると、役職に就いたり開業税理士になる方が出始めます。

どの年代でも出産や育児の際には時短勤務やパートとして働くことを選ぶ人もいるようです。

コミュニケーション能力、専門知識、論理的思考力、向上心などが税理士には求められますので、意識してスキルを高めましょう。

当社は経営・財務コンサルティングを扱い、政府から「経営革新党支援機関」の認定を受けています。

ベストベンチャー100にも選ばれ、高い実績を誇る会社です。

女性も多く活躍していますので、興味を持った方は下のボタンからお申し込みください。

コメントは受け付けていません。