クリニックを開業する際に、知識や経験がないと失敗する可能性も高いです。
そのため、クリニックを開業しようと思っている人の多くは、開業の際にクリニック開業支援コンサルにサポートをお願いします。
そこで、この記事ではクリニック開業支援コンサルについて紹介します。
Contents
クリニック開業支援とは?
クリニック開業支援とは、医療機器メーカーやクリニック専門の経営コンサルタント会社が行う、新規で開業したいクリニック向けの支援のことです。
クリニック開業支援は、有料のものもあれば無料で受けられるものもあります。
また、多くの会社が無料セミナーという形で情報提供を新規でクリニックを開業したい人に対して行なっているので、そのような無料セミナーに1回参加してみることでそのクリニック開業支援業者がどの程度の知識量があるのかを図ることも可能です。
クリニック開業支援業者は、先ほども言ったように医療機器メーカーかコンサルが実施するものになります。
医療機器メーカーの場合は、そこの会社と提携している、もしくはその会社の医療機器を導入することで無料で開業支援を受けられることもあります。一方、クリニック専門のコンサルの場合は、知識量が多く経験も豊富なのが特徴です。
クリニック開業支援の支援項目とは?
クリニック開業支援に支援を依頼してもどのような項目をサポートしてくれるのかわからない人も多いでしょう。具体的に、クリニック開業支援でサポートしてくれる項目は以下の5つです。
- 1.診療圏調査
- 2.物件紹介
- 3.事業計画の策定
- 4.クリニック施工の提案
- 5.機器のコンサル
診療圏調査
診療圏調査とは、その場所にクリニックを開業した際に、どのくらいの集客を見込むことができるかを事前に調査することです。
診療圏とは、そのクリニックから都心部の場合は半径1キロから2キロ程度、郊外の場合は半径5キロ程度が一つの診療圏の目安になっています。
一方で、診療圏は周辺に競合のクリニックがあるか、また新規で開業したい診療科と同じ診療科を持つクリニック・病院があるかによっても大きく異なってきます。
そのため、診療圏調査ではそのような周辺のクリニックの状況を確認した上で、正確な診療圏を調査し、どのくらいの集客を見込むことができるのかを調べ上げることが必要です。
物件紹介
物件や土地の紹介も開業支援業者を通して受けることが可能です。
また、開業支援業者の中にはクリニックを売却したいと思っている人からの依頼でクリニックの物件仲介を行っているところもあります。
このような支援業者の場合、新規で土地やテナントを探してくれるだけではなく、事業継承という形ですでに建物や機器が揃った状態で、経営権のみ譲渡する方式で物件を紹介してくれることも多いです。
事業計画の策定
事業計画の策定も、開業支援業者がサポートしてくれる内容です。
事業計画は、銀行から融資を受ける際に必要になるだけではなく、経営を安定的に行っていく上では欠かすことができないものになります。
そのため、事業計画は過去にクリニックを開業したことがある人や、クリニック開業に対して専門的な知識がある人でない場合、現実的ではない事業計画を作成してしまうことも多いです。
そこで、開業支援業者では現実的な事業計画を策定し、銀行からの見栄えがいい事業計画にブラッシュアップして、銀行からの融資を受けやすくしてくれます。
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クリニック施工の提案
クリニックの施工に関する提案も開業支援業者は行ってくれます。
クリニックでは、クリニック内の導線確保やお客様から快適な空間と思われることが必要です。
そこで開業支援業者では、どのような内装にしたら業務を遂行しやすいのか、またどのような設計にすれば多くのお客様に満足してもらえるのかの知識や経験をもとに、内装外装の施工提案を行ってくれます。
機器のコンサル
クリニックでは、導入する機器も多く過去にクリニックを開業したことがない人の場合は、どの機器を導入すればいいのか、またどの機器は導入しなくてもいいのかの判断が難しいでしょう。
そこで開業コンサルでは、機器の導入コンサルも行っています。
クリニック開業支援を利用するメリット
クリニック開業支援を利用するメリットは以下の5つです。
- ◆過去の事例を参考にできる
- ◆事業継承の物件を利用できる可能性がある
- ◆失敗する可能性が小さい
- ◆時間コストを削減できる
- ◆無料で取得できる情報がある
基本的に、クリニック開業支援は利用するデメリットよりメリットの方が大きいです。
過去の事例を参考にできる
開業支援業者に依頼することで、その業者が過去に請け負った事例をもとに、成功例と失敗例を紹介してくれます。
開業を成功させる上では、過去にどのような事例があり、その事例からどのような経験・学びがあったのか知ることが重要です。
そのため、開業支援業者を利用することで、このような豊富な過去の事例を入手できること、またそこから大きな学びを得られるのは大きなメリットでしょう。
事業継承の物件を利用できる可能性がある
開業支援業者を利用することで、事業継承の物件を利用できる可能性があります。
事業継承とは、土地や建物、機器が既にある状態で経営権のみ譲渡される形の物件です。このような物件は、開業支援業者を通してでないと知ることができないことも多く、開業支援業者の中には事業継承をメインに行なっているところもあります。
事業継承の物件を利用する最大のメリットは、初期投資が少なく患者もある程度いる状態で事業を始められるので、経営のリスクが小さいことです。
失敗する可能性が小さい
開業支援業者を利用することで、失敗する可能性を小さくできます。
開業で失敗する最大の原因は、自分の力のみでやってしまい適切なアドバイスを受けられないことです。一方で、開業支援業者は過去の豊富な事例や経験、知識などをもとに適切なアドバイスを客観的にしてくれます。
そのため、経営者一人の力でやらなくてはいけないことが少なくなり、失敗する可能性も小さくなります。
時間コストを削減できる
開業支援コンサルを受けることで、時間コストを削減することも可能です。
開業支援業者の中には、土地探しから機器の選定まで一連で請け負ってくれるところもあります。
こういう業者に依頼することで、本来は自分ではやらないといけない細々としたやり取りを業者に任せることができ、時間コストを削減することが可能です。
無料で取得できる情報がある
開業支援業者は、定期的に無料でセミナーを実施しています。
このようなセミナーに参加することで、無料で多くの情報を取得することが可能です。
また、開業支援業者の中には正式な支援であっても、無料で行なっている所があります。このような無料で支援を行っている業者は、経営者からお金を取るのではなく機器搬入や土地の紹介など他のところで利益を出してることが多いです。
そのため、一定の制約を受けるのも事実ですが、このように無料で支援を受けれることはメリットの1つでしょう。
クリニック開業支援を利用するデメリット
クリニック開業支援を利用することには、メリットのみではなく、当然デメリットとなり得ることもあります。
具体的に、クリニック開業支援を利用するデメリットは以下の3つです。
- ◆会社と提携している業者を利用する必要がある
- ◆業者によって情報量に差がある
- ◆コンサル業者を見極める必要がある
会社と提携している業者を利用する必要がある
開業支援業者に依頼することで、その業者が提携している業者の機器を利用することが必要であったり、その業者が紹介する不動産会社で土地を契約する必要がある場合もあります。
業者によって情報量に差がある
開業支援業者と言っても、業者によって情報量に差があるのも事実です。
情報がどのくらい豊富かは、その業者が開催する無料セミナーに参加することで、ある程度知ることができます。無料セミナーで具体的な数字であったり、過去の事例などを交えて紹介してくれる業者の場合は、情報量や経験が豊富な可能性が高いです。
一方で、漠然としたことであったり、ある程度常識となっている部分を長々と説明しているだけの開業支援業者の場合は、知識や経験などはそこまで豊富でない可能性が考えられます。
また、情報量の中にはどのくらい事業継承物件を持っているか、紹介できる土地をどのくらい持っているかなども含まれるので、情報量が豊富な開業支援業者を選ぶことは開業を成功させるためにも必要です。
コンサル業者を見極める必要がある
開業支援コンサルは多くあり、どの開業支援コンサルがいいのかは自分で見極めることが必要です。
また、開業支援コンサルによっても得意にしている領域は異なり、大規模なクリニックを専門にしているところもあれば、特定の診療科のみを専門にしている開業支援コンサルもあります。
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クリニック開業でよくある失敗
クリニックを開業する際には、事前にどのような失敗があるのかを把握しておくことが必要です。
クリニックの開業でよくある失敗は以下の3つでしょう。
- ◆備品・機器のコスト増加
- ◆人材教育不足
- ◆自己資金の不足
備品・機器のコスト増加
本来必要ではなかった備品や機器を導入しており、コストが増加してしまうという失敗もよくあります。
クリニック開業支援業者を通さず、自分で機器の選定などを行う場合、どのレベルの機器が必要になるのかを具体的にイメージができていないことが多いです。
特に、大きい病院から独立する人の場合はある程度機器が揃った状態で診療を行っていたので、そのイメージのまま開業してしまうと無駄な機器が多くなってしまうこともあります。
人材教育不足
スタッフの人材教育の経験や知識が不足しており、満足にスタッフ教育ができないということも多いです。
特に、自分のクリニック内で人材教育を行おうとしている場合、スタッフによって経験値にも差がありますし、熱量も異なります。そのため適切に人材教育ができず、お客様に迷惑をかけてしまうことも多いです。
自己資金の不足
自己資金が不足して経営が安定しないという問題もあります。銀行から融資を受けられる金額はある程度決まっており、最大でも2億円程度でしょう。
そのため、ある程度の自己資金がないと経営を成り立たせることができないです。特に、コロナなど想定していない出来事が発生した場合、自己資金がないと運営資金がなく廃業しなくてはいけないというリスクもあります。
まとめ
クリニックの開業支援を受けることで開業の際に失敗するリスクを小さくできます。しかし、開業支援業者によっては得意にしている領域が異なり、デメリットもあるのが事実です。
今後、クリニックを開業する際には支援を受けるかどうか迷っている場合は、今回の記事を参考にしてください。