YouTuberとして活動している方が、ある程度の収益を得られるようになった場合、法人化を検討するタイミングが訪れます。法人化には多くのメリットがある一方で、注意すべき点やデメリットも存在します。
この記事では、YouTuberが法人化する際の利点とリスク、そして法人化の手続きについて詳しく解説します。
YouTuberが法人化するメリット
1. 所得税の節税効果
個人事業主のYouTuberの場合、所得税は累進課税であり、所得が増えるほど高い税率が適用されます。しかし、法人化することで法人税が適用され、税率が一定になるため、所得が高い場合には税負担を軽減することが可能です。具体的には、所得が800万円を超えると法人税の方が有利になるケースが多く、このタイミングでの法人化が推奨されます。
2. 経費計上の幅が広がる
法人化することで、経費として認められる範囲が広がります。例えば、自宅を社宅として賃料や光熱費の一部を経費にできるほか、役員報酬の調整による節税効果も期待できます。また、退職金の積立や日当など、個人事業主よりも多くの支出が経費として認められるようになります。
3. 社会的信用の向上
法人としての登録が行われることで、社会的な信用が得られやすくなります。法人としての登録情報が公開されるため、取引先や顧客からの信頼を得やすくなり、ビジネスチャンスの拡大にもつながります。
4. 赤字の繰越控除が可能
法人化することで、赤字を繰り越す期間が最大で10年間に延長されます。これは、将来的に大きな赤字が発生した際に有効であり、長期間にわたって節税効果を享受することができます。
法人化のデメリットと注意点
1. 役員報酬の変更ができない
法人化すると、役員報酬は年に一度しか設定できず、設定後に変更することは基本的にできません。そのため、報酬設定を誤ると、所得税や法人税の負担が増加するリスクがあります。報酬額の設定は、税理士などの専門家と相談しながら慎重に決定する必要があります。
2. 社会保険の負担
法人化により、厚生年金や健康保険などの社会保険への加入が義務付けられます。これにより、役員報酬の約20%程度の社会保険料が必要となり、個人事業主の時よりも負担が増える可能性があります。
3. 会計処理の複雑化
法人化すると、会計処理が複雑化し、税務処理のために税理士に依頼するケースが増えます。これに伴い、税理士報酬などのコストも発生します。法人の維持には、日々の経理業務に加え、年次決算や税務申告など、さまざまな事務手続きが必要となります。
4. 法人住民税の負担
法人化した場合、たとえ赤字であっても法人住民税(通常7万円程度)の支払いが求められます。個人事業主であれば赤字の場合、所得税や住民税はかかりませんが、法人の場合はこのような税金が発生するため、運営コストとして考慮する必要があります。
法人化するタイミング
YouTuberが法人化を検討するべきタイミングとして、以下の2つの基準があります。
年間利益が800万円を超える場合:これを超えると、所得税よりも法人税の方が低くなるケースが多いため、節税の観点から法人化が有利になります。
年間売上が1,000万円を超える場合:個人事業主の年間売上が1,000万円を超えると、消費税の納税義務が発生します。法人化することで、設立後2年間は消費税が免除されるため、このタイミングでの法人化が推奨されます。
法人化に必要な手続き
法人化を進めるためには、以下の手続きが必要です。
- 定款の作成: 法人としての基本情報や事業内容を記載した定款を作成し、公証役場で認証を受けます。
- 法人登記: 法務局で法人登記を行います。これにより、法人として正式に認められ、活動を開始することができます。
- 税務署への届出: 法人設立後、税務署に法人設立届を提出し、各種税務手続きを行います。
- 社会保険の加入: 法人化に伴い、社会保険への加入手続きを行い、厚生年金や健康保険の加入が義務付けられます。
YouTuberの経費にできるもの
YouTuberの経費にできるものというのは、動画制作に関係したものは経費にできます。
YouTuberの経費にできるものは、具体的に以下のようなものがあります。
◆ 撮影用のカメラや三脚、編集用のパソコンやソフトなどの機材費
◆ 動画内で使っている小道具など(ただし、プライベートでの利用が主となるものに関しては経費にできません)
◆ 動画を作るために購入した書籍費
◆ 動画用に使うのが明確であるインテリア製品
◆ 撮影するために借りた場所のレンタル代金
◆ 編集するために使ったカフェでのドリンク代(ただし、食事は生活に必要なものなので経費になりません)
◆ 自宅で撮影しているYouTuberの場合には、家賃や光熱費の一部
◆ スマホ、インターネット費用
◆ 電車代や高速料金などの交通費
YouTuberの経費にできないもの
YouTuberの経費にできないものの判断基準というのは、動画制作と関係無いものということです。
以下のような費用は、YouTuberの経費にできないものです。
◆ 動画撮影と関係のない交通費や飲食代
◆ 動画撮影と関係ない交際費
◆ プライベートで使うのがメインとなる道具代
◆ カフェやレストランで動画編集した場合の食事代
◆ 動画制作とは関係のない洋服代
【まとめ】YouTuberで法人化する際は、ぜひご相談を!
YouTuberとして、再生回数が増えてくると収入も増え、法人化した方が節税できることがあります。
YouTuberで法人化するメリットは、以下のようなことがあります。
◆ 所得税の節税効果がある
◆ 経費にできる幅が広がる
◆ 役員報酬の調節が可能になる
◆ 赤字の繰越控除可能期間が長くなる
◆ 社会的信用が得られるようになる
法人化に関して、分からないことがある場合は、法人化について詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
当社では、土日祝日、平日夜間でも24時間相談受付中です。
法人化・税務に関して、納得いくまで何度でも相談できます。
個人事業主と法人化どちらにしたほうがいいのかの相談もできます。
対面のみならず、オンライン面談やLINEでも相談可能です。
いざ法人化する場合は、多くの必要書類を準備し、手続きが必要です。
実際には、法務局へ登記した後も、税務署などへの手続きなどが多くあります。
合同会社や株式会社設立を一人で進めるのは、大変です。
法人化は、やはり豊富な経験と知見がある専門家に依頼した方が安心できます。
法人化のサポートを受ける際に気になるのが、手数料です。
当社であれば、代行費用0円で、合同会社や株式会社設立サポートができます。
設立費用は、合同会社の設立の場合には6万円、株式会社設立の場合は20万2,000円から行えます。
司法書士を利用して、法人化した場合よりもちろん安いですし、ご自分で法人化する場合よりも安く済むというメリットがあります。
もし、法人化にお悩みならぜひ経営サポートプラスアルファにお気軽にご相談ください。
お客様の事業目的や事業計画から判断し、法人化・税務に関して、全力でサポートします。