• HOME
  • 東京で会社を設立するには?メリットや会社設立の流れを解説

東京で会社を設立するには?メリットや会社設立の流れを解説

東京で会社設立するのであれば、どのような流れでどのような手続きが必要なのか確認しておきましょう。

必要な書類が不足していると、手続きの手間が二重にかかり会社設立後のスタートダッシュが切れなくなります。

今回は、東京で会社設立する際に知っておきたい東京都の企業情報やエリアごとの特徴、経済規模や企業、雇用状況などに加えて、東京で会社設立するメリットやデメリット、必要な準備から手続きの詳細まで、わかりやすく解説していきます。

東京都の企業情報

大きな市場があり経済規模も大きい東京で会社設立をすると、大きなビジネスチャンスの機会も多いです。

東京都で会社設立をする前に東京都の企業情報をチェックしておきましょう。

東京の経済規模

東京都の総生産額(名目)は約95兆円です。

これは、東京都の経済規模はオランダやトルコに匹敵する大きさであるのを表しています。

経済活動別では、サービス業や卸売・小売業などの第3次産業の比率が東京都では高くなっています。

東京の企業や事業所

東京都には約41.9万の企業が所在しています。

会社起業、個人経営別にみてみると、約24.9万が会社企業、約17.0万が個人経営です。

産業別に会社企業の構成比をみると、卸売業・小売業がもっとも多く、全体の24.7%を占めています。

次いで製造業が全体の12.8%です。

新宿や渋谷、池袋などの繁華街エリアから銀座や恵比寿などのショッピングエリアまでそろっている東京都は、ファッションビルや百貨店も多いです。

また、街のいたるところにコンビニエンスストアがあること、住宅街ではスーパーも多いことから、卸売業や小売業の比率が高いこともうなずけます。

また、羽田空港や川崎の京浜工業地帯にも近い蒲田に代表する町工場が集中しているエリアや、浅草橋などの商工品の職人が多いエリアも東京都にはあります。

昔ながらの製法や、下町から日本全国、世界にまで進出できる工場も多いのも製造業が多い理由となっています。

また、日本全国に展開している製造業は、東京を本社に置くことが多いです。

大企業と中小企業の割合

東京都に所在する中小企業の数は、約44万7,030社です。

これは、東京都にある企業数全体の98.9%を占めています。

大企業が多いイメージの東京都ですが、実際には中小企業の比率が高いです。

近年起業家によるスタートアップの機会が多く、新しくできた会社が多いのも中小企業の数を押し上げている理由と言えます。

日本全国で新しい価値を創設するためにスタートアップを支援する助成金や補助金制度がありますが、多くのビジネスチャンスをつかみやすく、アクセスの便もよい東京で会社設立するスタートアップ企業も多いです。

雇用就業

東京都内の企業や事業所で働く就業者は、約817万4千人です。

この中で、東京に住んでいて東京で働いている人は約560万9千人、他県に住んでいて東京で働いている人は約256万5千人と、全体の3割が他県在住者で占めています。

これは、東京よりも地価や物価が安く、交通の便も発展している埼玉県や千葉県、神奈川県などの近隣都道府県からの通勤者が多くなっているのが原因です。

実際に、埼玉県や千葉県などの東京に隣接する都道府県は、ベッドタウンとしても発展してきた背景があります。

また、東京都に住んでいて他県で働く就業者は約40万4千人です。

東京都在住の就業者約601万3千人の1割も満たしていません。

以上から、東京は雇用環境が整っていて求人数も多いため、東京都内で働く就業者数が都内でも近隣都道府県でも多くなっていることが分かります。

オフィス街ごとの紹介

東京都は企業や事業所が多く、その分求人数が多いため雇用も安定しています。

多くの企業や事業所が集まるオフィス街も、東京都では各所にあります。

東京都で会社設立する場合にはオフィス街ごとの特徴を知ると、事業に関する場所での会社設立にもつながり、よりビジネスチャンスが広げられます。

東京の代表的なオフィス街には、以下のエリアがあります。

  • 丸の内・大手町・有楽町
  • 番町・麹町・四ツ谷・永田町
  • 神田・秋葉原・御茶ノ水
  • 渋谷・恵比寿・表参道
  • 六本木・赤坂・神谷町
  • 新橋・汐留・浜松町・田町
  • 新宿・代々木
  • 品川・大崎

それぞれのエリアごとの特徴や街の雰囲気、有名企業や施設について解説します。

丸の内・大手町・有楽町

丸の内・大手町・有楽町エリアは、日本でも屈指のビジネス街と言ってよいでしょう。

東京駅周辺の丸の内や大手町エリアは、日本のオフィスとしてプレミアなエリアです。

丸の内ビル群には銀行(メガバンク含む)、航空会社、証券会社、通信や広告業界の本社のほか、丸の内や大手町エリアに拠点を構える外資系企業も多く見られるようになりました。

関東各所はもちろん、関西や東北方面へのアクセスも可能な東京駅をはじめ、地下鉄大手町駅や丸の内駅を含めれば、都心の各主要都市から首都近郊まで便利に足を伸ばせます。

高級店や老舗デパートが立ち並ぶ日本を代表するショッピングエリアが、有楽町から銀座エリアです。

銀座4丁目交差点を中心に、ラグジュアリーブランドの店舗も数多くあります。

丸の内・大手町・有楽町エリアのテナントニーズは人気を保ち、とくに過去10年間の間で新規参入する企業からの需要が高くなっています。

ビル開発の数や規模からも、今後の発展は間違いないエリアです。

そのため、テナントの賃料相場は東京都内でも圧倒的に高水準となっています。

番町・麹町・四ツ谷・永田町

番町・麹町エリアはオフィスビル、住宅、学校、公的機関などが混在している独特のエリアです。

都内のビジネス街としても独自の雰囲気があります。

高度成長期からあるビルも多く、近年では老朽化したビルの建替が進められています。

また、古いビルの建替と同時にハイグレードな新しいオフィスビルも登場し、近年では外資系企業やIT系企業が番屋・麹町エリアに進出することも多くなりました。

新宿方面にもアクセスできる立地ながら格安な賃料のテナントも多く、東京都内のなかでも賃料相場に割安感があるのが特徴です。

そのため、中小規模でややグレードの高いオフィスを構えたいときに選択肢となるエリアです。

今後は、新宿通り沿いの街の開発が進められています。

四谷・永田町エリアは新宿にも、丸の内にも隣接しているエリアです。

皇居や国会議事堂に隣接し政府や政治関連団体、官公庁が集中しているエリアのため、議員や職員の宿舎もそろっています。

一般企業では政府や官公庁と関連する民間企業や出版、法律事務所などが多くなっています。

永田町のプルデンシャルタワーや紀尾井町ガーデンタワーなどの高層ビルに加えて、中小規模のオフィスビルがそろっています。

皇居周辺道路や靖国神社など、広くて緑が豊かにあり、開放的な施設もあります。

神田・秋葉原・御茶ノ水

神田・秋葉原・御茶ノ水は上野駅~東京駅の間にあるエリアです。

神田は東京駅から1駅、徒歩圏内であるにも関わらずテナント賃料に割安感があるのが魅力です。

大手町駅にも徒歩でアクセスできます。

駅周辺はレトロな雰囲気がただよい、仕事帰りのサラリーマンで賑わう立ち飲み屋などもあります。

秋葉原は大阪の日本橋と並ぶ日本最大級の電気街であり、アニメや漫画、メイド喫茶などのサブカルチャーの街としても知られています。

近年では外国人観光客からの人気も高くなりました。

秋葉原周辺にオフィスを構える企業も多く、オフィスとレストラン、ショッピング、医療機関などの複合施設秋葉原UDXビルなどがあります。

また、山手線、総武線、つくばエクスプレスが乗り入れているため東西南北の交通利便性も優れています。

御茶ノ水は近隣の水道橋や神保町とならんで大学が多いエリアで、学生街として知られていますが近年再開発によりビジネス街としての認知度が高くなってきました。

神田・秋葉原・御茶ノ水それぞれでオフィスのテナントニーズは高い人気のエリアです。

企業や就業人口は近年増加傾向にあり、今後の成長が期待できるエリアでもあります。

渋谷・恵比寿・表参道

渋谷・恵比寿・表参道はJRや私鉄、地下鉄路線が交差・集中しているエリアです。

都内の主要エリアのほか、西東京方面や横浜方面へも便利にアクセスできます。

渋谷は若年層のファッションの街としても知られ、渋谷109やパルコなど道玄坂周辺にはファッションビルが立ち並んでいます。

また、近年では渋谷ヒカリエの建設など駅周辺を中心に再開発が進み、グローバルな情報発信やトレンドの街として進化を続けています。

渋谷・恵比寿・表参道エリアはIT系企業を中心に高いニーズがあるのが特徴です。

特に渋谷はリーマンショック後都内で比較すると早期に空室率低下や相場上昇がみられたエリアのひとつでもあります。

恵比寿はかつて渋谷からはみ出したオフィスニーズの受け皿であったものの、現在は恵比寿ガーデンプレイスをはじめとしたロケーションを確立し、独特のオフィス街として発展しました。

表参道はアパレル企業や外資系有名ブランドが多くオフィスを構えて、表参道ヒルズのあるおしゃれなエリアです。

今後も渋谷駅周辺を中心に再開発が進んでいきます。

六本木・赤坂・神谷町

六本木・赤坂・神谷町エリアは、六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、東京ミッドタウン、アークヒルズ、城山ヒルズなどの複合商業施設が集中しているエリアです。

近年ではIT企業、外資系企業、広告、コンサルティングファームやローファームなど識集約型のプロフェッショナルサービス産業から人気が高く、多くの企業が拠点を構えるようになりました。

また、霞ヶ関、永田町などの官公庁エリアに隣接していることから、関連する団体や企業のオフィスも多くなっています。

2003年の六本木ヒルズ竣工から大規模開発が連続しビジネス街としての存在感が高くなりました。

一方、近年開発が進んだ高層ビルに、従来からあった中小ビルの間にグレード差と集積業種の隔たりが見られています。

近年は開発計画も落ち着いたため、オフィス街としての成熟期に入ったと言えるでしょう。

麻布や南青山、芝公園などの繁華街エリアは ラグジュアリーな雰囲気があり、六本木・赤坂を含む港区エリアでの活動をSNSに投稿する「港区女子」という言葉も生まれました。

新橋・汐留・浜松町・田町

新橋・汐留エリアはJR新橋駅の西と東で風貌の変わるエリアです。

東京都内のプレミア立地である日比谷・有楽町に隣接する商業エリアであり、駅西側は昔ながらのビジネス街が広がり、駅東側は、2004年誕生の超高層ビル群、レストラン街やイタリア街から成ります。

近年では汐留シオサイトの再開発が行われ、日本テレビ新社屋を始めいろいろな企業や事業者が参入するようになりました。

汐留の再開発は新橋の昔ながらのエリアにあまり影響はなく、現在でも西側は古くからのオフィスビルが立ち並んでいます。

浜松町は羽田空港直結のモノレールの始発駅であり、羽田空港や倉庫街へのアクセスに便利な立地です。

航空会社やその関連企業などが集まっています。

また、田町は大手日本企業の本社が多く所在するエリアです。

山手線から内側に離れると、芝公園や芝大門などの緑も多くゆったりとしたエリアが広がっています。

東京と品川の中間に位置しているため交通の利便性が高く、テナントの賃料も低めのため安定したニーズのあるエリアです。

環状二号線の開通や虎ノ門での大型再開発・建替が進められるなか、今後はJR新橋駅西側でも再開発が計画されています。

汐留から新橋、虎ノ門まで一体となった活性化が見込まれ、渋谷とともに期待されているエリアです。

新宿・代々木

新宿駅は日本最大級のターミナル駅です。

多くの都心や郊外への路線が出ており、アクセスが良いのが魅力です。

また近年では新宿駅南口に高速バスターミナルのバスタ新宿が開業し、高速バスを含めた路線の利便性が高くなりました。

西新宿には東京都庁をはじめ、高層ビル群が集中しています。

大手の日本法人が本社を構えているビルが多いです。

新宿駅の利便性から集客力の高いエリアであり、オフィス街としては成熟期に入っているものの山手線西側の拠点構築では必ず候補地にあがる、現在でもオフィス拠点として高いニーズがあります。

代々木駅周辺は予備校や専門学校などが多く集中するエリアです。

また、初台はIT関係のオフィスが多く集まり、近年では外資系企業などもオフィスを構えるようになりました。

品川・大崎

品川駅は、首都圏の主要在来線や新幹線が集結しているだけでなく、羽田空港へもアクセスしやすいため交通利便性の高いエリアになっています。

交通の利便性を活かして、全国展開する企業の本社や地方本社の東京支店も品川に数多く設置されています。

品川は東京都内でも新興ビジネス街であり、1998年の品川インターシティ竣工にはじまり、東側の天王洲、港南口は新しい開発区として発展しました。

現在はビル開発もひと段落しましたが、2020年に田町~品川間に山手線新駅の高輪ゲートウェイ駅が開業し、今後ビジネスにどう影響するかが注目されています。

大崎エリアは1987年竣工の大崎ニューシティが先駆けとなってから継続して大型開発が行われてきたエリアです。

大崎駅周辺のゲートシティ、ThinkParkなどの大型商業エリアには大手企業が入居しています。

駅周辺の大型オフィスビル群はJR大崎駅とペデストリアンデッキで結ばれているため利便性が高くなっています。

賃料もグレードや築年数と比較して低めのため、現在でも一定のニーズがあります。

駅周辺開発が一段落したため、オフィス街としてどのように成熟するかが期待されています。

東京都のサポート

日本の首都であり経済の中心にある東京では、ビジネスを活性化させるために創業支援施策を行っています。

今後東京で会社設立を目指す人のためにさまざまなサポートを行っていますので、ぜひ利用してみましょう。

東京都の創業支援施策で受けられるサポートやサービスを解説します。

会社設立の相談をする

会社設立には、法人登記を始めとした必要な手続きが多くあります。

会社設立のための公的な手続きに関して疑問や不安があるときに相談できるのが、東京都開業ワンストップセンターです。

東京都開業 ワンストップセンター

東京開業ワンストップセンター(Tokyo One-Stop Business Establishment Center:TOSBEC)は、法人設立や事業開始時に必要な行政手続(定款認証、登記、税務、年金、社会保険・入国管理)を1か所で行える機関です。

赤坂、渋谷、丸の内の都内3カ所にあります。

各省庁から派遣された相談員や中小企業診断士に手続きなどでの質問ができるほか、申請書類の受付のサポートも受けられます。

国と東京都が共同で運営しているため、何度でも無料で利用可能です。

中小企業診断士には、窓口だけでなく電話相談もできます。

電子申請や相談時の多言語通訳など、外国人起業家にも使いやすいサービスを提供しています。

ビジネスコンシェルジュ東京や東京圏雇用労働相談センターも併設しているため、起業以外の経営や人事に関する相談もできます。

また、各種セミナーも開催されています。

オフィスの相談をする

東京で会社設立する際に、オフィスの立地や賃料などが障害になることがあります。

新規創生企業のオフィスに関するサポートとして、東京都ではインキュベーションオフィスを展開しています。

インキュベーションオフィス

インキュベーションオフィスとは、複数の起業家が入居するオフィスです。

ただのシェアオフィスではなく入居者からの経営に関する相談や、入居者間の交流促進などを担当するインキュベーションマネージャー(IM)を配置しています。

東京都では新産業や成長の見込まれる分野の新規創業者を数多く輩出するためのインキュベーション施設運営計画認定事業を展開し、民間のインキュベーションオフィスのなかで一定の基準を満たした施設を、認定インキュベーションオフィスとしています。

東京都内各所のオフィス街にあるインキュベーションオフィスが認定されていて、それぞれの施設でIT、ものづくり、研究開発など集まる業種や分野が異なります。

同業者または関連業種の起業家との交流を通じて、新しい価値の創生にもつなげられます。

雇用について相談する

東京圏(東京都、神奈川県、千葉市、成田市)の会社で働く人材の確保や雇用問題、トラブルの解決など、新規企業向けに労務や雇用に関して相談できる東京圏雇用労働相談センターを設けています。

東京圏雇用労働 相談センター

東京圏雇用労働相談センター(TECC)は、ベンチャー企業や海外からの進出企業などの労務管理をサポートするために、2015年1月に内閣府・国家戦略特別区域会議の下に設置された機関です。

東京圏国家戦略特区内に進出を目指す企業、東京圏国家戦略特区内に所在する企業、それらの企業の労働者(就労を希望する方を含む)を対象に、おもにグローバル企業などを中心に雇用ルールの周知徹底と紛争の未然防止を図るための雇用指針を活用した労働・雇用関係の相談対応を行っています。

弁護士、社労士などの専門家が対応し、労務管理や労働関係法令に関する相談や労使紛争を未然に防ぐためのアドバイスが受けられます。

来所による相談のほか、必要に応じて専門家が個別訪問することもあります。

また、随時専門家によるセミナーも開催されています。

英語、中国語、韓国語などに対応しているため、外国語での相談も可能です。

21時まで対応しているため、日中忙しい人でも利用できます。

また何度利用しても無料です。

資金調達の相談をする

会社の経営資金のために、資金調達や創業サポート、融資制度や助成金などのサポートを行っています。

クラウドファンディングを活用した資金調達

幅広く資金を募るクラウドファンディングを新しい製品やサービスの開発、会社設立に活用するための補助事業を東京都では行っています。

クラウドファンディング入門者向けの電話相談窓口設置やセミナーの開催のほか、クラウドファンディング利用手数料の一部助成も受けられます。

創業の計画がある者、創業から5年未満の者(個人で創業し法人化した者は、個人で創業した日から5年未満とする。

)、新製品・新サービスの創出に挑戦する者、「『未来の東京』戦略ビジョン」の戦略に寄与するソーシャルビジネスを行う者のいずれかに該当する創業希望者または中小企業者を対象に、30万円を上限に取扱クラウドファンディング事業者に支払う手数料の1/2を助成しています。

女性・若者・シニア創業サポート

女性、39歳以下または55歳以上の男性かつ都内で創業予定、または創業後5年未満の人を対象にしたサポートです。

地域創業アドバイザーによるセミナーや個別相談、事業計画アドバイス、融資決定日から最大5年間の経営サポートなどの創業に関するサポートや、創業事業に活用できる信用金庫・信用組合の固定金利1%以内の融資限度額1,500万円以内の創業融資検討が受けられます。

東京都制度融資『創業』

東京都が提供する融資制度です。

東京都内の中所企業を対象に、事業に必要な資金をスムーズに調達するために、東京都、東京信用保証協会、金融機関の三者が協調して資金を供給する東京都中小企業制度融資と、新規の創業資金、創業後の事業資金の融資を実施する創業融資のふたつの制度があります。

都内に事業所(個人事業者は事業所又は住所)があり、東京信用保証協会の保証対象業種を営む中小企業者で現在事業を営んでいない個人で創業しようとする具体的な計画を有している、創業した日から5年未満である中小企業者、分社化しようとする会社又は分社化により設立された日から5年未満の会社のいずれかに該当すると利用できます。

融資額は3500万円(これから創業する場合は、自己資金に2,000万円を加えた額の範囲内)、返却期間は設備資金10年以内(据置期間1年以内を含む)、運転資金7年以内(据置期間1年以内を含む)です。

また、区市町村の認定特定創業支援等事業による支援または商工団体等による創業支援を受けて証明を受けた場合、融資利率を0.4%優遇する創業支援特例があります。

創業助成金(東京都中小企業振興公社)

公益財団法人東京都中小企業振興公社が提供する創業者をサポートする助成金制度です。

一定の要件を満たす都内で創業を予定している人、または創業して5年未満の中小企業者などを対象に、創業初期に必要な経費の一部を助成します。

一定の要件とは、TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者、東京都制度融資(創業)利用者」、都内の公的創業支援施設入居者などが該当します。

助成対象期間は交付決定日から1年以上2年以下、助成限度額は上限額300万円下限額100万円、助成率は助成対象と認められる経費の2/3以内、助成対象経費は賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費です。

また、助成対象期間終了後も東京都中小企業振興公社による継続的なサポートが受けられます。

メリット・デメリット

東京で会社設立すると、多くのメリットが得られる一方デメリットもあります。

東京で会社設立前に覚えておきたい、メリットとデメリットをそれぞれ解説します。

メリット

東京で会社設立すると、以下4つのメリットがあります。

人脈・人材

東京で会社設立すると、人脈が広がりやすいメリットがあります。

地方都市よりも開催されている企業セミナーの数も多いからです。

また、起業家同士の交流会も多く行われているため、経営者と知り合いになれる機会が多くなっています。

さらに、東京都の就業人口が多いためその分優秀な人材が豊富にそろっているのもメリットです。

ビジネスで成功をおさめるために必要な、優秀な人材も地方都市より獲得しやすくなっています。

情報・ビジネスチャンスの多さ

ビジネスのほか、経済関係、投資、芸能界のトレンドなどいろいろな情報が手に入りやすいのも東京ならではのメリットです。

多くの情報を取り入れ、さらに自分にとって必要な情報とうその情報を取捨選択できるようになれば、多くのビジネスチャンスがつかめます。

またインターネットをはじめとした通信環境が整っているため、取引先とのデータのやりとりや通信などもスムーズに行えます。

企業ブランド

東京は日本経済の中心地であり、世界的なビジネスシーンでも人気の都市です。

東京に会社設立することで企業としての価値や信頼度も上がり、ブランディングにも役立ちます。

交通機関

東京都内は電車やバスなどの公共交通機関が充実しています。

いろいろなところに足を伸ばせるだけでなく発着時間も指定されているため、クライアントとの待ち合わせに遅れることもありません。

地方都市では交通機関が発達していないため、移動手段が車になることが多く、自動車購入費や燃料費などの経費がかかります。

交通機関を利用していろいろなとこにアクセスできるため、直接クライアントと顔を合わせる機会が多いのもメリットです。

顔を合わせて仕事の打ち合わせや食事など、仕事にかかせない人と人とのコミュニケーションを取る機会を多く持てるのも、東京のメリットです。

デメリット

東京都で会社設立すると、以下2つのデメリットがあります。

競争が激しい

企業数も雇用者数も多い東京には、自分が設立する会社の同業他社も多くあります。

地方都市よりも同業他社との競争が激しいのがデメリットです。

ただし、競争相手が多いことは自分のビジネススキルやレベルを磨ける環境でもあるため、成功のためにつねに起業家として成長していけるメリットもあります。

また、同業他社も含めて起業家そのものが多いため、市場や社会、経済の変化が早いのも東京の特徴です。

仕事を軌道に乗せやすくても、長期的な展望は地方都市よりも見づらいデメリットがあります。

物価が高い

東京で会社設立する際に、最大のデメリットとなるのが物価の高さです。

雇う人件費からオフィスの賃料、設備などの初期費用、維持管理費などもほかの都市で起業するよりも高くなります。

レンタルオフィスやワークスペースなど、オフィス賃料をおさえられる施設を利用する方法もあります。

また、事業開始前に十分な資金を確保しておくようにしましょう。

会社設立の事前準備

まずは、会社設立に必要な準備について確認していきましょう。

どれも重要なもののため、チェックリストを作成し、確実に準備することが大切です。

企業の宣伝に必要なもの

企業の宣伝に必要なものを用意しましょう。

企業ロゴや名刺、ホームページなどがあります。

宣伝なしに顧客がつくことはほとんどありません。

宣伝しなければユーザーに会社の存在を伝えることができないため、会社設立までに準備しておくことが大切です。

挨拶状

会社設立とはつまり法人化を指します。

個人で仕事をしていた場合、法人化してからも引き続き取引関係を続けることが多いでしょう。

法人化の際には、関係各所や取引先に挨拶状を出すことが大切です。

挨拶状を出すことで、信頼関係をより強固なものにできるでしょう。

会社概要チラシ

会社概要チラシは、会社のキャッチコピーや事業内容、会社概要、会社の事業や雰囲気がわかる写真、社員募集文、連絡先などを記載した求人広告です。

法人化に伴う人員が必要となった際には、会社概要チラシを作成し、求人サイトに掲載することになります。

現時点で人員が足りていても、いつでも募集をかけられるように、事前に作成しておきましょう。

営業資料

営業資料は、会社が取り扱う商品やサービスを売り込む際に必要です。

表紙、目次、会社紹介を含め、商品やサービスの宣伝ページ、料金表、問い合わせ先ページを作りましょう。

文字だけではなく視覚で訴えることも重要なため、適度に画像や写真を掲載することがポイントです。

経営管理体制

経営管理体制を整備しましょう。

円滑な業務遂行に必要な体制を整えることで、業務効率化に繋がります。

人事、経理、総務などの役職を明確にし、コンプライアンスに則った経営ができるよう体制を整えましょう。

東京での会社設立の流れ

東京で会社設立するのであれば、次のような流れで手続きを進めていきましょう。

基本事項の決定

基本事項には、商号、印鑑、役員報酬、資本金額があります。

商号は、会社の名称のことです。

自由に決められますが、同じ所在地に同じ商号の会社は設置できません。

印鑑作成は、登記手続き時に押す会社の代表印の作成のことです。

役員報酬は、取締役などの役員の報酬のことで、原則経費にできません。

役員報酬額によって、法人税や代表が個人として支払う所得税が変わるため、慎重に決める必要があります。

最後に、資本金額は株式発行によって集めた資金のことで、業務に使用できるお金のことです。

資本金が高いほどに信頼性が増します

定款作成

事業目的、商号、本店所在地、設立により出資される財産価額かその最低額、発起人の氏名と住所、発行可能株式総数を決定します。

定款の作成に関しては、こちらの記事でより詳しくご紹介しています。

資本金の払込み

自分名義の口座に資本金を自分名義で振り込みます。

続いて、通帳の表紙と1ページ目、振り込み記録が記載されているページをコピーしましょう。

そして、払い込み証明書を作成し、コピーとあわせてください。

最後に、払い込み証明書とコピーの継ぎ目に代表印を押します。

会社設立後、法人名義の口座を作成し、資本金を移しましょう。

登記書類作成

発起人決議書、発起人会議事録、代表取締役選定書、取締役就任承諾書、監査役就任承諾書、印鑑届出書のうち会社形態に合わせて必要な書類を作成します。

登記申請

法務局へ登記申請しましょう。

資本金の払い込みから2週間以内が原則です。

書類一式を法務局へ提出するだけで済みます。

登記後の各種行政などへの手続き

登記後は、税務署に法人設立届、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書、棚卸資産の評価方法の届出書、減価償却資産の償却方法の届出書を提出しましょう。

その後、都道府県税事務所と市町村役場へ法人設立届出書を提出します。

最後に、年金事務所と労働基準監督署、ハローワークで各種保険の手続きをしましょう。

より良い会社設立のポイント

コストが低く節税もできているうえで、収益性が高い会社は安定性に優れています。

次のようなポイントを押さえ、より良い会社設立を目指しましょう。

節税を考える

節税は、会社の体力の消耗を防ぐために必要な手段です。

節税できる部分をまとめ、どのように節税するか考えましょう。

法人化に伴い収益拡大すれば、納める税金も増加します。

しっかり節税できれば、10年後、20年後に会社の体力に大きな差が生じるでしょう。

会社関係の節税に詳しい税理士やアドバイザーに相談することで、より充実した節税が可能です。

創業 融資先を慎重に選ぶ

創業にかかる資金を融資する創業融資先は、慎重に選びましょう。

創業融資には、日本政策金融公庫の創業融資、信用保証協会の制度融資があります。

どちらを選ぶか、専門家に相談したうえで決めることをおすすめします。

プロのサポート・相談を受ける

会社設立の手続きそのものは難しくありません。

しかし、定款の作成や資本金額の決定、創業融資先の決定などは、専門家のサポートを受けることで、より良い結果になるでしょう。

定款の作成1つにしても、必ず決定しなければならない事項があるなど、慎重に作成しなければなりません。

東京で会社設立したいなら

東京で会社設立するのであれば、経営サポートプラスアルファへの完全な依頼がオススメです。

経営サポートプラスアルファは、一般の税理士では担当が難しい経営と財務に着目したコンサルティングを行う専門家集団です。

複数の専門家が連携し、質の高いコンサルティングを提供します。

近年、AIの導入やグローバル化など多様化・複雑化する経営において、収益や安定性を高めるコンサルティングを行います。

経営・財務コンサルティングの豊富な経験を持ち、資金調達や経理代行、会議学導入支援などを担当いたします。

企業ごとに最適な資金調達方法は異なりますが、経営サポートプラスアルファでは会社の状況や将来のことを踏まえ、最良の選択ができるようサポートが可能です。

さらに、会議学導入支援では、生産性の高い会議の実現をサポートできるため、より良い計画の立案や業務効率化に繋がります。

結果的に、より多くの利益を得られるようになり、社員数の増加、売上高の増加などの実績もございます。

その他、将来的な成長まで考えた事業再建、東証一部、東証二部への上場支援なども行えるなど、企業の明るい未来を作るために、良きパートナーとしてコンサルティングいたします。

経営サポートプラスアルファが重視していることは、「100年先でも繁栄できる財務戦略」です。

一時的な利益だけではなく、長く財務状況が安定できるようにサポートいたします。

中小企業、ベンチャー企業の一生涯のパートナーを目指し、お客様目線で充実したサービスを提供します。

より詳しい実績を知りたい、具体的なサービス内容を知りたいという方は、お気軽にお問い合わせください。