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会社設立に必要な法人印とは?選び方や登録方法までを細かく解説!

会社を運営していく上で欠かせないのが印鑑です。

会社で使われる印鑑には、事業を法人化する際に必ず用意しなければならないものや、銀行との取引で使用されるものなど色々な種類があります。

そのため、法人化を考えている人であれば、会社で使用される印鑑について詳しく知っておく必要があるでしょう。

そこで今回の記事では、事業の法人化を検討している人に向けて、会社で使われる印鑑の種類や材質ならびに書体、さらには役所への届け出方法など広範囲に渡って徹底的に解説します。

法人印とは?

会社を始めとする様々な団体では組織設立の際や契約締結時、そして日常の業務の時など多様な場面で印鑑を使用します。

法人印とは会社が使う印鑑の総称を指す言葉で、実印や角印、銀行員の他にも色々な種類があります。

ここでは、法人印について種類ごとに詳しく解説します。

社判との違いは?

法人印の解説をする前段階として、まず社判との違いを説明します。

社判とは会社で使用する印鑑の総称を指します。

社判は法人印と混同されがちですが、法人印よりも定義が広く、実印や角印以外にも住所印や日付印なども含まれているのが特徴です。

注意しておきたいのは、会社によって社判がどの印鑑を指すのか全く異なるということです。

実印や銀行印を指す場合もあれば、単に日付印などを指す場合もあるので、取引先と書類を交わす際は、念のために確認しておくとよいでしょう。

また、社判と似ている言葉に「社印」という言葉がありますが、こちらは角印のことを表していますので、間違えないよう気をつけましょう。

実印とは?

実印は会社にとって最も重要な印鑑です。

「代表印」という呼ばれ方をすることもあれば、印面が丸いため「丸印」と呼ばれることもあります。

この実印は会社名や屋号、そして代表者名が刻印される印鑑で、会社を設立し法務局で登記登録の手続きをする際に必要な印鑑です。

また、不動産の売買など重要な取引の際にも用いられる他、会社の総意として代表者の意思を示す書類に対しても押印されます。

なお、実印は偽造防止の観点で、署名箇所と被らないように押印するのが慣例となっています。

角印とは?

角印は納品書や見積書、発注書など、主に社外の取引相手に受け渡す書類に使われる印鑑です。

角印は、重要な契約に用いられることはまずありません。

上で社判の説明をした際にも触れましたが、こちらの印鑑は社印という呼ばれ方もあります。

ビジネスシーンによっては、「法人認め印」という呼び方もあるので、これらの別称についても押さえておきましょう。

なお、角印に関しては法務局に登録せずとも使用可能です。

銀行印とは?

銀行印とはその名の通り、銀行における手続きで使用する印鑑です。

会社の口座開設や、資金の引き落としの申請時に用いられます。

銀行印はその他にも、法人用のクレジットカードの作成や、会社の光熱費の支払いなど様々な場面で使用する印鑑です。

銀行印には印鑑の大きさに関する規定が存在しませんので、各社の都合で自由に作ることができます。

コストをかけないよう、ゴム印やシャチハタで済ますこともできますが、銀行印は偽造された際のリスクが非常に大きいので、思い切って特注の印鑑を作るのが良いでしょう。

認印とは?

認印とは会社が使用する印鑑の中でも、実印を除いたもの全てを指します。

納品書などの作成に使われる角印、銀行の手続きで使用する銀行印はもちろんのこと、宅急便の受け取りなどで使うシャチハタなども含まれます。

この認印と法人印、そして社判それぞれの大きな違いは、実印を含むかどうかという点にあります。

法人印と社判は実印を含みますが、認印には含まれていませんので注意しましょう。

ゴム印とは?

ゴム印とは会社名や会社住所、日付などが彫られている印鑑を指します。

名前が指し示すとおり印面がゴムで生成されているのが特徴で、定型文を押印し作業効率を高める際に使われる場合が多いです。

なお、最近では印面が合成樹脂で作成されているものもありますが、便宜上、こちらのタイプもゴム印の一種として扱われています。

印面に刻印される名前について

実印や銀行印などの印面には名前以外にも様々な情報が刻印されています。

通常の印鑑の場合は個人の名前や会社名で足りますが、重要な印鑑には規定に乗っ取り、屋号なども記載する必要があります。

ここでは、実印の印面を例として刻印されている情報について説明します。

中文には何が記載されてあるの?

中分とは実印の印面の輪の中心に当たる部分を指します。

中分には印鑑を所有している人間の情報が刻まれます。

例えば、株式会社の代表者の場合、「代表取締役」と刻印されるはずです。

役員用のものであれば「部長」など、それぞれの役職名が彫られるでしょう。

廻分には何が記載されてあるの?

廻分は中分の外周に当たる部分を指します。

こちらには会社の屋号・会社名が刻印されます。

つまり、印鑑の中分を確認すればその所有者の情報を確認できますし、廻分を確認すれば屋号や会社名が確認できるのです。

廻分にはひらがな、カタカナ、英語なども使用可能

廻分には、法人登記した時の屋号をそのまま刻印しても構いません。

漢字だけでなく、ひらがな、カタカナ、英語でも許可されますので安心しましょう。

法人印にオススメな材質

印鑑の材料として使われる素材のことを「印材」と言いますが、この印材には木材や動物の角、金属などたくさんの種類があります。

この項では、代表的な印材を取り上げて説明していきます。

こちらの印材は柘(つげ)という種類の天然木を加工して作り出されます。

印鑑として用いる場合、読み方はつげではなく「あかね」という読み方に変化します。

数ある材質の中でも特にコストパフォーマンスに優れている上、見た目においても高級感があるのが特徴です。

一方、耐久性が非常に低く、印影の劣化が早く進んでしまうというデメリットがあります。

実印を作る場合の相場は、2,000円〜8,000円くらいとなっています。

薩摩本柘

こちらの材質も先ほど紹介した柘をもとに作成されています。

読み方は「さつまほんげ」です。

文字どおり薩摩(現・鹿児島県)で生産されている国産の印材で、ノーマルの柘と比較すると、こちらの方が値段は高いものの高級感では勝ります。

また、耐久性についても柘よりも優れているため、重要な印鑑が必要な時はこちらを選ぶ人が多いです。

直射日光や乾燥、そして湿気に弱いため保管の際は、これらの要素に注意してください。

相場としては3,000円〜12,000円が一般的です。

赤彩樺

赤彩樺は後述する彩樺の一種で、彩樺が赤色を帯びたものです。

読み方は「あぐに」です。

深い赤色に美しい黒色の木目が入っているデザインが人気を集めています。

北海道産の木材を加工して生産されますが、特殊な加工技術の影響で割れとゆがみに非常に強く、押印の性能にも優れており高級印鑑にも引けを取りません。

こちらの印材は性能面で優れている反面、コストがやや高くなるのがデメリットで、実印の場合5,000円〜1万4,000円ほどになります。

玄武・黒樺・黒彩樺

こちらの印材も赤彩樺や彩樺の仲間となります。

読み方は、「げんぶ」、「くろがば」、「くろさいか」です。

艶のある漆黒の色合いが特徴で、シックなデザインを好む人たちに人気があります。

赤彩樺と同様、割れとゆがみに非常に強いため長年に渡って使用できるでしょう。

ただ、乾燥に弱いため、保管については気を配る必要があります。

専用のケースなどに入れて乾燥対策をしましょう。

こちらの印材で実印を作った場合、約4,000円〜10,000円かかります。

彩樺

こちらの印材は北方の天然木の一種、バーチ材を樹脂と共に高圧加熱処理することで作り出されています。

読み方は「さいか」です。

生産にかかる木材資源の消費量を抑えられるため、「エコ印材」としても注目されています。

高い硬度を持っていること、ひび割れが少ないことが特徴で薩摩本柘よりもワンランク上の印材として扱われています。

ただ、樹脂を用いて加工しているとはいえ木材には変わりないので、朱肉をきちんと拭き取ることできないと痛んでしまうため、注意しましょう。

実印1本あたりの相場は5,000円〜1万4,000円となっています。

黒水牛

黒水牛は、ベトナムに生息している水牛の角で作られる印材です。

動物の角によって作られる印鑑は、木材や石材によって生産される印鑑よりも素材に柔軟性があるため、印面が書類に吸いつきやすく押印がしやすいというメリットがあります。

高級感あふれる重厚な見た目が特徴で、実印や銀行印など法人印の中でも特に重要な印鑑に使われます。

こちらの印材も乾燥にとても弱いので、保管の際は十分に気をつけましょう。

こちらの印材で実印を作成する場合、4,000円〜11,000円ほど必要です。

牛角・オランダ水牛

こちらの印材も黒水牛同様、水牛の角によって生産されます。

読み方は「うしつの」です。

オランダ水牛という名前で流通していますが、こちらの印材はタイに生息している水牛の角によって作られています。

印材の中でも高級な部類に入る素材で、印鑑に対し特別なこだわりのある人に人気があります。

こちらの印材も黒水牛と同じく押印がしやすいというメリットがあります。

乾燥による劣化が心配されますが、時々オリーブオイルを塗り込むなどすれば印鑑の劣化を防げるでしょう。

こちらで実印を作る場合の相場は、5,000円〜1万5,000円ほどになっています。

琥珀樹脂

琥珀樹脂はその名の通り、琥珀を用いた印材です。

読み方は「こはくじゅし」です。

琥珀は、遥か昔に原生していた樹木の樹脂が化石化したものです。

ジュエリーやネクタイピンなどにも使われている素材なので、馴染みのある人も多いでしょう。

琥珀の神秘的かつ透き通る美しさと、希少価値の高さが人気の秘密です。

ただ、非常に衝撃に弱いため、落下防止などには細心の注意を払うようにしましょう。

印鑑を使わない場合は、布にくるむなどして大切に保管するのがおすすめです。

琥珀樹脂で印鑑を作った場合の相場は、6,000円〜2万円です。

象牙

象牙は文字通り、象の牙によって作られる印材です。

読み方は「ぞうげ」です。

こちらの印鑑は全ての印材の中でも、格段に押印性や耐久性に優れた印材です。

特に耐久性に関しては優れているので、大切に使用すれば一生涯使えるとされています。

こちらの印材はワシントン条約により輸入量に規制がかかっている関係で、入手が難しいというデメリットがあります。

象牙で実印を作る際は、2万円〜8万円の予算が必要です。

チタン

印鑑には、金属を印材に用いて作られているものも存在します。

その中でも有名な印材がチタンです。

チタンは金属アレルギーが起こりにくいという特性があり、医療用器具やアクセサリーなど幅広い分野で使用されている金属です。

チタン製の印材は衝撃や腐食に非常に強いという特徴があります。

落としても変形する心配がないため、実印や角印、銀行印など重要度の高い法人印に用いられます。

値段が高いことが唯一の欠点であり、チタンを使って実印を作成した場合、1万円〜3万円ほどかかります。

なお、こちらの印材は手彫りが不可能であるため、機械で印面を削ることになりますが、書体などは任意に選ぶことができます。

法人印の書体について

印鑑を作成するための印材を決定後、今度は書体もあわせて検討しましょう。

この項では、法人印に使用する書体について解説していきます。

書体の種類

会社には実印や角印、銀行員など様々なものがありますが、書体にも複数の種類があります。

その書体の中でも代表的なものを取り上げ、詳しく見ていきましょう。

印相対

こちらの書体は、「いんそうたい」と読みます。

吉相体(きっそうたい)という呼び方もありますので、押さえておきましょう。

印相対は易学や風水学の分野でも用いられる書体です。

この書体は可読性が低いものの、デザイン性に優れているため、愛好家の人気もあります。

また、この書体を用いた印鑑は、印面の外枠の部分と文字の部分の接する箇所が多く、印鑑が欠けにくいという特徴があります。

篆書

こちらの書体は、「てんしょたい」という読み方をする書体です。

篆書体は吉相体と比べて可読性が高いため、個人印・法人印かかわらず幅広い用途に用いられています。

古印体

こちらの書体は、「こいんたい」という読み方をする書体です。

日本の漢字をベースに生み出された印鑑用の書体で、高い可読性を有しています。

この書体は、筆で文字を書いた時に出来る「擦れ」や「墨だまり」を忠実に再現しているのが特徴で、我々日本人が非常になじみやすいデザインとなっています。

印鑑の文字を大きく、そして分かりやすくさせたいという時には、この書体を選ぶのがおすすめです。

隷書体

こちらの書体は、「れいしょたい」という読み方をする書体です。

上でも取り上げている篆書体を簡略化することで生まれた書体です。

隷書体は他の書体と比較すると文字が横に長いことが特徴で、線にも独特のうねりがあります。

こちらの書体も高い可読性を持っているため、会社のロゴや新聞・紙幣に使われる文字など広範な用途に使用されています。

元になっている篆書体も好きだけど読みやすさ重視で選びたいという場合は、こちらの書体がよいでしょう。

行書体

こちらの書体は、「ぎょうしょたい」という読み方をする書体です。

行書体も隷書体と同じく、古代中国で生み出されました。

この書体は後述する楷書体をアレンジして作られた書体ですが、「とめ・はね・はらい」が楷書体よりも、さらに力強く表現されているのが特徴です。

挨拶状などのフォーマルな手紙や会社のロゴマーク、書道などでも使用されています。

デザイン性と可読性の両方にこだわりたい方にはおすすめの書体です。

楷書体

こちらの書体は、「かいしょたい」という読み方をする書体です。

楷書体も隷書体と同じく、古代中国で生み出されました。

この書体は漢字における基本的な形を踏襲している書体であるため、誰にでも読みやすく、理解もしやすいといった利点があります。

楷書体は印刷物においても使われる機会が多い書体なので、親しみやすさもあり性別、世代問わず多くの人に愛されています。

実印におすすめの書体

実印は法人印の中でも、最も重要な印鑑であるため、書体を選ぶ際は複雑なものを選択するとよいでしょう。

この理由としては、簡潔な書体を選んでしまうと容易に偽造ができてしまうためです。

実印は会社の経営者などが契約、取引などの重要な場面で使用する印鑑ですので、印影が複製されると大きな損害を受けるおそれがあります。

そこでおすすめなのが、印相体と楷書体です。

こちらの書体は数ある書体の中でも造りが複雑な書体となっているため、実印として用いるには最適です。

また、会社の中には実印だけではなく、銀行印にも使用しているところもあります。

オリジナル書体も作成可能

書体の中には、その会社独自で作成されたものもあります。

オリジナルの書体は、線の太さや文字の大きさなどに独自性があるため偽造を防止できるといったメリットがあります。

また、会社独自のアイデンティティにもつながるでしょう。

社印はどこで買えばいいのか

種類に応じてどんな印材を選べばいいのか、どんな書体が最適なのか理解した後は購入場所を選びましょう。

ハンコ屋で買う場合

ハンコ屋で印鑑を買う場合のメリットとデメリットは下記の通りです。

メリット

ハンコ屋で印鑑を購入するメリットは、店員さんに口頭で希望を伝えることができるという点にあります。

自分が持っている細かいイメージまでしっかり理解していただけるので、思ったとおりの印鑑を作成してもらうことができます。

印鑑の専門家を相手にリアルタイムで質問や相談をしつつ、商品を選択できることは、ハンコ屋で印鑑を購入するうえでの大きなメリットです。

さらに、100円ショップや文具店で取り扱っている印鑑は「鈴木」や「佐藤」など一般的な苗字しかありませんが、ハンコ屋であれば珍しい苗字の人でも対応してもらえるでしょう。

デメリット

ハンコ屋で印鑑を購入する場合のデメリットは、注文後、受け取るまでの時間がかかることです。

ハンコ屋の場合、発注後に工場へ連絡し印鑑を作り始めるため、受け取りまでに早くても数日、遅くなると2週間程度かかります。

また、ハンコ屋の印鑑はネットなど比べて値段設定が高い場合が多いので、予算オーバーとなってしまうこともあるでしょう。

さらに、街のハンコ屋などでは取り扱っている印材に限りがあるため、自分が希望していた印材で印鑑を作れないこともあります。

希少性の高い印材を使用した印鑑が欲しい時は、他の方法を模索するのがよいでしょう。

インターネットで買う場合

インターネットで印鑑を買う場合のメリットとデメリットは下記のとおりです。

メリット

インターネットで印鑑を購入する場合のメリットは品数の豊富さです。

印鑑のネット通販業者は、印材を専用の工場で一括管理をしており、たくさんの種類の印材を用意しています。

人気のある彩樺や薩摩本柘、黒水牛はもちろん、琥珀やチタン、象牙といった希少性のある印材も取り揃えてあるため、こだわりの印鑑を作りたい人にはおすすめです。

即日発送に対応している業者も多く、発注後、手元に届くまでの期間が短いことも大きなメリットでしょう。

最短で翌日に届くよう手配してくれる業者も珍しくありません。

急な手続きなどで印鑑をすぐに必要とする場合や、仕事が忙しくハンコ屋で印鑑を買う時間が取れない場合は、ネット通販業者を通じて印鑑を購入するのがおすすめです。

デメリット

インターネットで印鑑を購入する場合のデメリットは、実物を確認した印鑑選びができないことです。

高い印材を使って印鑑を作ってみたものの、実際に押印してみると使い具合が悪く後悔してしまうといったケースも珍しくありません。

また、ネット上での注文となるので、細かい箇所まで希望を伝えにくいというデメリットもあります。

印影をプレビューで表示してくれるサイトもありますが、あくまでイメージですので、購入語、印影を見て理想と異なる可能性もあります。

自分で作ってしまう

印鑑を自作してしまう方法もあります。

こちらの方法では、印鑑作成用のフリーソフトなどを利用して印鑑を作成します。

このソフトで印影をデータ化し、自分で印鑑を彫ります。

メリット

印鑑を自分で作った場合のメリットは、コストを抑えられることです。

フリーソフトで作成する上、データを作ること、印影を彫ることも自分で行いますので、人件費は最小限で済みます。

デザインもオリジナルのものになるので、書体にこだわりのある人にはおすすめの方法です。

自分で考えた世界で一つだけの書体を作ると、この上ない偽造防止策にもなるでしょう。

デメリット

印鑑を自作した場合のデメリットは、完成までに時間と手間がかかってしまうということです。

全ての工程を自分でこなしますので、時間がかかるのはもちろん、印影を彫る作業に慣れていない人は相当な手間がかかります。

業者に発注する方法と比べて圧倒的に労力がかかることが、印鑑を自作した場合のデメリットです。

社印を安く作るには?

会社を運営する上では、重要な契約に使う印鑑や見積書の作成に使う印鑑など、色々な印鑑が必要となります。

実印は少数で足りるかも知れませんが、通常業務で使用する機会の多い角印やゴム印などは一定の量が必要となります。

中小企業ほどの規模であれば、コストを気にする必要もありませんが、大企業の場合は大量発注する必要があり、費用を無視できません。

サイズが小さめのものを選ぶ

社印のサイズをコンパクトにすることで、コストを安く抑えられます。

社印を大きくした場合、必要な印材の分量が増えますので、それに比例してコストが高くなります。

ただ、社印の場合は一般的に実印や銀行印よりも大きなものを用いるという慣例がありますので、社印のサイズを選ぶ際は、実印や銀行印のサイズと比較した上で購入しましょう。

寸胴タイプを選ぶ

印鑑には持ち手が付随してくる「天丸タイプ」と、持ち手が付随してこない「寸胴タイプ」の2種類の形状があります。

こちらの2種類を比較した場合、持ち手の無い寸胴タイプの方が一般的に低価格で売られています。

天丸タイプの方が押印しやすいというメリットがありますが、コストで選択する場合は寸胴タイプを選択するとよいでしょう。

材質の安いものを選ぶ

印材には柘や彩樺、黒水牛など様々な材質が存在しますが、コスト面を気にする場合、印材についても考えましょう。

安く印鑑を揃える場合のおすすめの印材は、柘や彩樺などの印材です。

これらの素材は大量に生産できるタイプの印材ですので、低価格で購入する事ができます。

耐久面や押印の性能は高級印鑑に少し劣ってしまいますが、優れたコストパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。

セットで購入する

印鑑を安く揃える場合に有効なのが、セットで購入する方法です。

ネットで印鑑を取り扱っている業者の中には、印鑑のセット購入にともなう割引サービスを行っているところもあります。

特定の種類の印鑑だけが必要な場合は別ですが、実印や銀行印といった他の法人印も必要としている場合は、一緒に作った方が安く揃えられるでしょう。

ネットで購入する

社印を安く作るための方法で最後にご紹介するのが、ネットで購入する方法です。

ネットの通販業社は実店舗がない場合でも運営できるため、街のハンコ屋よりも少ない経費で組織を運営できます。

そのため、浮いた費用を印鑑のコストダウンに活かす事ができ、低価格での販売が可能となります。

通販サイトは複数ありますので、自分の希望に合った業者を見つけて購入するとよいでしょう。

ハンコ屋に直接足を運ぶ必要もありませんので、時間も節約できるというメリットもあります。

法人印の登録まで

この項では、登録が必要な法人印の種類と、登録の方法について見ていきます。

登記所へ登録する法人印を届け出る

法人印の中で所定の機関に登録する必要があるものは、代表者や会社名が刻印されている実印と、銀行との手続きの際に必要となる銀行印です。

実印の場合は登記所に、銀行印の場合は取引をしている銀行に登録しましょう。

会社を運営していく中で必要な銀行口座は、この銀行印が無いと作ることが出来ません。

また、繰り返しになりますが、実印は法人印の中でも最も重要度が高いので、取り扱いには細心の注意を払うように心がけましょう。

印鑑カードを受け取り必要書類と合わせて提出

実印と銀行印をそれぞれ登録した後は、印鑑カードを受け取り必要書類と合わせて役所に提出しましょう。

こちらの手続きで必要な書類は、「印鑑カード交付申請書」です。

印鑑カード交付申請書は、印鑑カードを交付してもらう際に必要な書類です。

さらに、印鑑証明書を発行してもらうために印鑑カードが必要です。

印鑑証明書は、不動産売買などの重要な取引の場面で必要になりますので、必ず取得しておきましょう。

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法人印証明書の取り方

法人印証明書の取り方には様々な方法があります。

ここでは代表手的な取得方法を4つ取り上げ、それぞれ説明しましょう。

窓口で申請する場合

自治体の窓口で法人印署名書を取得する場合、印鑑登録証明書交付申請書に会社名や会社の住所、そして印鑑提出者の氏名等を記載し、申請します。

この時、印鑑カードも必要になりますので、忘れずに提出しましょう。

証明書発行請求機で請求する方法

こちらの取得方法では、証明書の発行請求機を用いて法人印証明書を取得します。

発行請求機で請求する方法には、登記所の窓口での手続きをせずに、法人印証明書を受け取ることができるというメリットがあります。

郵便で請求する方法

法人印証明書は郵便で請求することも可能です。

こちらの方法では、印鑑登録証明書交付申請書と収入印紙、そして返信用封筒ならびに郵便切手が必要となります。

役所まで出向く必要がないので、仕事が忙しい人にはおすすめです。

オンライン申請

法人証明書をオンライン申請する場合には、事前に「法人の電子証明書」を交付してもらう必要があります。

この法人の電子証明書とは、身分証明を電子的に行う時に必要な証明書です。

電子証明書は法務局で申請することで交付されます。

申請の際には、発行手数料がかかりますので注意しましょう。

法人の電子証明書を発行してもらった後は、任意のタイミングで法人印証明書が申請できますので、自分の都合がよい時に手続きをしましょう。

法人印を変更する場合の流れ

会社の代表取締役が交代した場合、法人印(実印)を変更する手続きをしなければなりません。

新たな法人印を作成する

最初にすべきことは新たな法人印の作成です。

ここで言う法人印とは、先ほど挙げた実印のことを指します。

実印の印材や書体については会社ごとに予算等があるため、適切に印材や書体を選んで作成しましょう。

ただ、印鑑の大きさは、辺の長さが1㎝の正方形に収まるもの、そして辺の長さが3㎝の正方形に収まらないものは登録できないため、注意しましょう。

必要書類を用意し、提出する

次に必要な書類を用意し、所定の機関に提出します。

この手続きで必要となるのは「改印届出書」と印鑑届出者の印鑑証明書です。

こちらの書類は、実印を変更する際に法務局に提出するよう定められている書類です。

改印届出書は記入事項が少なく、他の申請書類と比べて作成がしやすいので、司法書士に頼まずに作成することができます。

そのため、新しい代表取締役の人が書いて申請することも珍しくありません。

なお、こちらの書類の様式は法務局のホームページ上で直接ダウンロードできるため、役所に出向く手間を省略することができます。

印鑑届出者の印鑑証明書については、自身が印鑑証明を届け出ている住所の自治体の窓口で申請しましょう。

代表者の住所変更手続きになる場合

改印届出書には、会社の代表者の印鑑証明書を添付しなければなりません。

しかし、印鑑証明書に書かれている代表者の住所や会社の登記簿上の代表者の住所が一致しない時は、改印届出書の提出前に会社代表者の住所変更登記をする義務が生じます。

こちらの住所が一致しない場合、法務局に申請しても受理されないため、住所が一致しているかどうかは必ず確認しましょう。

今注目の電子印鑑について

電子印鑑はスマホやパソコンがあれば手続きが完結できるため、リモートワークが進む社会において注目を集めている印鑑です。

電子印鑑とは?

電子印鑑とは、印鑑を電子化したものを指します。

データ化された書類、例えばPDFで作成された書類に印影を施すことができるのが特徴です。

2001年に施工された「電子署名法」により、電子署名であっても手書きの署名や印鑑の押印に準ずるものと定められました。

印鑑の陰影を画像化したもの

電子印鑑では、画像化された印影を用いて押印します。

印影は、法人印または個人が所有している印鑑の陰影を機械でパソコンに取り込み、データ化します。

利便性が高く様々な業務に導入すると効率アップにつながりますが、その一方で偽造されやすいというのが特徴です。

物理的な偽造が難しい通常の印鑑と比べて、電子印鑑では一瞬で全く同じものが偽造できるため、運用する場合はセキュリティに十分注意しましょう。

陰影に識別情報が保存されるもの

電子印鑑には、印影が持つデータに識別情報を保存できるものもあります。

電子印鑑を使用する度に、使用者と使用回数が記録される仕組みになっているため、セキュリティ面を強化できるでしょう。

法的な効力は?

上でも話題に出ましたが、電子印鑑の法的な効力は2001年に施工された「電子署名法」によって保証されています。

そのため、電子印鑑が間違いなく本人によって押印されたと証明できる場合、法的な場でも使用することが可能となっています。

ただし、実印を必要とする手続きに関しては、電子印鑑を受けつけてもらいことができないため、注意しましょう。

また、政府では文書の電子化を推進しており、2020年度は一定規模以上の企業は法人税をオンラインで申告する義務が導入されています。

役所の手続きの電子化は今後も推進されると予測されており、電子印鑑の出番は今後ますます多くなるでしょう。

自分で捺印した印影との違いは?

自分で捺印した印影は、電子印鑑の印影とは違い、毎回異なったものが出来上がります。

理由としては、力の入れ具合や印鑑の傷み具合、朱肉の付き方など色々な要素に左右されるためです。

また、同じ印鑑でも捺印する人によって「クセ」があります。

一方、電子印鑑の場合は全ての処理をコンピューターで行うため、全て同じ印影となります。

自分で捺印した印影については、個人の証明を容易にすることができます。

反対に電子印鑑は、特定の人間の陰影であることを証明するのが難しいです。

電子印鑑を利用するメリット

電子印鑑を利用するメリットには、業務の効率化に関するものやコスト面に関するものがあります。

捺印作業をカットできる

電子印鑑は、捺印作業をカットできるメリットがあります。

手動で印鑑を捺印する作業は、朱肉を付けることや印鑑の角度、力の入れ具合を調整しなくてはなりません。

しかし、電子印鑑であればコンピューターが処理をするので、一気に作業効率が上がるでしょう。

さらに、書類に印鑑をもらうために社内を行き来する手間も省略できるため、時間の節約にもつながります。

印刷コストがかからない

電子印鑑を捺印にする作業に、紙は必要ありません。

モニター上で印影を確認して作業工程を進めるので、紙に印刷して書類を出力する必要がなく、印刷コストを節約することができます。

電子印鑑を利用するデメリット

電子印鑑には作業効率化や、印刷コストを節約できるというメリットがあります。

その反面、デメリットも存在します。

セキュリティ面での懸念がある

上述したとおり、電子印鑑は通常の印鑑と比べて偽造がしやすいという特徴があります。

通常の印鑑は、印材に印影を刻印する工程を経て作成されるため、偽造するには印影を完璧に盗むことや印影を正確に再現するための3Dプリンターも必要です。

場合によっては、印材までも同じものを調達しなければならないケースもあるでしょう。

しかし、電子印鑑の場合は画像データをコピーするだけで同じものが出来上がるため、セキュリティ面では大きな懸念があります。

電子印鑑は便利ではありますが、使用する場合は使用者を明示する仕組みや、使用日時を常に記録する仕組みを作った上で、運用する必要があるでしょう。

導入コストがかかる

電子印鑑は偽造が簡単にできるため、セキュリティ上に大きな懸念を抱えています。

こちらのセキュリティ問題を解消するには、使用者を記録する等の仕組みを構築する必要がありますが、外部に委託するとそれなりのコストがかかります

自社でセキュリティを強化できる場合は問題ありませんが、通常の会社で電子印鑑を導入する場合はコストがかかります。

電子印影の作り方

電子印影は、フリーソフトの利用や印鑑ショップで印影画像を購入することで作成できます。

フリーソフトやwebサービスを利用する

電子印影はフリーソフトを用いることで、個人でも手軽に作ることができます。

広く普及している表計算ソフトなどのアドインで使えるフリーソフトもあるため、会社のパソコンでもすぐに使用できます。

また、webサービスを利用して作成するという手段もあります。

会員登録不要で誰でも利用できるサイトが複数存在するので、興味のある人は検索してみるとよいでしょう。

こちらの方法では、ベースとなるデザインが少ないというデメリットもありますが、書体や文字の大きさなどについては細かい部分まで調整できます。

印鑑ショップで印影画像を購入する

印鑑ショップでは、法人印の電子印影を作成できるサービスも行っており、数千円程度で複数の陰影を同時に揃えることができるというメリットがあります。

こちらの方法では印鑑の専門家に依頼するため、印影画像の品質に関してはフリーソフトやwebサービスよりも質の高いものが期待できるでしょう。

また、作成した印影画像については実際の印鑑にも刻印してくれるサービスもあるため、実印が必要とされる取引にも応用することができます。

実印鑑の陰影をスキャンする

実印鑑の陰影をスキャンして、電子印影を作り出すこともできます。

こちらの方法では、パソコンを用いて印影をスキャンする方法もありますが、おすすめなのはスマホのカメラ機能を使って印影をスキャンする方法です。

スマホアプリの中には印影をデジタル化して記憶できるものもあるため、このような機能を持つアプリに頼ることで手軽に印影画像をデータ化することができます。

低コストで抑えることができますが、取り込んだ印影の精度はスマホのカメラ機能に依存してしまうのがデメリットです。

会社設立を考えている場合は、経営サポートプラスアルファにご相談を!

実印や銀行印など、会社で使用する機会のある印鑑について解説してきました。

事業の法人化を目指す場合、実印や銀行印の登記所への申請など複数の事務手続きが必要となります。

こちらの手続きは権利関係に絡む複雑なものもあるので、司法書士への相談が必要な場合もあるでしょう。

また、事業の法人化には印鑑に関する手続き以外にも、事業用の車両の届け出や、商材を取り扱うための免許の取得など様々な手順を踏む必要があります。

法人化の経験の無い人は、次から次へと要求される手続きに頭を抱えてしまうこともあるでしょう。

そのような人におすすめなのが「経営サポートプラスアルファ」です。

経営サポートプラスアルファは、事業の法人化手続きを全面的にバックアップしてくれるコンサルティング会社です。

経営サポートプラスアルファのサービスは、法人化にともなう手続きに不安がある人や、よりコストを抑えて法人化したい人が、大きく注目しています。

経営サポートプラスアルファでは、専門のコンサルタントが法人化への道のりを全力で助けてくれますので、一週間程度の短期間で法人化を実現できます。

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