法人口座を開設するためには、個人名義の口座よりも煩雑な書類を提出し、金融機関の厳しい審査を通る必要があります。
この記事では、法人口座開設のために必要な書類や流れ、法人口座の開設を断られた時の対処法などを解説します。
法人口座とは
法人口座とは、名義が会社名になっている銀行口座のことです。
会社として必ず必要なものではありませんが、会社としての信用力を示すためにも法人口座を開設するのが一般的です。
代表者個人名義の口座との違い
法人口座と代表者個人名義との違いは、「信用力」です。
個人名義の口座で取引を行っていると会社の資産と個人の資産が混ざってしまうため、税務署や取引先から余計な疑いをかけられる恐れがあります。
また、融資を受ける際も個人名義の口座のままだと不利になり、門前払いを受ける可能性もあります。
このように、会社を運営する上で必要になる様々な取引での信用を確保するために、法人口座を開設するのが賢明です。
法人口座開設を断られたら?
必要書類を揃えて提出しても、金融機関によっては、審査に落ちてしまい法人口座開設を断られるケースがあります。
法人口座開設を断られる主な理由
資本金額が低い
資本金は、会社を運営するための体力を示すものです。
資本金額があまりにも低いと、銀行側から取引量の少ない会社と見なされ、法人口座開設を断られる可能性があります。
銀行にも口座維持コストがかかるため、取引量があまりにも見込めない会社の口座は開設するメリットがないからです。
最低でも100万円以上は資本金として設定しておくと、法人口座の開設を断られる可能性は低いと言えます。
資本金の決め方に関しては、
を参考にしてください。
資本金の最低額は銀行によって基準が違います。
あらかじめ口座を開設したい銀行がある場合には、確認しておくと良いです。
資本金が少ないことが理由で既に法人口座開設を断られてしまっている場合は、資本金を増資するか、他の銀行での口座開設を検討するしかないでしょう。
会社の住所がバーチャルオフィス
登記上の住所で事業を行なっていない場合は法人口座開設ができない場合が多いです。
これは、振り込め詐欺などの法人口座を悪用した犯罪を防止するためと言われています。
そもそもメガバンクなどの大手金融機関では、審査時に事業の実態を確認するためにオフィスの賃貸契約書の提出を要求されるケースもあります。
事業内容や目的が不明
事業内容があまりにも銀行員から見て意味不明な場合は、審査に通らない場合がほとんどです。
また、創業者の経歴と事業内容の業種・分野がかけ離れている場合は、詳しい説明を求められるケースがあります。
連絡先が携帯電話
連絡先が固定電話でなく、携帯電話の場合も信用力の問題から審査に通らないケースが多いです。
個人事業主としてビジネスを行うには携帯電話で十分な場合も多いですが、法人設立をする際には必ず固定電話を契約した方が良いでしょう。
公式サイトがない
住所や電話のケースと同様、公式サイトがない場合も会社としての信用力がないと評価され、審査に通らないことがあります。
法人口座開設を断られた時の対処法
銀行担当者や窓口に理由を聞く
法人口座開設を断られた場合、まずはなぜ審査が通らなかったのか銀行担当者に訪ねてみるのが良いでしょう。
理由を聞けた場合は、原因となる部分を改善すれば良いということになります。
「法人口座開設を断られる主な理由」5つを見直す
銀行によっては、審査落ちの理由を教えてくれない場合があります。
この場合は、上述した審査を断られる主な理由に該当していないかチェックし、該当部分を改善しましょう。
会社としての信頼度が上がる書類を持参する
法人口座開設を断られたということは、すなわち「会社としての信用が低い」ことを指します。
過去の取引の履歴など会社の信用を示す書類を持参することで審査に通りやすくなる場合があります。
口座を開設する銀行を変える
「開設を断られる理由が見当たらないのに、審査に通らない…」という場合は仕方ありません。
金融機関によって口座開設の審査基準は異なるため、金融機関を変えて口座開設を申し込みましょう。
よっぽど問題がない限り、複数申し込めばいずれかの金融機関で口座開設が出来るはずです。
どの銀行で法人口座を開設すべき?
では、一体どの銀行で法人口座を開設するのが良いのでしょうか。
法人口座を開設する選択肢として、大きくメガバンク、地方銀行、ネットバンクの3種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
例えば、メガバンクでの法人口座開設は、取引先などから高い信用を獲得することが可能ですが、審査が非常に厳しいです。
利便性や信用力など、自社との相性に応じて適切な銀行を選択することが大切です。
各銀行で法人口座開設をする際の詳しいメリット・デメリットは、下記の記事を参照してください。
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今回は、法人口座開設をするために必要な書類や手順、法人口座開設を断られる原因について紹介しました。
法人口座開設の審査に通らないと、いくつもの金融機関を回ることになる可能性があり、非常に工数がかかります。
また、結果的に手数料が高かったり自社にとって利便性が悪い銀行でしか口座開設をできなくなるリスクもあります。
予め法人口座開設を断られる理由や、審査上プラスに働く書類などを知識として知っておかないと、損をしてしまう場合があるのです。
このような、損をしている会社設立の例は会社設立における様々な場面で存在します。
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