会社員として働いてるけど、これからは個人事業主になりたいと思っている人や、今までフリーランスとして頑張ってきたけど今後は安定した会社員になりたい。
このように思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、このような人の中には会社員と個人事業主に、どのような違いがあるのか深く理解していない人も多いです。
そこでこの記事では、会社員と個人事業主の違いについて徹底的に紹介していきます。
会社員と個人事業主の違い
会社員と個人事業主で違いが出てくる部分が以下の3つです。
- 1.経費の考え
- 2.社会保険
- 3.雇用保険
それでは、詳しく見ていきましょう。
経費の考え
会社員と個人事業主で、大きく変わってくるのが経費の考え方です。
会社員の場合、経費として落とせるものが非常に少なく、会社としては経費で落とせるものはあっても、個人として経費で落とせるものはほとんどありません。
一方で、個人事業主の場合は事業で使ったものに関しては、経費として落とすことが可能です。
そして、それがもし私用のものであっても、事業で使ったものを私的に使うのであれば経費として計上できることが多いです。
このように、経費として計上して売上から自分で使える金額を増やしていけるのも、個人事業主の大きな魅力でしょう。
社会保険
会社員と個人事業主の違いには、社会保険の有無もあります。
社会保険とは、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の総称のことです。
会社員の場合は、社会保険の保険料を会社が半分負担してくれているので、個人の負担はそこまで大きくありません。
一方で、個人事業主の場合は国民健康保険に自分で加入して、全額自分で支払う必要があります。
このように、全額を自分でお金を支出しなくてはいけないことから、会社員と比較して個人事業主は負担が大きいでしょう。
また、個人事業主の場合は、厚生年金などの制度もなく国民年金だけで老後を過ごすなくてはいけないなど、自己責任の部分が大きくなってしまいます。
雇用保険
会社員の場合は、雇用保険に加入しているため失業をした場合は、失業手当を受けることができます。
一方で、個人事業主の場合は雇用保険に加入できません。
そのため、取引先の会社が急に取引を止めたからといって失業手当を受給できることはありませんし、そこに対して何か保証があることもありません。
このように、何かあった時に国が補償してくれるかどうかは、個人事業主と会社員の大きな違いでしょう。
会社員の3つのメリット
会社員の3つのメリットには以下のようなものがあります。
- 1.収入が一気になくなるリスクが小さい
- 2.確定申告の義務がない
- 3.福利厚生を享受できる
収入が一気になくなるリスクが小さい
会社員の最大のメリットは、雇用契約が守られているので急にクビになることがなく、収入が一気になくなるリスクが小さいということです。
フルコミッション制のサラリーマンの場合は、収入が一気に小さくなる可能性はあります。
しかし、一般的なサラリーマンの場合は、会社都合で収入が一気になくなることや、いくら仕事ができないからと言ってすぐにクビになることは少ないです。
このように、雇用が守られているという点が会社員の大きなメリットでしょう。
確定申告の義務がない
会社員の場合は、確定申告の義務がありません。
確定申告は、その年の収入を記録したもので、税金の支払い金額を決めるために使われるものです。
会社員の場合は、確定申告にあたるものを会社が代わりに行ってくれているので、会社員自身が自分で確定申告をする気はありません。
ただし、年収2000万円以上など条件によっては会社員であっても確定申告の義務があるので、その点には気をつけましょう。
確定申告では、経費の精算や収入の整理などの作業が必要で、自分でやる場合は1か月くらいかかることもあります。
福利厚生を享受できる
会社員のメリットの1つが、福利厚生を享受できることです。
会社員の場合は、会社で用意されている福利厚生を使って家賃補助や保養所の利用ができることがあります。
一方で、個人事業主の場合は福利厚生という概念がなく、自分で自分のために福利厚生費を計上することもできません。
会社員の3つのデメリット
会社員の3つのデメリットは以下の3つです。
- 1.給与の上がり幅が小さい
- 2.成果と評価が結びつきにくい
- 3.経費計上できるものが少ない
給与の上がり幅が小さい
会社員の場合は、フルコミッション以外は給料の上がり幅が小さいです。
一般的に、1年上がるごとに1万円月収が上がれば良い方とされています。
一方で、個人事業主の場合は自分の頑張り次第では、月に数万円単位で収入を増やせるでしょう。
このような給料の上がり幅の違いは、会社員のデメリットになるでしょう。
成果と評価が結びつきにくい
会社員の場合、成果と評価が結びつきにくいです。
会社というのは良くも悪くも全従業員の雇用を守る必要があり、一人の社員が大きい成果を出していたとしても、他の社員が平均よりも低い成果の場合は、その成果の穴埋めに大きな成果が利用されてしまいます。
そのため、社員の成果がダイレクトに評価に結びつくことは少ないです。
経費計上できるものが少ない
会社員は、個人で経費計上できるものがとても少ないです。
もちろん、会社都合の出張などで使ったお金は会社に対して経費として計算することができます。
一方で、個人的に仕事のために購入したものを経費に計上できるからと言うと、経費としては計上することはできません。
この理由は簡単で、個人事業主と違い会社員は確定申告の義務がないからです。
確定申告をすることで初めて経費として認められ、その分を控除してもらうことができます。
一方で、会社員の場合はそもそも確定申告をしておらず、会社が代わりに確定申告をしています。
そのため、経費として購入したものを控除してもらいたくても、控除してもらう方法がありません。
このように、経費として計上できるものが極端に少なく、控除の対象が小さいというのは会社員のデメリットでしょう。
個人事業主のメリット
ここでは、以下の個人事業主のメリットを紹介します。
- ◆自分のペースで働ける
- ◆経費にできるものが多い
自分のペースで働ける
個人事業主のメリットは、自分のペースで働けることです。
もちろん、自分のペースで働くことで収入が減る可能性もありますが、それでも自分のペースで働けて、負担がないように働けるのは個人事業主の大きな魅力でしょう。
実際に、個人事業主の中には会社員として働く中でうつ病となってしまった人も多いです。
しかし、そのような人でも個人事業主として成功されている人が多いのも特徴。
経費にできるものが多い
個人事業主は、経費にできるものが多いです。
例えば、自宅で仕事を行っている場合は家賃の一部を家事按分として経費に計上できます。
家事按分として経費に計上することができるのは、自宅で仕事をしている人です。
また、家事按分として計上できるのは仕事部屋(仕事専用の部屋がある場合)の面積もしくは、仕事で部屋を使っている時間です。
例えば、1日8時間自宅で仕事をしている場合は、家賃の3分の1を家事按分として、経費に計上できます。
一方で、なんでもかんでも経費に計上できるわけではないので気をつけましょう。
また、経費に計上したからと言ってタダになるわけではなく、あくまでもそのぶん税金の支払いが少なくなるだけで、お金を払っているという事実は変わらないので注意が必要です。
個人事業主の3つのデメリット
個人事業主のデメリットは以下の3つです。
- 1.スキルと収入の関係が深い
- 2.確定申告をする必要がある
- 3.収入の保証がない
スキルと収入の関係が深い
個人事業主は、スキルがある人は稼ぐことができますが、スキルがない人は稼ぐことができません。
そのため、会社員の時は成果がなくても収入がある程度保証されていた人が、個人事業主になると成果がシビアに評価されて、そのぶん収入が減ってしまうなんてことも多いです。
逆に、スキルがある人は個人事業主として独立したらすぐに稼げるようになり、会社員時代の給料をすぐに超えてしまうなんてことも多くなっています。
確定申告をする必要がある
個人事業主は、基礎控除が48万円です。
そのため、所得が48万円より大きい場合は確定申告をする必要があります。
確定申告は、自分でもできますが税理士などに依頼した方が確実性が高く、また自身の業務負担も減らすことが可能です。
ただし、税理士に依頼する場合は月に数万円の顧問料と確定申告の時には確定申告の代行料金がかかり、年間で10万円から20万円程度かかります。
収入の保証がない
個人事業主は、収入の保証がありません。
もちろん、スキルがないと個人事業主として稼ぐ事はできませんが、スキル以外でもコミュニケーション能力やディレクション能力がないと安定して稼ぐことは難しいです。
また、クライアントの中にはいきなり連絡が取れなくなって、未払いになってしまうなんてケースもあります。
このように、クライアント都合で収入がなくなってしまうなんてこともあるので、十分に気をつけるようにしましょう。
まとめ
会社員と個人事業主には、それぞれメリット・デメリットがあり、どちらがあっているのかはその人の考え方や経験に大きく左右されます。
また、個人事業主として独立したら成功すると言われていても、実際には成功しなかったなんてことも多いです。
そのため、まずは副業として行い、それが軌道に乗ったら個人事業主として独立するという形がいいでしょう。
また、若いうちは個人事業主として独立してうまくいかなかった場合でも、会社員に戻ることが難しくないので、個人事業主になるなら若い方がいいとされています。