自分で事業をはじめようと思った時、エステサロンの開業を検討する方は多いです。
エステサロンは、特別な資格や大きい事業所が必要なわけではないため、個人にとっては比較的始めやすい事業の一つです。
一方で、始めやすいからといって、必ずしも成功しやすいわけではありません。
今回は、エステサロンを開業しようと考えている方向けに、必要な準備や資金調達の方法、失敗しないためのポイントについて解説します。
目次
エステサロンの開業に必要な準備
まずは、エステサロンの開業に必要な準備について詳しくご紹介します。
エステサロンの開業に必要な資格は?
エステサロンを開業する際、「エステサロンの開業に必要な資格はあるのか?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
エステサロンの開業に必要な資格をご紹介します。
必須の資格はない
エステサロンの開業に必須の資格はありません。
基本的には誰でもエステサロンを開業することができる、といっても過言ではありません。
しかし、エステに関して全くの素人の状態でエステサロンを開業した場合、お客さんを増やすことは難しいため、ある程度の知識を身につけておくことは大切です。
資格を取得することで信頼を得ることができる
必須の資格はないものの、資格を取得することで、お客さんの信頼を得ることができます。
特に、開業初期は実績がないため、いくら技術があっても新規のお客さんに敬遠されてしまうケースもあります。
このような際、看板やホームページに資格の記載があれば、お客さんが安心して足を運んでくれるでしょう。
エステティシャンの教育事業を行っている日本エステティック協会の資格を取得しておくのも有効です。
「AJESTHE認定エステティシャン」や、「AJESTHE認定上級エステティシャン」、「AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー」などの資格があります。
参考:https://ajesthe.jp/esthetician/
エステサロンの開業時にする届出
エステサロンの開業時に必要な届出は、以下の2つです。
開業届
まずは、税務署に個人事業主の開業届を出す必要があります。
こちらは、必要な書類を記入して税務署に送付すれば問題ありません。
この個人事業主の開業届は、確定申告をする予定があることを税務署に知らせる役割があります。
開業届を出さなくても事業自体は開始できるため、このような届出を軽視する方も多いですが、開業届を出さないまま事業を継続していると、最悪の場合、脱税の疑惑をかけられることになりかねないため、注意が必要です。
また、個人事業主としてではなく、最初から会社を設立して法人として事業を開始したいと考える場合には、別途会社設立の手続きが必要です。
会社設立をすべきか個人事業主にすべきか迷ったら、税務の専門家に相談してみるのが賢明でしょう。
保健所への申請
まつエク、眉毛カット、鍼灸など、施術をする上で美容師や鍼灸師などの国家資格が必要になるサービスを提供するエステサロンを開業する場合は、別途保健所への申請が必要です。
国家資格が必要な施術を行う際には、衛生面や安全面の基準を満たした設備になっているかを保健所にチェックしてもらう必要があるのです。
・エステサロン開業に必須の資格はないが、スキルや資格を持っていると有効である。
・個人事業主からでもスタートでき、会社を設立することもできる。
・国家資格が必要な施術を行う場合には、保健所への申請が必要である。
エステサロンの開業時に活用したい資金調達の方法
エステサロンの開業時に活用したい資金調達の方法を紹介します。
助成金や補助金
まずは、国や地方自治体の助成金や補助金です。
このような助成金や補助金を上手く活用することで、ランニングコストを抑えることが可能です。
開業したての頃はこうした助成金や補助金を調べる余裕がなく、知らず知らずのうちに損をしてしまっている方が多いです。
助成金や補助金は調べれば、たくさんあるため、自分に合った助成金や補助金を見つけることが大切です。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金とは、雇用保険に加入している被保険者を対象に、職務に関する知識、技術習得のための職業訓練を実施した場合にもらうことができる助成金です。
例えば、エステサロンで社員を雇って専門的な知識を教育する場合、助成金の対象になります。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金とは、アルバイトや派遣社員などの非正規雇用労働者を対象に、キャリアップに繋がる取り組みを行った際に支給される助成金です。
例として、エステサロンでアルバイトを雇い、社員になるために必要な専門知識・技術の教育を行う場合、助成金の対象です。
その他の補助金・助成金
その他にも、以下のように活用できる可能性のある助成金、補助金は多くあります。
自分のエステサロンでやろうとしていることが、助成金や補助金の支給対象になるかどうかを調べ、申請してみると良いでしょう。
- 地域雇用開発助成金
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
融資
助成金や補助金は、返済の必要がないお金です。
この分、経済的なデメリットがあり、支給条件も厳しく、また大きな金額を受給することは難しいです。
さらに、支給されるタイミングが遅いこともあり、初期のランニングコストを賄うことができないこともあります。
こうした場合は、融資を検討するのも一つの手です。
しかし、最初から大きい金融機関を訪ねたとしても、実績がない状態では相手にされないケースが多いでしょう。
開業のタイミングでは、以下の2つの融資の方法を検討するのが良いでしょう。
日本政策融資銀行
日本政策融資銀行は日本の事業創出をサポートするために作られた政府関係金融機関です。
このため、起業したての事業者に対して、低い金利で融資をしてくれるという特徴があります。
事業を興した際には、まずはこの日本政策融資銀行からの融資を検討するのが良いでしょう。
しかし、起業したての事業者に優しいとはいえ、誰にでも融資をしてくれるわけではなく、審査があります。
審査に一度落ちると一定期間は再申請ができないため、事業計画書などを作り込んでから融資の申請に臨む必要があるでしょう。
制度融資
制度融資は、金融機関からお金を借りる際に、地方自治体が保証人となってくれる制度です。
この保証人となってくれる機関を信用保証協会と呼び、各都道府県に設置されています。
・開業する際は、使うことができる助成金や補助金がないかを調べることが大切である。
・日本政策融資銀行の審査には、事業計画書を作って臨むことが大切である。
・各都道府県の制度融資を活用することも可能である。
エステサロンを開業にかかる費用の目安は?
エステサロンを開業するためにかかる費用をご紹介します。
自宅で開業する場合
自宅で開業する場合は、場所代がかかりません。
ただ、普通のリビングで施術するのは難しく、施術用の一定のスペースを設けて、内装を整える必要があります。
エステ機器代と内装費で、50万円〜を見込んでおくと良いでしょう。
賃貸物件で開業する場合
賃貸物件で開業する場合は、自宅とは別に物件の家賃を支払う必要があります。
自宅で開業する場合と比べて固定費が大きく上がるため、自宅で開業して軌道に乗ったら物件を借りるというのも良いでしょう。
この場合、初期費用に加えて、賃貸費用が10万円以上はかかると考えておきましょう。
・自宅で開業する場合でも、内装を整えるのは必須である。
・自宅で開業して、軌道に乗ったら物件を借りるのが安全である。
エステサロンの開業に失敗しないために必要なこと
最後に、エステサロンの開業に失敗しないために必要なことをご紹介します。
初期費用を抑える
開業は、リスクを抑えて小さくスタートし、売上が出てきたら、徐々に規模を大きくするのが有効です。
このため、初期費用はなるべく抑えることを意識し、物件の選定や内装の準備を進めることが大切です。
開業する場所を考える
エステサロンにおいては、開業する場所が重要です。
いくらスキルがあっても、近隣に安い大手のエステサロンが多く存在する場合、顧客を獲得することは難しいでしょう。
本当に顧客を獲得できる見込みがあるのか深く検討した上で、開業の場所を決定することが大切です。
個人事業主と法人化のどちらにするのかを考える
開業するにあたっては、個人事業主と法人の2つの選択肢があります。
個人事業主は手軽に始められるのがメリットですが、事業が拡大してくると、節税が難しくなる可能性があります。
一方、法人を最初から設立しておくことで、事業が軌道に乗った際にスムーズに節税対策をすることができるため、拡大を見込んでいる方は初めから法人を設立すると良いでしょう。
・初期費用を抑えることが、開業時に大切である。
・競合の出店状況などを踏まえて、開業することが大切である。
・将来的な節税面や事業を考えると、初めから法人を設立すると良い。
エステサロンの開業についてのご相談は
将来的にサロンを拡大していきたいと考えている方は、会社設立をすると良いでしょう。
会社設立をすることで節税がしやすくなるだけでなく、社会的な信用も得る事ができ、資金調達もしやすくなります。
ただ、会社設立の手続きが非常に煩雑なのはデメリットです。
税務や経理の知識がない状態では、1人で手続きを完了させるのは難しいでしょう。
このような際は、経営サポートプラスアルファを活用することが有効です。
経営サポートプラスアルファでは、提案型の会社設立のサポートを行っています。
また、代行される場合は、最短1日で会社設立を完了することができます。
24時間、ご相談いただくことが可能なため、まずは、ぜひ一度お問い合わせください。