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資本金を増やすメリットとは?増資の方法の具体的な方法を解説!

会社設立をする際には資本金を決める必要があります。

現在の法律では資本金1円でも会社設立をすることが可能です。

そのため、実際に資本金1円、そうでなくてもかなり低い資本金を設定するケースは珍しくありません。

少額の資本金でも会社を設立できるのは、気軽に起業できるという点ではメリットといえます。

しかし、資本金が少ないとさまざまなリスクもあるのです。

資本金が少ないと倒産のリスクが高くなるとされています。

そのため、法人設立後に資本金を増やしたいと考えるケースは少なくないです。

この記事では会社を設立してから資本金を増やすことについて紹介します。

増資するメリット・デメリット、増資の方法などを解説しましょう。

資本金が少ないと倒産のリスクが高くなる

資本金が少ないと倒産するリスクが高くなります。

資本金の意味や倒産との関連性について解説しましょう。

資本金の意味

資本金とは株式会社設立時に株主が出資した運転資金のことです。

また、新規事業のために調達した資金も資本金に含まれます。

会社を設立して新しい事業を始めるにあたって必要な費用が資本金です。

そのため、中小企業であっても初期費用のかさむ業種であれば資本金は高くなります。

逆に資本力がなくても始められる事業の場合は、少ない資本金で起業するケースもあるのです。

したがって、資本金は会社の事業内容や経営方針によって変わるものといえます。

資本金が少ないとなぜ倒産してしまうのか

資本金が少ない会社は倒産のリスクが高いです。

資本金は返済する必要のない自己資本であり、もしものときに役立ちます。

不測の事態が生じたときには、資本金から費用を捻出できるのです。

資本金は会社の事業に関するものであれば自由に使うことができます。

返済義務のない事業資金のため、とても柔軟に活用できるのです。

実際に事業を始めたときに予想以上に費用がかさむケースがあります。

そうなると、少ない資本金では身動きが取れなくなり、経営状況が悪化して倒産のリスクが高まるのです。

資本金が少ないと会社の信用力が落ちるため、銀行からの融資も得にくくなります。

また、資本金が少ないために営業が上手くいかないケースもあるのです。

これらの影響が倒産につながる恐れもあります。

ポイント

・資本金とは会社が事業を始めるための運転資金のこと。
・資本金が少ないともしものときに対応できなくなる。
・資本金が少ないと会社の信用度が落ちるため融資や営業などで不利になる。

増資することのメリット・デメリット

後から資本金を増資することのメリットとデメリットを解説します。

メリット

融資と違い、返済がいらない

資本金は融資とは異なり返済義務がありません。

そのため、返済のことを考えずに使える便利な資金といえます。

たとえば、研究費用のような長期的に資金が必要となるケースでは、資本金の金額は重要です。

潤沢な資本金を抱える企業は長期的な事業計画を建てることができます。

運営力が強くなる

資本金を増資すれば、不測の事態に対処するための資本力を高められるのもメリットです。

たとえば、事業を進めるための費用が不足したときには、資本金を充てることができます。

資本金から経費を捻出することも可能です。

社会的な信頼が高まる

資本金を増資することで社会的な信頼度が高まるのもメリットです。

たとえば、企業の中には取引相手について資本金額の制限を設けているケースがあります。

資本金の少ない企業は倒産のリスクが高いため取引相手にふさわしくないと判断されるのです。

銀行から融資を受ける場合も、資本金の低さが審査で不利になることがあります。

資本金を増資することで、営業や融資などで有利になるのです。

ブランド力を向上させられる

増資するということは、新たな株主を増やすことにつながります。

たとえば、有力企業が株主になれば、お互いの関係が強化されるのです。

それが自社のブランド力の向上につながります。

また、資本金が高いことそのものが会社の価値を高めることになりブランディングに寄与するでしょう。

経営に対してより意欲的になる

増資することにより、運営力が強くなる、社会的な信頼が高まるなどといったメリットがありますが、これによってよりチャレンジの幅も広がります。

これまで資金繰りや社会的信用の制限といった問題によってできなかったことも、増資することによって幅広く事業を行うことが可能になるでしょう。

これが責任感やモチベーション向上に繋がり、経営に対してより意欲的になることができるという、メリットもあります。

デメリット

資本金を増資するためには手続きをする必要があるのがデメリットです。

新たに株式を発行して、購入してもらいます。

その際にはさまざまな事務手続きが発生するのです。

増資をするための手間がかかる

資本金の増資のための手続きにはコストがかかります。

司法書士に手続きを依頼する際には報奨金を支払う必要があるからです。

また、増資のための登録費も発生します。

これらの費用を捻出する必要があるのはデメリットです。

手続きの手間がかかる

資本金を増資した場合、変更日から2週間以内に登記申請をする義務があります。

違反すると制裁金を支払わなくてはならない可能性もあるため、正しく手続きをする必要があります。

登記は自分で行うことも可能ですが、この場合手間がかかります。

手続きにかかる時間はケースバイケースですが、知識のない状態から始めると1週間ほどかかる場合もあり、忙しい経営者にとって時間が勿体ない作業となる可能性もあります。

また、書類の不備などがあった場合、法務局に出向く必要があるなど、手間も時間もかかることがあるので注意が必要です。

出費が多くなる

増資することで出費が増えるというデメリットもあります。

資本金が大きくなるほど税負担も大きくなるからです。

資本金が増えると税額控除の適用が不可になる、補助金の申請ができなくなるなど不利な点が生じます。

また、利益が出た際に支払う配当金の支払額も多くなるのです。

増資をしながらの節税は可能?

増資をした場合は、税負担が増えてしまいます。

このため、増資をするタイミングはきちんと考えましょう。

税制面で大きな影響を与える資本金額のラインは、1000万円と1億円です。

特に当初の資本金が少なかった場合は、増資する額によって大きく税額が異なる場合があるため、税の専門家に事前に相談するなど、計画的に増資をすることが必要となってきます。

節税を優先するのであれば、逆に資本金を減資するか、1000万円以下にとどめるというような工夫をする方が良いでしょう。

既存株主の権利が下がる

増資によって既存の株主の権利が減るというデメリットがあります。

増資すれば既存の株主の持株率が減り、既存の株主の権利が減るからです。

経営者の権利が減ることになるため、それは将来的にさまざまな問題を起こすこともあります。

ポイント

・増資により返済の必要のない資金が増えることで運営力が高まる。
・増資によって社会的な信用度やブランド力が高まる。
・増資することで税負担が重くなる。

増資の方法

増資の方法には「無償増資」と「有償増資」があります。

無償増資

無償増資は、投資家からお金の払い込みを受けず、利益を資本金に組み入れするなどして新たに株式を発行する増資のことです。

結果的に資金の調達にはなりません。

ちなみに、1991年の商法改正により、無償増資は現在では「株式分割」という名称に変わっています。

有償増資

新たに株式を発行し、発行した新株を投資家に購入してもらい増資することです。

こちらは資金調達となる増資方法です。

なお、新株を購入してもらう募集形態として「公募増資」「株主割当増資」「第三者割当増資」の3種類に分かれています。

公募増資

新たに株式を発行するに当たり、一般投資家など不特定多数に対して幅広く申し込みを募集する方法です。

より多くの資金を調達するのが目的となります。

株主割当増資

すでに会社の株式を保有している既存株主に対し、持株の割合に応じて新たに発行する新株を割り当てる増資方法です。

株主数を拡大させることなく既存の株主に対してのみ株式を発行するため、株主の議決権割合を変更させたいのが目的となります。

第三者割当増資

既存の株主であるか否かを問わず、特定の第三者に新株を割り当てて引き受けてもらう増資のことを言います。

一般的に取引先の企業や銀行、また社内の役員や従業員などの関係者から募集することが多く、中小企業が資金調達の手段としてもっともポピュラーな増資方法です。

「従業員持ち株会」などがこれに該当します。

ポイント

・増資の方法には有償増資と無償増資がある。
・無償増資は資金の調達にはならない。
・有償増資には公募増資や株主割当増資、第三者割当増資といった方法がある。

減資について

減資をする意味/節税効果

減資をすることでさまざまなメリットが生じるケースがあります。

減資の目的の一つは節税効果です。

基本的に資本金が少ないほど税制上のメリットは大きくなります。

減資することで節税できるケースでは、実際に減資を検討する企業が出てくるのです。

たとえば、大企業が減資をして中小企業になるケースは増えています。

業績が悪化したために税制上の負担に耐えられなくなり減資する企業も多いです。

資本金が多いことによるメリットよりも減資による節税効果の方が上回るならば、減資をするのは賢い選択といえます。

減資のメリットには、他にも繰越欠損金の解消や株主への実質的な配当などがあります。

有償減資をすると株主に出資金額が配当されるのです。

また、欠損を補填するために資本金を充当するケースもあります。

それでは、減資にの種類について見ていきます。

減資にも欠損の補填を目的とする「無償増資」と株主に対し出資金額を配当する「有償増資」があります。

無償減資

貸借対照表上の純資産の部がマイナスになっている場合に、欠損の補填として資本金を充当するという方法です。

この無償減資をした場合には、株主に対して配当されることはありません。

有償減資

資本金の減少とそれに伴って増加するその他資本剰余金を財源とする剰余金の配当という個別の手続きを合わせて行う方法です。

結果的に、株主に対して出資金額が配当されることになります。

減資の注意点

減資の注意点としましては、減資の手続きは資本金を減少させるための手続きであるため、減資手続によって株式数が減少するということではないということです。

会社法においては、「株式」と「資本」の関係は切り離されています。

もし、株式数も減少させたい場合は、株式併合あるいは自己株式の取得・消却という手続きを合わせて行う必要があります。

ポイント

・減資によって資本金を減らすことで税制上の優遇策が適用されるケースがある。
・欠損の補填や株主への配当を目的として減資することもある。
・減資には無償減資と有償減資の二種類がある。

資本金2000万円にはメリットがあるのか

資本金を2000万円にするメリットがあるのかどうか解説します。

特に大きなメリットはない

資本金は高いほど社会的な信用力は向上します。

しかし、特別に大きなメリットが存在するわけではありません。

特に意味もなく資本金を高く設定すると税金の負担が増えるため税制上は不利になります。

ただし、資本金2000万円が資本金1000万円より税金の負担が倍かかるかというと、そうではありません。

資本金が税制面に大きな影響を与えるのは、1000万円を超えたときと1億円を超えたときです。

そのため、資本金2000万円が資本金1000万円より極端に税負担が大きくなることはありません。

もし資本金が500万円だったものを2000万円にする場合は税制上不利になり、負担が大きくなるため注意しましょう。

資本金は事業の種類や規模などによって変わってくるものです。

闇雲に資本金を高くするのではなく、自社にとって適切な資本金の金額を見極めましょう。

派遣事業を行う場合には必要

これから派遣事業を行う場合には資本金が大きく影響します。

労働者派遣事業において、有料職業紹介事業を始めるには資本金500万円、一般労働者派遣事業を始めるには資本金2000万円が必要だからです。

特に一般労働者派遣事業の場合は、創業当初に資本金2000万円を確保する必要があります。

ポイント

・資本金が2000万円になっても特別大きなメリットはない。
・資本金は1000万円と1億円を境にして税制上の優遇措置が変わる。
・一般労働者派遣事業を始めるには創業当初に資本金2000万円が求められる。

増資の手続きを自分だけでしないほうがいい?

増資の手続きは自分でできるのか、専門家に依頼するべきなのか説明します。

増資の際の手続き

資本金を増資するには、募集する株式に関する決議と株式の割当に関する決議が必要です。

募集する株式とその割当について株式総会で決議を行います。

ここで募集する株式について細かな取り決めをするのです。

1株当たりの払込金額や払込期日、増資する資本金の額などが決定されます。

増資の際の登記申請

募集株式の発行により増資したならば、登記申請をします。

登記申請することで増資した結果が登記簿に反映されるのです。

登記申請には期日があるため、素早く手続きを進める必要があります。

法律で決められたルールのため、登記を怠れば過料に処せられます。

増資の登記申請を一人で手続きすることは難しいです。

登記申請そのものは特別な資格が求められるわけではなく一人で行っても構いません。

法務局のホームページから必要書類をダウンロードして法務局で手続きをします。

しかし、きちんと受理されるような、正確な書類の作成は素人には困難な作業です。

書類の作成はとても煩雑な作業であり、間違えるケースはよくあります。

時間がかかってしまい、登記申請を終えるまで他の業務に取り組めなくなるでしょう。

書類にミスがあれば訂正する必要があり余計に時間がかかります。

専門家に依頼するのが良い

増資のための手続きを専門家に依頼するならば司法書士に任せましょう。

司法書士は書類作成のプロであり、増資の手続きにも対応します。

必要な情報や書類を司法書士に任せれば、後の手続きはすべて担当してくれるのです。

正確で素早い手続きが可能となり、増資の手続きに関する不安は解消されます。

法人化のための増資については、税理士に相談することも可能です。

税理士であれば、単に書類作成をするだけではなく、増資のメリット・デメリットについても説明してくれます。

増資をする際に注意するべき点などもきちんとアドバイスしてくれるでしょう。

このように専門家はとても頼りになる存在のため、依頼を検討すると良いです。

ポイント

・増資するためには募集する株式に関する決議が必要。
・増資のためには登記申請する必要があり一人で行うのは大変。
・司法書士や税理士といった専門家であれば増資の手続きをサポートしてくれる。

増資して法人化をするなら

増資をすれば会社にとって大切な資本金を増やすことができます。

資本金が増えることで会社の運営力や社会的信頼度を高めることが可能です。

営業や融資の審査においても有利になります。

資本金を増やすことで倒産のリスクを軽減できるのもメリットです。

返済の必要がない資本金が増えることは、このようにさまざまなメリットがあります。

ただし、増資するためにはさまざまな手続きが発生するため注意しましょう。

一人で手続きをするのはハードルが高く苦労します。

そんなときには専門家を頼ると良く、その際におすすめできるのが経営サポートプラスアルファです。

経営サポートプラスアルファであれば、増資の相談から手続きの代行まで対応します。

増資して法人化することを検討している方は、ぜひ経営サポートプラスアルファにご相談ください。