株式会社を1円で作れると聞いたことのある人は多いでしょう。
しかし、1円で株式会社を設立するのはリスクがあるのではないか不安になる人は多いです。
そこで、1円株式会社の作り方からリスク、知っておきたいポイントまで解説します。
目次
1円で株式会社を作るとは？
そもそも株式会社を1円で作るとはどういうことなのか解説しましょう。
資本金1円でも株式会社を作れる
会社法が2006年に改正されたことによって、資本金1円でも株式会社を設立できるようになりました。
2006年の会社法改正では、会社設立のハードルを下げることを狙いとして資本金の最低金額が1円になったのです。
それまでは資本金は最低1,000万円必要とされていました。
今では1円から設立できるため、誰でも気軽に株式会社を作れるようになったのです。
実際に1円で起業をするケースは少なくありません。
1円株式会社でも会社設立の手続きには費用がかかる
たとえ1円株式会社でも会社設立の手続きそのものには費用がかかるため注意しましょう。
設立の手続きを進めるために、定款の収入印紙代や定款の認証手数料、登録免許税といった費用がかかります。
それらを合計すると設立にかかる費用は約25万円です。
資本金は後から増資することができる
たとえ資本金1円で会社を設立したとしても、資本金は後からいつでも増資することができます。
株式会社の場合は、株式を発行することで出資を受けることができるのです。
増資をした場合は2週間以内に登記変更の手続きが必要です。
違反すると過料の制裁があるため注意しましょう。過料は代表者個人が支払うことになります。
資本金1円で株式会社を作る理由
それではどうして資本金1円で株式会社を作ろうとするケースがあるのでしょうか。
それには下記のような理由を考えることができます。
- ◆初期費用を抑えるため
- ◆消費税の免税を受けるため
- ◆とにかく早く株式会社を設立したいため
株式会社を設立する際の初期費用を抑えるために資本金1円で起業するケースは少なくありません。
また、資本金を1円にすることで消費税の免税を受けたいというケースもあります。
資本金は1,000万円以下であれば最初の2年間は消費税がかからないのです。
個人事業をしていて、とにかく早く株式会社を設立して法人の恩恵を得たいというケースもあります。
基本的にビジネスを進める上で株式会社の方が有利な場面はたくさんあり、節税対策もしやすいのです。
このような理由から資本金1円で株式会社を作るケースがあります。
株式会社における資本金の役割
株式会社における資本金の意味について解説します。
事業を進めるための元手が資本金
資本金とは事業を進めるための元手となるお金のことです。
どのような事業を始めるにしても資金は必要になります。
それが資本金であり、会社を設立する際には資本金の払込みをしなければいけません。
会社がそれまでに出資を受けた金額の合計が資本金です。
したがって、資本金は会社の売上や業績とは直接関係しません。
どれだけ事業で成功して利益を得たとしても資本金は変わらないです。
資本金は自己資金を投じるケースがほとんど
大企業の場合は株式を発行して多くの資金を集められます。
しかし、多くの企業は、自己資金を投じて資本金を用意しているケースがほとんどです。
まだ何の実績もない会社に多くの資金を投資する人は少ないからです。
資本金は企業規模や安定性の目安とされている
一般的に資本金は企業の規模を示すとされています。
事業規模が大きくなるほど多くの資金を集める必要があるからです。
また、事業の安定性の目安ともされています。
資本金が多ければ、運転資金が多いため、安定して事業を進められると考えられるのです。
会社設立時の資本金の平均は約300万円
資本金の金額はそれぞれの企業毎に大きく異なっています。
ただし、一般的には会社設立時の資本金の平均は300万円程度です。
製造業や金融業などは多くの資金が必要とされるため、資本金は大きくなります。
一方、IT業界などのように少ない設備投資でも事業を始められるケースでは資本金は少なくなるのです。
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1円株式会社の作り方
これから1円株式会社を設立するための方法を説明します。
発起人の個人口座に資本金を振り込む資本金払い込みの手続きが必要
株式会社を設立する際には資本金の払込みという手続きが必要です。
具体的には発起人の個人口座に資本金を振込む必要があります。
会社設立前には法人口座を開設できないため、一時的に発起人の口座に入金しておくのです。
資本金1円で株式会社を設立する場合は1円を振り込めば良い
資本金の金額は、発起人の個人口座に振り込まれた金額で決まります。
したがって、資本金を1円にしたいのであれば、1円だけ口座に振り込めば良いです。
基本的にどんな金融機関でも振込は1円から行うことができます。
資本金を1円にするリスク
1円で株式会社を起業したときのリスクについて紹介しましょう。
銀行から融資を得る際に不利になる
株式会社を設立して銀行から融資を得る際には資本金が1円だと不利になるケースがあります。
銀行融資において特に重視されるのが自己資本比率です。
自己資本比率とは総資本に対して自己資本がどのくらいの割合であるのか示したものです。
もし資本金が1円であれば自己資本比率はどうしても低くなります。
そのため、銀行融資の審査で落とされる可能性が高くなるでしょう。
自己資本の割合が低いと借金の返済能力が低いとみなされるのです。
社会的な信用が低くなる
資本金が少ないと社会的な信用が低くなるのもデメリットです。
資本金の金額は登記簿謄本に記載されているため、誰でもチェックできます。
事業を行う上で取引先や関係者から資本金1円だと信用されないことがあるのです。
不測の事態に対応できないと思われます。
そのような会社とはリスクがあるため取引したくないと感じるのは仕方のないことです。
従業員を雇う際にも不利になる
求人広告を出しても資本金1円だと敬遠される可能性があります。
求職者は安定した経営基盤のある会社で働きたいと考えるのが一般的です。
毎月きちんと給与を出してくれて、福利厚生も充実していることを望んでいます。
資本金が少ないと待遇が悪くなるというイメージがあるため、1円で起業すると従業員の雇用で不利になる場面が多いでしょう。
資本金がたくさんある企業に入りたいと考える求職者はたくさんいます。
赤字になると事業の継続が難しくなる
資本金が1円の状態で赤字になると事業の継続が困難になります。
赤字になればすぐ債務超過となり信用に影響するでしょう。
銀行からの融資も困難になります。
資金繰りに苦労すれば、事業を続けるのが難しくなり倒産する可能性も出てくるのです。
資本金1円で株式会社を作る際のポイント
これから資本金1円で株式会社を作る場合のポイントを紹介しましょう。
会社設立後の資金繰りに注意する
資本金1円では会社設立後に融資を得るのが難しくなります。
融資の審査でかなり不利になるからです。
資本金1円では運転資金が不足しやすくすぐ赤字になる可能性もあります。
また、資本金1円だと万が一のトラブルの際に対応できず借金を抱えるケースもあるのです。
資本金1円では資金繰りで苦労する場面がたくさん出てくるため注意しましょう。
しっかりと事業計画を立てておく
1円株式会社を作る場合は、資本金1円でもきちんとビジネスを進められるように事業計画を立てることが大切です。
たとえば、ほとんど設備投資がかからず、ランニングコストも少ない事業計画を立てているならばリスクは低くなります。
ただし、起業してすぐに仕事を得ることができないと売上が生じず、赤字経営に陥ってしまうでしょう。
すぐに案件を獲得して売上を得られるような目処のある事業計画を考えることが重要です。
人脈を作るなどして集客の目処を立てておく
資本金1円の場合は、すぐに集客をして依頼を集めて売上を獲得することが大切です。
そのためには事前に人脈を作っておくことをおすすめします。
たとえば、勤めていた会社の同僚や取引先の人たちなどと人脈を作っておき、独立後に仕事を回してもらうのです。
そうすれば、起業してすぐに多くの仕事を得ることができ、売上を獲得できます。
セミナーや勉強会などのイベントに参加をして、いろいろな人と知り合いになり人脈を広げるのも有効です。
起業をする前から人脈を広げるための努力をしておきましょう。
そして、集客の目処をある程度立てておくことが大切です。
そうすれば資本金1円で株式会社を設立しても、リスクを減らすことができます。
専門家に相談をしてサポートを受けた方が良い
1円株式会社を作りたいならば、あらかじめ専門家に相談をしてサポートを受けることをおすすめします。
自分たちだけで考えて作る場合、さまざまなリスクへの対策を怠るケースがあるからです。
きちんとリスクを理解した上で1円株式会社を作らないと設立後にいろいろなトラブルが起きる可能性があります。
専門家に相談すれば、リスクのない1円株式会社の作り方を教わることができるでしょう。
これから1円株式会社を作りたい方は経営サポートプラスアルファにご相談ください。
事業計画の立て方や資金集めといった点にも対応できます。
お気軽に経営サポートプラスアルファまでお問い合わせください。
1円株式会社を作るならば専門家に相談しよう
1円株式会社は資本金1円の会社であり、気軽に設立できるのがメリットです。
ただし、資本金1円ではさまざまなリスクがあるため注意しましょう。
事前に専門家に相談した上で、さまざまな対策を講じて1円株式会社を作るべきです。
1円株式会社の作り方が気になる方は経営サポートプラスアルファにお問い合わせください。
経営サポートプラスアルファであれば、さまざまな目的に合った株式会社設立をサポートできます。
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