税理士はストレスがたまる職業?よくある不安や対処法とは

2020年10月3日

税理士といえば、難易度の高い科目が複数ある税理士試験を突破しなければなることができない難関資格です。

一発で全科目受かる人は非常に少なく、税理士事務所で実務を学びながら税理士資格の獲得を目指す人も多いです。

しかし、このような難関資格の税理士であっても、当然ながら「税理士になったからあとは人生余裕」というわけではありません。

税理士は非常にストレスのかかることが多い職業です。

今回は、税理士として働いていてストレスに悩まれている人、税理士を目指しているが職場環境に不安を感じている人に向けて、ストレス解消法やオススメの転職先などを紹介します。

税理士のストレスがたまる要因にはどんなものがある?

税理士は安定した給料がもらえることで多くの人が憧れる職業ですが、ストレスも非常に多いです。

主な要因としては、以下のようなものがあります。

クライアントの勝手に付き合わされる

税理士の主な仕事は、中小企業の経理・決算業務や個人の確定申告業務です。

つまり、税金に関する処理を依頼してくれるクライアントあっての税理士なのです。

このため、クライアントの勝手に付き合わされ、疲弊してしまうことがあります。

具体的には、以下のようなクライアントがいます。

主張の強いクライアント

税理士の主なクライアントは、中小企業の社長です。

しかし、中小企業の社長の中には適法の範囲を超えるような無理な節税を要求してくる人物や、自己主張が強すぎる人物が多く、しばしば税理士と対立することがあります。

不正な資料を提出するクライアント

クライアントの中には、架空の人件費を計上したり売上の一部を除外したりした資料を税理士に提出して、脱税を図ろうとする人もいます。

こうした資料を提出された税理士は、それ訂正したりクライアントに事実関係を確認しなければならないため、余計な工数がかかってしまいます。

申告期限ギリギリまで資料を提出しないクライアント

税理士は、基本的にはクライアントからもらった資料をもとに、決算書や各種申告書を作成します。

このため、資料を申告期限ギリギリまで提出しないようなクライアントがいると、税理士側としてもその分ギリギリに急いで対応をしなければならず、ストレスが溜まることが多いです。

申告期限を1日でもすぎると無申告加算税という税金が余計にかさんでしまうため、クライアントからクレームがきてしまいます。

上記のように、様々なクライアントに振り回されてしまうことで、税理士はストレスが溜まりやすいです。

「そんなクライアントと取引をしなければいい」と思う方もいるかもしれませんが、小規模な税理士事務所ではクライアントをえり好みすることができないのが現実です。

総括すると、税理士の業務特性上、クライアント>税理士という上限関係が生まれやすいのが、税理士のストレスの根源であると言えます。

ミスで失注に繋がってしまう

税理士は、ひとことで言えば「クライアントのお金の管理をする」仕事です。

このため、1円単位でもミスをすることは許されません。

税理士がもし税務においてミスをすると、税務署からクライアントに指摘がいき、延滞税を支払わなければなりません。

このようなミスが続くと、クライアントの失注に繋がります。

また、税理士側でのミスでクライアントに延滞税が生じた場合、税理士事務所がその費用を負担することになります。

このため、上司からも怒られてしまいます。

繁忙期がとても忙しい

税理士の主な業務は企業の決算業務と個人の確定申告ですが、どちらも時期が固まっています。

確定申告は毎年12月締めであり、企業の決算月は3月が多いです。

このため、明確に繁忙期が決まっており、繁忙期は残業時間が非常に多くなります。

このためプライベートとの両立が難しく、ストレスが溜まりやすいです。

ワンマン所長に振り回される

中規模・小規模な税理士事務所では、世襲で所長をやっていたり、若くして独立したことで自分に自信を持っているワンマン色の強い所長がいることがあります。

こうした所長がいる税理士事務所に就職してしまうと、執拗なパワハラを受けるなど、人間関係に悩む可能性が高いです。

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今後、税理士を続けていく中で起りえる不安

税理士は現状安定した職業として人気ですが、必ずしも今後も安定し続けるとは限りません。

税理士を続けていく中で考えられる不安としては、以下のようなものがあります。

将来の職が不安になる

税理士は、難関の国家資格ですが、現在はインターネットサービスの台頭で、ネット上で確定申告ができるサービスなどが増えてきています。

このため、将来はAIなどに取って代わられるリスクがあるのです。

このように、税理士という職業自体がなくなってしまう不安を感じている税理士は多いです。

また、そもそも不景気により税理士の主なクライアントであった中小企業が淘汰されつつあります。

税理士が増えていってしまう

現在、税理士の資格を取得する方法が多様化しており、たとえば弁護士資格や公認会計士資格を持っている人であれば、税理士会に登録するだけで税理士として活動できます。

また、税理士には定年退職がありません。

こうした背景から、税理士の数がどんどん増加傾向にあり、顧客の奪い合いになっている現状があります。

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税理士のストレスや不安への対処法

ストレスを抱えやすい税理士だからこそ、ストレスや不安にうまく対処することは非常に重要です。

ここでは、うまくストレスと付き合いながら税理士を続けていくコツについて紹介します。

スケジュール管理を徹底しお客様と平等な付き合いを心がける

明確な繁忙期がある税理士にとっては、スケジュール管理は命です。

ただでさえ不測の事態が起きやすい繁忙期にスケジュールが後ろ倒しになってしまえば、残業時間が大幅に増えてしまいます。

あらかじめしっかりと作業のスケジュールを作成し、クライアントに多少嫌がられても必要な資料は細かく催促することが重要です。

また、スケジュール管理が上手い人は、「スケジュールのBパターン」を作るのが得意です。

作業やクライアントからの資料回収が思うように進まなかったときのスケジュールをあらかじめ作っておくと、いざ不測の事態が起こったときも冷静に対処することができます。

ストレス解消できる趣味を探す

自分が没頭でき、ストレスを解消できるような趣味を探すのもうまく税理士を続けていくためには必要なスキルです。

一定以上の勤続年数がある税理士であれば年収も平均よりは大きく上回っているため、多少お金のかかる趣味であってもはじめることができると思います。

転職する

税理士として働いていて感じるストレスが、仕事そのものでなく所長のパワハラなど、人間関係に起因する場合は、別の税理士事務所に転職してしまうというのも一つの手です。

税理士を辞めたい!そんなときは?

スケジュール管理を徹底したり、自分にあった趣味を見つけていたりしても、税理士として働くことのストレスに耐えきれないことがあるかもしれません。

特に、健康診断で異常がないのに体に支障をきたしたり、朝どうしても起きれなくなってしまった場合には、赤信号です。

そんな時は、転職するのがおすすめです。

税理士は税務に関する知識があるだけでなく、「税理士という難関資格をとるだけの努力をした」という実績があるため、転職における市場価値は高いです。

経理として転職する

税理士としてのスキルを活かすなら、企業の経理として転職するのがおすすめです。

企業の経理として転職するメリット

企業の経理として転職するメリットは、安定した収入を得ながら税理士のスキルを最大限活かせることです。

また、決算期前は繁忙期にはなりますが、税理士の繁忙期よりは残業時間を抑えて仕事ができる可能性が高いです。

企業の経理として転職するデメリット

企業の経理として転職した場合、経理業務の一部のみが任されることになってしまい、税理士としてのスキルを最大限活用できない可能性があります。

開業する

税理士として雇われることでストレスを感じている場合には、独立するのも一つの手です。

開業するメリット

開業することで、自分がその税理士事務所のトップになります。

このため、上司・所長からの圧力やパワハラを受けることはありません。

また、開業して成功すれば、税理士として事務所に勤めていた時よりもはるかに高い収入を得ることができます。

開業するデメリット

十分なクライアントを獲得できる見込みがない場合、開業して成功する可能性は低いです。

開業して失敗してしまった場合、多額の借金を負う可能性もあります。

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まとめ

税理士は、仕事の特性上非常にストレスの溜まりやすい職業です。

ストレスと付き合いながら税理士を続けることが難しくなった場合には、転職を考えるのもおすすめです。

もし、会計業界で転職を目指すのであれば、ベストベンチャーに選出された成長中の企業、当社「経営サポートプラスアルファ」がおすすめです。

大手にはないスピード感や風通しの良さ、成長できる環境が特徴です。

多くの業務を担当でき、裁量権もあるので、自分でストレスコントロールできる環境だと言えます。

ぜひ考えてみてくださいね。

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