税理士の将来性は不安?~今後生き残るための3つの柱~
2020年10月3日
近年不況やAIの発達によって、税理士の仕事がなくなるかもしれないと言われています。
そこで今回の記事では税理士の将来性はあるのかどうか?そして今後税理士がどのような状況に陥っていくのかを解説していきます。
Contents
税理士の現状は?仕事がなくなるって本当?
現状税理士の仕事はどんどん少なくなってきており、従来通りの税理士のメインの仕事である「税務処理」の需要がどんどん減ってきているのは事実です。
不況やAIの発達、便利な会計ソフトの発達によって少しの勉強と経験で帳簿を付けることができるようになっています。
税理士の仕事が急速に減少していっている
税理士の仕事が急速にこのまま減り続けたらどうなってしまうのか気になります。
実はヨーロッパのバルト3国のうちの1つであるエストニアでは会計士と税理士という仕事がなくなってしまいました。
その背景には3つの理由があります。
・税制の簡便化
・エストニアの人口統一
エストニアは政府の政策により、ばらばらに住んでいる国民を統一するために電子化政策を実施しました。
それに加えて法人税は配当を出す場合は20%、配当を出さない場合は0%という極端に簡便化することにより複雑な税務処理の必要がなくなりました。
このことから日本国内では税制が日々複雑化しており、かなり専門的な知識を必要としているので、極端に簡便化されない限りは税理士の仕事がなくなることはありません。
税理士に対するニーズの変化(AIの影響)
税務処理が誰でもできるようになっていくにつれて、税理士に求められる役割が変わってきています。
AIの導入により数字を分析するだけならば税理士は必要なくなっています。
そのため従来のような税務処理だけでなく、より経営面でのコンサルタントが重要視されているのが現状になります。
人間にしかできない思考力、丁寧なコミュニケーションやクライアント意向をくみ取るような対応力を身に着ける必要があります。
会計ソフトの発展
税務処理の簡便化は会計ソフトの発展によることも起因しています。
最近会計ソフトは自動で仕分けを取り込んでくれるシステムや、レシートを読み込むだけで仕分けを打ち込んでくれるサービスなどかなり便利になっています。
また、確定申告なども簡単なものなら会計ソフトを利用すれば素人の方でもすぐにできてしまいます。
税理士の仕事を今後続けていくための3つの柱
税理士の業務を今後も続けていくには重要な柱が3つあります。
・1個の顧客に固執しすぎない
・税務分野以外の知識を得る
クライアントの関係もこれまでのような漫然と税務処理だけをしていては継続していかないです。
そこで、税理士として顧客に何ができるのか、という点で付加価値を見出していくことが重要になってきます。
クライアントの継続的な関係を築く
クライアントとの関係を継続的に築き上げることは何よりも大切です。
最も必要なのが「クライアントのニーズに応えること」です。
クライアントのニーズが単なる税務処理、節税対策だけからだんだんと経営面のコンサルティングに変化しています。
経営面でのコンサルティングに必要になってくるのはクライアントが何を求めているか察するコミュニケーション能力、ヒアリング能力です。
クライアントは自身の課題が具体的に把握できていません。
そこで税理士はクライアントが本当は何を求めているのかを聞き出す能力が問われてくるようになっています。
以前のように税理士本位の仕事の仕方では通用しなくなっているのが現状です。
1つの顧問先の負担を減らしていく
大企業などの非常に大きい顧問先は別ですが、中小企業などのあまり顧問料が高くないところはいかに負担を減らせるかも非常に重要です。
1時間当たりの顧問料を考えながら作業をしていくのは一つの手です。
1時間当たり目標は1万円、最低でも5000円を切るようなら仕事のやり方を考え直す必要があります。
手を抜くのではなく、効率よくコストパフォーマンスをある程度意識して仕事に取り組むことも今後は必要になっていきます。
税務分野以外の知識を獲得
今後税理士は税務のことだけ知っていれば問題ない、というのはあり得ないと思ったほうがいいです。
税務関連の知識はもちろんですが、それ以外にクライアントにどんな知識を提供でき、アドバイスとしていくことができるのかというのは非常に大切な分野になります。
税理士の資格とは別に「中小企業診断士」の資格を取ることなどがおすすめです。
もちろん、この資格に限りませんが、少しでもスキルの切り口をたくさん持っていることが重要なのです。
税理士は今後どうなっていくか
税理士は今後AIの導入や景気のあおりを受けてどのように変化していくでしょうか?
専門性or万能性の2極化
VUCA時代を生き残っていく税理士は今後2極化することが考えられます。
・より幅広い知識を持つようになる
例えば、税理士は今後税務に関する業務でもより専門性を問われていくと考えられます。
より専門性が高まる税理士は顧客のニーズに合っていくとも言えます。
例えば、すでに現時点でも相続、インターネットビジネスなどに特化している税理士も多数存在しておりその傾向は今後より強くなっていきます。
1つの分野を極め、その税理士だけの強みを作ることこそが、将来性という意味ではかなり高いと言えます。
もしくはその逆で税務知識に限らない幅広い知識をもった税理士というのも求められています。
こちらは税理士という職業にとらわれずに、シンクタンクなどのコンサルティングに大きく関わるようになるでしょう。
海外の事業も増えてくる
海外の事業に特化した税理士も多数いますが、より国ごとに特化してくることが考えられます。
中国に特化している税理士、アフリカに特化している税理士などそれぞれの国ごとに特化していることがさらに必要になってくることが予測されます。
海外言語を話すスキルや文化に対応できるスキルや様々なものが求められます。
税理士のこれまでのような仕事はなくなる
税理士の今後の展望について解説してきましたが、1つ確かなことは「従来の税理士としての仕事では将来性はない」ことです。
時代の変化に合わせることももちろんですが、税理士本位の仕事をしていたらあっという間に顧問先は離れていきます。
また、税理士の後継者不足というのも非常に申告な問題です。
単純に税理士の数も年々減ってきているのに加えて、高齢な税理士の方で後継ぎがいないために税理士事務所を閉めてしまうというのもよく聞きます。
昔から開業されている税理士事務所なんかは顧客も中小企業でもかなり規模の大きいところも多数あります。
そのような税理士事務所を目指して今後若い人材が税理士を目指していくのも方法としては一つの選択肢でしょう。
税理士としての将来性が不安
これまで税理士としての将来性について解説していきましたが、それでもまだ不安はぬぐえない方もいると思います。
そこで、税理士としての経験を無駄にせずより時代のニーズに合った選択肢を解説します。
・税理士の経験を活かし大企業で経理を行う
大事なのは「税理士として働くことにこだわりすぎない」ことです。
あまりにも「税理士」としての形にこだわりすぎると自分の将来性を狭めてしまう可能性があります。
他の仕事に転職することでより自分自身の可能性は広がっていきます。
税理士としての経験は絶対に無駄にはならないですし、税務に関してはプロフェッショナルなので需要は絶対になくなることはありません。
例えば、税理士としての資格、経験を生かしてよりクライアントの要求に応じやすいコンサルティングに転職することも1つの選択肢です。
そのためにはスキルアップなどが必須になってきます。
スキルアップするためにはどうしたら良いのか。
最も手っ取り早いのが、ベンチャー企業への転職です。
例えば、当社「経営サポートプラスアルファ」は、会計業界で唯一ベストベンチャーに選出された優良企業です。
「日々単純業務ばかりで市場価値が上がっている実感がない」「日々のタスクや業務に追われ、全く成長できていない」という方はぜひ当社への転職を考えて欲しいと思います。
0→100まで多くの業務ができる環境ですので、税理士としての価値を挙げたり、単純作業で終わらない業務を完了させることが可能です。
まとめ
今回は税理士の将来性について説明していきました。
今まで通りの税理士としての仕事では淘汰される可能性が高く、「専門知識を磨く」「コミュニケーション能力を高める」など自分自身をより磨いていくことが必須になっています。
また、税理士として働くことに固執するのではなく、今までの税理士としての経験は他の仕事に生かしやすいということも念頭に置いておいてください。
より顧客のニーズに応えられるコンサルティングに転職するもいいですし、どこかの企業で経理として働くのもいいと思います。
あなた自身の可能性を考えるうえで、「税理士」にこだわりすぎるのではなく1つの選択肢として捉えることでより可能性は広がっていきます。