簿記が役立つ求人はある?簿記取得のメリットや求人例などを紹介
2020年09月28日
簿記資格は会計の基礎知識として、広く知られている資格の1つです。
大学在学中に取ったけど転職では使えるの?転職する前に取っておいた方がいい?と疑問に思う方もいるでしょう。
転職を考えているのであれば少しでも自分に有利になる情報を知りたいと思うはずです。
今回は簿記が求人に役立つかどうかについて、メリットや求人例などをご紹介していきます。
簿記は求人で優遇されているの?
結論から先に言いますと、簿記が優遇されている求人はあります。
経理関係の仕事では必須条件に入れている所も少なからずあり、転職に役立つでしょう。
ただし、簿記を持っている人が絶対的に有利とまでは言い切れないのが現状です。
転職先との相性や求める人材がマッチしていなければ、当然そこへの転職は難しいでしょうし、経理経験がある人の方がが優遇されるケースもあります。
簿記はいくつかあるアピールポイントの1つ、という心持ちの方が良いかもしれません。
簿記を持っていれば実務未経験者でも経理部や会計に携わる部署に所属することが可能です。
今とは違う経理関係の職種で働きたい、という方にとっては向いている資格かもしれません。
ただし、年代が上がるにつれて簿記のみをアピールした転職は難しくなっていきます。
20代~30代前半までは「ポテンシャル採用」という将来性を期待されて採用されるケースが多いのですが、30代後半になってくると厳しいです。
前職でのポストや実務経験を重視する転職先も多く、簿記だけでなくその他のスキルや経験もアピールする必要があります。
簿記は何級から評価される?
簿記は4段階あるのをご存じですか?
段階的に難易度は上がりますが、どの級から転職では評価されているのでしょうか?
この疑問にお答えしていきます。
簿記初級
簿記初級は2017年にできた比較的新しい級です。
認知度が低く、その他の級と比較しても入門としての立ち位置であるため、転職で優遇される確率は低いでしょう。
場合によっては、履歴書に書かない方が良いことも考えられます。
簿記3級
簿記3級は初級に比べ難易度は上がりますが、まだまだ基本的な商業簿記の修得を促しています。
対応分野が比較的狭く、一応求人に簿記3級を記載している所はありますがそこまで多くはないです。
物足りなさが残ってしまう級でもありますので、転職で役立てるには他のスキルや経験などと組み合わせるなど、アピール方法を工夫した方がいいかもしれません。
簿記2級
簿記2級はさらに学ぶべき範囲が広がり、商業簿記と工業簿記のを含んだ2種類が試験範囲です。
会計知識を網羅しているとみなされ、求人でも必須条件として定めていることもあります。
基本的には経験者が優遇される経理などでも、財務会計に携わる人材が足りていないため、実務未経験でも簿記2級取得者であれば採用される確率が上がっているようです。
簿記1級
簿記1級は商業簿記と会計学、工業簿記と原価計算の2つの試験に合格する必要がある一番難易度の高い簿記試験になります。
一番の特徴は、合格することで税理士試験の受験資格が得られることです。
税理士としてのキャリアを考えている方は、前準備として受験してみてもいいかもしれません。
ただ、求人に関して言うと必須条件として定める求人は少ないです。
求人の文面として多いのは「簿記2級以上」「簿記2級必須・簿記1級歓迎」など、基本的には簿記2級と1級でひとくくりにされているケースが目立ちます。
簿記取得のメリット
簿記を転職時にアピールポイントとして使うのであれば、自分でもメリットを理解しておいた方がいいでしょう。
簿記取得のメリットについて説明していきます。
会計職でアピールポイントになる
簿記は財務諸表を読み取る力や帳簿付けの正しい方法など、実務でスグに使える実践的な能力が身につきます。
会計のノウハウをある程度持っていることを示すことに繋がり、会計職に就く際の強みとしてアピールできるでしょう。
また、簿記の試験を突破できたと言うことは、会計職へ適性があることも同時に示すことができます。
職場へのミスマッチを防ぐことにも繋がり、より前向きな判断をしてもらいやすくなるかもしれません。
女性の転職に役立つ
出産や育児など、どうしてもライフスタイルが変化しがちな女性の転職では、簿記を取得しておくのはオススメです。
もともと簿記は経理の人手不足などの影響で、全国各地で資格の需要が高くなっています。
加えて、簿記を最大限に活かせる職場は経理などの事務作業が中心になっています。
事務職は女性が多数活躍しており、出産や育児に理解のある職場も多いです。
そのため、復職を考えている方が転職しやすい環境が比較的整っています。
これらの職場では年齢に限らず、経験やスキルを重視されるため、簿記資格を持っていることはアドバンテージになると考えられます。
税理士や公認会計士試験の勉強にも繋がる
簿記は会計知識のベースとなる部分なため、その他の資格にも役立ちます。
税理士資格や公認会計士資格などは簿記会計の知識が必須です。
簿記試験に合格し自信をつけてから、これらの勉強を始めるものいいかもしれません。
また、税理士試験では簿記1級の合格で受験資格が得られます。
その他にも学歴や職歴などでも受験資格は取得できますが、条件によっては時間もかかってしまいます。
もし簿記1級を持っているのであれば、キャリアアップのために税理士を目指して勉強するのも良いかもしれません。
簿記の求人が出ている職種
簿記を優遇している求人にはどのようなものがあるのでしょうか?
具体的な求人についてご紹介します。
一般企業(経理)
まず、簿記の転職で一番名前が挙がるのが一般企業の経理部です。
財務諸表や決算資料の作成、帳簿付けなど簿記で学んだ内容と合致する業務が多くなっています。
そのため、実務ですぐに実践できるスキルを持った簿記合格者は重宝されています。
簿記を最大限に活かして転職したい方には、最適な職種だと言えるでしょう。
税理士事務所・会計事務所
税務や会計業務を扱う税理士事務所や会計事務所でも、簿記知識が必要です。
税理士事務所や会計事務所では、税理士を中心に業務が進められています。
簿記取得者であれば税理士補助という立場で働くことになり、書類作成や記帳代行などの業務が主です。
税理士を目指したいと思っている方などは、税理士の仕事ぶりを間近で見ながら実務経験を積んだり勉強したりできるので適しているかもしれません。
一般企業(財務)
経理部と同じく財務部でも簿記が役立つ分野です。
財務部での業務は、資金調達から運用、財務戦略を計画するなどであり、経営資源をどのように利用するかに焦点が置かれている部署だと言えます。
経理部とは違い簿記の内容を直接使えるわけではありませんが、基本事項として簿記知識を押さえておく必要があります。
会計知識を得るという面で、簿記の勉強をしておくと有利に働くでしょう。
その他の職種
営業や総務など、その他の職種でも簿記知識は持っているに超したことはありません。
経済活動には必ずお金が関わってくるので、何かしらで役立てることはできるでしょう。
しかし、間接的なものになってしまうため、決定打にはなりません。
また、面接などの際に簿記を持っていて会計職に就かないとなると、転職先によっては理由を聞かれる可能性もあります。
もちろん持っていて損はない資格ですので、自分が志望する職種と関連づけながらアピールすると良いかもしれません。
年代別の簿記転職事情
簿記は転職に有利になるとはいえ、年齢や経験などによって扱いは変わってきます。
年代別の簿記が活用できる求人を踏まえて、簿記転職の実態を把握していきましょう。
簿記求人について
転職で重宝されるのは基本的に簿記2級からです。
求人数も他の級と比べて多く、必須条件として組み込まれていることもあります。
もちろん、簿記1級を持っていればよりアピールすることができます。
20代
若い20代の転職では将来性を期待して雇うケースがほとんどです。
上の年代の転職と比較すると経験が乏しくても求められる傾向にあります。
近年の人手不足の影響も相まって、実務未経験でも十分に採用される可能性があるでしょう。
20代の転職では簿記資格のようにスキルを持った人材は、これからの成長が期待できるため有利に働くと考えられます。
30代
転職市場では30代前半までが、最も市場価値が高いと言われています。
これまでの経験を将来的に活用してくれるという点で転職で求められているようです。
実務経験がある方にとって、経理職への転職は開かれた環境にあると言えます。
一方で、もし実務未経験で新しく経理の仕事に就きたい場合には多少難易度が上がると言わざるを得ません。
ただし、経理職では人手が足りていませんので、未経験者でも好条件の転職先を見つけられると考えられます。
40代
厳しい話をしてしまうと、転職において年齢で見送られるという自体は珍しくありません。
20代、30代に比べると畑違いの分野への転職はより難しくなり、リスクも大きくなります。
好条件の転職先を探すのであれば、簿記だけでなくその他のスキルでのアピールが重要です。
まとめ
今回は簿記の求人について情報をまとめました。
簡単にまとめると、重要なポイントは以下の通りになります。
✓簿記を優遇している求人はあるが、簿記があれば転職成功するとまでは言えない
✓求人で求められている簿記レベルは2級から
✓簿記を取得するメリットは①会計職でアピールポイントになる②女性の転職に役立つ③税理士や公認会計士試験の勉強に繋がること
✓簿記が役立つ求人としては、一般企業の経理部や財務部、税理士事務所・会計事務所などが挙げられる
✓20代は比較的簿記のみでも実務未経験でも転職しやすい
✓30代は実務経験があれば経理職には有利で、未経験ならば少し転職の難易度は上がる
✓40代は実務未経験で好条件の転職は難しい側面がある
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