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会社設立時の事業目的の書き方とは?書き過ぎるとどうなるの?

事業目的は会社の顔とも言える部分です。会社設立後の取引や融資の際は必ず見られ、どんなことをしている会社なのかをそこで判断します。

本記事では、この重要な事業目的を決めるうえで大切な要素についてまとめました。

起業に必要な「事業目的」とは

法人登記のための書類の一つに、「定款」があります。定款には、会社が行う事業をあらわす「事業目的」を記載する必要があり、会社の事業活動は、記載された事業目的の範囲内で行われなければなりません

何をする会社かを定款に記載する

定款に事業目的を記載するのは、この会社が一体何をする会社なのかを明確にするためです。

民法第34条では、「法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。」と規定されているので、その権利や義務を明確にするために、目的の範囲をあらかじめ定めておく必要があるのです。

事業目的は、会社の事業が一目で分かるよう、なるべく具体的に記載します。例えば、「食べものを扱うこと」に関係する事業とひと口に言っても、

  • 飲食店業
  • 仕出し弁当の製造、販売
  • 食料品、酒類、清涼飲料水、医薬品、新聞、書籍及び日用品雑貨の販売
  • スーパーマーケットの経営
  • 割烹店、レストラン等の配膳

などの様々な事業目的が挙げられることから、ほかの業種との混同を防ぐため、適切な目的を設定します。

ポイント

・定款には事業目的を記載する必要がある。
・会社の事業は記載された事業目的の範囲内で行う。
・事業目的は会社の事業が一目で分かるように具体的に設定する。

事業目的を決めるために

事業目的を決める際に注意すべき点は、「明確性」「営利性」「合法性」があること、将来的に実施する事業についてもカバーできるようにすること、加えて、事業の内容に許認可を要するものが含まれている場合は、その業種を事業目的として記載しておくことです。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

「明確性」「営利性」「合法性」の三要素を明らかにする

事業目的を決めるにあたっては、会社の軸となる事業を検討し、「明確性」「営利性」「合法性」の三要素を明らかにする必要があります

明確性

事業目的の明確性とは、何をしている会社なのかを明確にすることを指します。

融資を受ける場合や新しい取引を開始する際など、銀行や取引相手に事業目的を確認されることがありますが、その際、事業目的の内容が明確性に欠けていると、信用を得られず、融資や取引に不利となる場合があります。

営利性

会社は、利益を追求する営利法人です。そのため、株式会社、合同会社などの事業目的は、営利性を持つものでなくてはいけません

営利性のない内容は事業目的として記載できず、例えば、ボランティア活動や営利を目的としない社会福祉活動などは会社の事業目的になりえません

営利目的ではない法人を設立したい場合は、特定非営利活動法人(NPO法人)や一般社団法人、一般財団法人などの形態について検討をおすすめします。

合法性

法律や公序良俗(社会的妥当性)に反した内容は事業目的として記載できません

例えば、法律で取り扱いが禁止されている品物の売買、刑罰の対象となる詐欺や暴行、賭博などを事業として行うことなどがこれに当たります。

将来を見据えた事業目的を記載する

事業目的に記載する項目の数に制限はなく、また、現在行なっていないものについても事業目的として記載することができます。

そのため、事業目的には「将来行う可能性がある事業」についても記載し、事業の成長や拡大にともなう事業の内容をカバーできるようにしておくとよいでしょう。

とはいえ、事業目的を脈絡なく羅列するのは避けたほうが賢明です。

例えば、30個、40個もの事業目的を並べてしまうと、事業目的の明確性が薄れ、何をしているかわからない会社だと思われることから、融資や取引の際に不利になることも。そのため、事業目的を決める際には、主軸となる事業を5〜10個程度記載するにとどめ、これに付随するものについては「前各号に付帯関連する一切の事業」の文言で記載するのが一般的です。

事業の内容が多岐にわたる企業においては、40個以上の事業目的を記載している場合もあるため、事業目的を検討する際は、すでに類似の事業を行なっている企業の定款を参考にしてもいいでしょう

許認可業種(許認可事業)に注意!

設立する会社の業種によっては、事業を始める前に許認可を受けたり届出の提出が必要になったりするものがあります

会社として許認可が必要な事業を行う場合は、申請に際して、会社の定款を添付書類として提出する必要があり、事業目的にはその許認可を受ける内容について明記されていなくてはなりません。

許可が必要な事業の例

例えば、古着、古本などを扱う場合は「古物商」、カフェや旅行に関係する場合は「飲食店」、そのほか「一般貨物自動車運送事業」、ヘアサロンなどの場合は「理容所」「美容所」といった許認可を受けなくては営業できません。

許認可を受ける内容によっては、事業目的の文言が定型文として決まっているものもあるため、許認可が必要な業種において事業目的を記載する場合は、許認可の要件とあわせて、書きぶりについてもあらかじめ確認しておきましょう。

事業目的を決める際の注意点

たくさん書き過ぎない

事業目的はいくつ記載しても構いません。

すでに説明したように、将来的に行いたいと考えている事業も記載できるのでたくさん書くこともできるのです。

しかし、事業目的が多過ぎると対外的に「何をしている会社かわからない」という印象を持たれる可能性があります。

取引先や金融機関からの見られ方を考慮するとたくさん書き過ぎるのは避けた方が良いでしょう。

事業が増えた場合に追記すれば良いので、起業段階では5〜10個程度に留めておきどのような会社か明確に打ち出すのが適切です。

許認可業種(許認可事業)の取得義務があるかを確認するに注意!

設立する会社の業種によっては、事業を始める前に許認可を受けたり届出の提出が必要になったりするものがあります。

会社として許認可が必要な事業を行う場合は、申請に際して、会社の定款を添付書類として提出する必要があり、事業目的にはその許認可を受ける内容について明記されていなくてはなりません。

▲許可が必要な事業の例
例えば、古着、古本などを扱う場合は「古物商」、カフェや旅行に関係する場合は「飲食店」、そのほか「一般貨物自動車運送事業」、ヘアサロンなどの場合は「理容所」「美容所」といった許認可を受けなくては営業できません。

許認可を受ける内容によっては、事業目的の文言が定型文として決まっているものもあるため、許認可が必要な業種において事業目的を記載する場合は、許認可の要件とあわせて、書きぶりについてもあらかじめ確認しておきましょう。

定款の事業目的に違反するとペナルティがある

原則、会社が定款に記載のある事業目的に反して取引を行ったとしても、刑事罰や行政罰を受けることはありません。

民法に則った場合は取引が無効になるケースもあり、その場合は取引額の返還を要求されることもあるでしょう。

また、オーナー株主が会社の利益に反する行為をした際にも影響があります。

オーナー株主の利益に反する行為に対して、他の株主や債権者が「事業目的違反」を根拠に取引などの無効を訴えるケースも考えられます。

訴訟の結果、事業目的の違反が認められた場合は取引を無効にすることが可能です。

またオーナー株主の行為が明らかに利益に反していたときには特別背任罪に問われる可能性もあります。

こうしたトラブルを避けるためにも適切な事業目的にしておくことが大切です。

後で変更することも可能

会社は定款の事業目的に記載された事業しか行うことしかできません。

そのため、新しい事業を立ち上げる場合は定款の変更をする必要が出てきます。

前述したように事業目的に反する取引を行っているとトラブルに発展しかねません。

事業の方針が変わったのであれば、まずは事業目的を変更しましょう。

定款の変更は会社の本店所在地を管轄する法務局で手続きを行います。

目的変更を登記する場合、定款変更が求められてから2週間以内という期限が設けられているので注意が必要です。

また、事業目的を変更する場合の申請では、追加したい事業目的だけを書いてはいけません。

登記事項証明書に載せたい事業目的を全て記載しないと、すでに登記のあった目的が削除されてしまうのです。

変更の際には登録免許税の3万円が必要なので、なるべくまとめて手続きをするのが良いでしょう。

ポイント

・事業目的は書きすぎない
・事業目的に反する行為はペナルティを受ける可能性がある
・会社の事業方針が変わったら定款の目的変更の手続きを行う

事業目的を決める際の注意点

たくさん書き過ぎない

事業目的はいくつ記載しても構いません。

すでに説明したように、将来的に行いたいと考えている事業も記載できるのでたくさん書くこともできるのです。

しかし、@事業目的が多過ぎると対外的に「何をしている会社かわからない」という印象を持たれる可能性があります。@@

取引先や金融機関からの見られ方を考慮するとたくさん書き過ぎるのは避けた方が良いでしょう。

事業が増えた場合に追記すれば良いので、起業段階では5〜10個程度に留めておきどのような会社か明確に打ち出すのが適切です。

許認可業種(許認可事業)の取得義務があるかを確認するに注意!

設立する会社の業種によっては、事業を始める前に許認可を受けたり届出の提出が必要になったりするものがあります。

会社として許認可が必要な事業を行う場合は、申請に際して、会社の定款を添付書類として提出する必要があり、@事業目的にはその許認可を受ける内容について明記されていなくてはなりません。@@

▲許可が必要な事業の例
例えば、古着、古本などを扱う場合は「古物商」、カフェや旅行に関係する場合は「飲食店」、そのほか「一般貨物自動車運送事業」、ヘアサロンなどの場合は「理容所」「美容所」といった許認可を受けなくては営業できません。

許認可を受ける内容によっては、事業目的の文言が定型文として決まっているものもあるため、許認可が必要な業種において事業目的を記載する場合は、許認可の要件とあわせて、書きぶりについてもあらかじめ確認しておきましょう。

定款の事業目的に違反するとペナルティがある

@原則、会社が定款に記載のある事業目的に反して取引を行ったとしても、刑事罰や行政罰を受けることはありません。@@

民法に則った場合は取引が無効になるケースもあり、その場合は取引額の返還を要求されることもあるでしょう。

また、オーナー株主が会社の利益に反する行為をした際にも影響があります。

オーナー株主の利益に反する行為に対して、他の株主や債権者が「事業目的違反」を根拠に取引などの無効を訴えるケースも考えられます。

訴訟の結果、事業目的の違反が認められた場合は取引を無効にすることが可能です。

またオーナー株主の行為が明らかに利益に反していたときには特別背任罪に問われる可能性もあります。

@こうしたトラブルを避けるためにも適切な事業目的にしておくことが大切です。@@

後で変更することも可能

@会社は定款の事業目的に記載された事業しか行うことしかできません。@@

そのため、新しい事業を立ち上げる場合は定款の変更をする必要が出てきます。

前述したように事業目的に反する取引を行っているとトラブルに発展しかねません。

@事業の方針が変わったのであれば、まずは事業目的を変更しましょう。@@

定款の変更は会社の本店所在地を管轄する法務局で手続きを行います。

目的変更を登記する場合、定款変更が求められてから2週間以内という期限が設けられているので注意が必要です。

また、事業目的を変更する場合の申請では、追加したい事業目的だけを書いてはいけません。

登記事項証明書に載せたい事業目的を全て記載しないと、すでに登記のあった目的が削除されてしまうのです。

変更の際には登録免許税の3万円が必要なので、なるべくまとめて手続きをするのが良いでしょう。

ポイント

・事業目的は書きすぎない
・事業目的に反する行為はペナルティを受ける可能性がある
・会社の事業方針が変わったら定款の目的変更の手続きを行う

事業目的が決まったら

事業目的が決まったら、定款の認証を受けます。

定款の認証後、定款を含む登記書類一式を法務局に提出し法人の登記にかかる手続きは完了です。最後に、事業目的が決まったあと、定款の認証を受けるまでの流れについても合わせて説明します。

抜け・漏れがないかを再確認

定款の認証を受ける前に、事業目的に抜け、漏れがないかを再確認しましょう。

「事業目的を決めるために」にて説明した内容が一つでも欠けていた場合、認証がなされなかったり、登記後、会社としての活動に不都合が発生したりする場合があります。

定款の変更にかかる手続きと費用

定款が認証され、会社の登記手続きが済んだ後に事業目的に変更があった場合は、定款の変更手続きを取らなくてはなりません。

その場合、株主総会の開催による特別決議に加え、3万円の登録免許税を要します。

会社法には罰則規定がないため、定款に記載した事業目的以外の事業を行なった場合でも、罰せられることはありません。

しかし、民法のルールでは、会社が事業目的に違反する行為を行った場合には、その行為は無効と定められています

会社が行った行為が無効となった場合、その行為によって得た利益はすべて不当な利得(法律上の原因に基づかない利益)と判断されることになるため、事業目的を変更する必要が発生した場合には、事前にきちんと定款の変更手続きを行ないましょう

定款を作成して、公証役場で認証を受ける

事業目的のほか、商号(会社の名前)、本店所在地、株式、株主総会、取締役及び取締役会、資本金などの項目について決定し、所定の様式に記載すると定款の作成は完了です。

定款を作成したあと、公証役場にて公証人から定款の認証を受けます。

定款認証の申請方法には電子と紙の2種類があり、いずれの申請方法でも、定款認証には手数料50,000円、謄本(写し)の交付には手数料約2,000円がかかり、紙による申請の場合はさらに40,000円の収入印紙が必要になります。

関連記事:会社設立に必要な法務局での手続き方法は?法人登記に必要な書類

定款の作成について、お悩みの際にはまずご相談を

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会社設立の際の基礎となるのが事業目的の設定です。検討するべき内容は多岐に渡りますが、入り口でつまずかないよう、専門家の知識を活用してスムーズにスタートを踏み出しましょう。

経営サポートプラスアルファ(KSP)では、これから会社を設立する方向けに、会社設立時のサポートをしております

また、設立時だけでなく、お客様の財務状況や業界動向を分析します。

現在の組織や目指しているゴールを理解し、財務戦略から企業成長まで、長く期間でコンサルティングいたします。

会社の財務状況や今後の事業計画にお悩みの際は、ぜひお気軽にご連絡ください。