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合同会社の資本金の決め方!最低金額や出資について解説

会社設立の事業目的も明確化し、いざ法人を設立して起業する際に迷うのが資本金です。

会社を設立する場合、資本金はいくらでスタートするべきなのかわからず悩む方が多くいます

会社設立において、実は資本金も重要なポイントの1つです。

事業目的がしっかりしていても、資本金を間違えると起業してもすぐに躓くことになってしまうかもしれません。

そこで今回は、合同会社を設立する際の資本金の決め方や資本金が少ない際のデメリットを中心に紹介していきます。

合同会社の最低資本金

新会社法により1円でも設立可能

新会社法によって、資本金は1円から設立が可能になっています

これは、合同会社だけでなく株式会社も同じです。

出資者の人数に注意

ただし、合同会社と株式会社では少し異なる点があります。

合同会社の場合には、会社を構成する「社員」の全員が出資者である必要があります

そのため、合同会社設立の際に、社員の数に応じて最低資本金が変わってくるのです。

例えば、合同会社を設立した時に社員が2名なら、各1円の出資で2円が最低資本金となります。

その点、株式会社では何人が社員であっても、1円から設立することが可能です。

最低金額での資本金で設立するケースは少ない

ただし、合同会社・株式会社どちらにしても、最低資本金で設立する方はあまり多くありません

資本金があまりに少額である場合、どうしてもマイナス要素が出てきてしまいます。

資本金は外部からすれば信用性の指針になります

あまり低い金額だと信頼を得られない可能性が高くなるのです。

そのため、最低資本金で会社を設立する方は少なく、ある程度まとまった金額にすることが多いです。

資本金の払い込みは現金でなくても現物出資が可能

資本金を用意するときに、「現金で用意しなければならない」というイメージを持っている方がいらっしゃいます。

しかしこの認識は間違っており、必ずしも現金で用意する必要はありません

「現物出資」というものがあり、現物を出資することで資本金とすることができます

現物出資としては、「動産(パソコンや車両など)」「不動産(土地・建物)」「有価証券(株券・国債・社債)」「金銭債権(貸付金)」「無形の財産権(特許権や著作権など)」などが挙げられます。

これらに出資することで、資本金に組み込むことができるのです。

後々に出資したい場合や出資者を増やす場合

新たに社員を増やすなど、会社設立後に出資を増やしたい場合など、下記の内容を変更する場合は、その時から2週間以内にその旨の登記申請をしなければなりません。

  • 商号
  • 本店
  • 会社設立の年月日
  • 目的
  • 資本金の額
  • 社員に関する事項
  • 登記記録に関する事項

このため、登記後に出資額を増やし、資本金額を変更したいのであれば、もう一度登記をし直す必要があるのです。

このため、新たな出資などは想定せずに、合同会社を設立するのがおすすめだと言えます。

出資したけれど登記変更しなくて良い場合

例外として、出資したけど、登記変更をしなくて良い場合もあります。

合同会社では、出資された額を資本剰余金に割り振ることができます。このため、資本金の金額を変動させないままの出資が可能なのです。

資本金額を変更しない場合は、出資を増やしても、登記の変更をする必要はありません。

ポイント

・合同会社の最低資本金は1円!
・現物出資も可能なので、不動産などを資本金にすることもできる。
・設立後に出資することもできるが、資本金額を変更するのであれば、登記変更の手続きが必要。

合同会社の資本金の決め方の基準3選

では、合同会社の資本金を決める際はどんな点に気を付けると良いのでしょうか。

①運転資金に必要な額を考える

資本金は、事業開始から儲けが出るまでの運転資金と考えると良いでしょう。

このため、3ヶ月~半年の運転資金になる程度の額を選ぶのが標準的です。

②融資を受けるかどうかで考える

会社設立直後や、その後などに融資を受けることを想定しているのであれば、資本金は多い方が無難です。

金融機関にとって、資本金というのは信用力になるからです。

資本金額が多ければ多いほど、体力のある会社だと判断され、金融機関からの融資を受けやすくなります。

お金がないのであれば、少額にしてしまうのも一つの手ですが、融資を見据えた経営のためには、少しでも高額な資本金額が無難です。

③業界で考える

もはやさまざまな業界に進出してきている合同会社ですが、業界によって資本金額の平均は異なります。

詳しくは、下記の記事でも紹介しておりますが、

業界によって運転資金も異なれば、資本金に対する考え方も異なります。

金融系であれば多め、IT系であれば必要最低限、など自分で判断していくことが大切です。

ポイント

合同会社の資本金は、①運転資金に適正な額か、②今後融資を受けるときに信頼を得られる額か、③業界として不適切な額ではないか、といった点を見て決める。

会社の資本金が少ない場合のデメリット

外部からの信用性が低くなる

合同会社設立する際に資本金が少ない最大のデメリットは、信用を得にくいことが挙げられます

資本金額は、登記事項となっているので履歴事項証明書(登記簿謄本)でチェックすることができます。

法務局に行けば履歴事項証明書は数百円で得られるため、始めての取引の際にチェックされる可能性があるのです。

一般的にリスクを抑えるため、取引先には信用できる会社を選択するものです。

取引先の選択に迷った際に、「資本金1円の合同会社」と「資本金500万円の合同会社」があったらどちらを選ぶでしょうか。

資本金は倒産時には返ってこないお金であり、それだけに資本金が多額になるほど信用できると考えられます

そう考えれば、資本金500万円の合同会社を選択することでしょう。

このように、資本金が少ない場合には外部からの信用性が低くなるというデメリットがあるのです。

信用性が低いことで、取引に応じてくれない確率が高くなり資本金が少ないのはマイナス要素になりかねないのです。

融資が受けにくい

法人化して事業を展開していく場合、融資を必要とするケースもあるでしょう。

開業したてで利用しやすい融資と言えば、日本政策金融公庫や信用保証協会付融資等の公的融資が挙げられます。

しかし、これらも資本金が少ないとマイナスになってしまいます。

日本政策金融公庫などの公的融資機関は、一般的に資本金の2倍を目安にお金を貸してくれると言われているからです。

そのため、資本金を少なく設定したことで融資を得られず、会社の運営資金が底をつくという事態になりかねません。

資金がショートすれば、黒字でも倒産することはあります。

融資を申し込むことになる可能性を頭に入れて、資本金を設定するべきです。

帳簿も面倒なことになりやすい

資本金を少額にしたことで、帳簿の計算も面倒なことになる可能性があります。

どんな事業を展開するにしても、経費は必ず発生します。

もし資本金を1円にしていた場合、経費が払えないことになってしまうのです。

それでは帳簿の計算が面倒になってしまうため、帳簿の面でも資本金が少ないのはデメリットと言えるでしょう。

銀行口座が開設できない

銀行口座が開設できない可能性もあります。

そもそも、銀行とは会社からお金を大量に預かり、それを貸すことで利益を出している民間の企業です。

資本金が少ないと、結局は信用力がないと判断され、返済見込みが低いと判断されます

資本金が少ない場合のリスク

・信頼性が低くなる。
融資が受けづらい。
・帳簿が面倒なことになってしまう。
・銀行口座開設ができない場合がある。

なぜ合同会社が選ばれる?人気の理由と平均資本金額

合同会社が人気の理由

合同会社設立の資本金は、1円からできて自由度が高いです。

気軽に起業できるという意味で、非常に人気を集めています。

合同会社への世間的なイメージ

気軽に起業できるというメリットから、「会社としての信頼性が低いのでは?」と思われがちですが、決してそんなことはありません。

アマゾンやGoogleなど、世界的な大企業も合同会社であることから、むしろ、合同会社は先進的な会社だと判断されることが多くなってきました。

だからこそ資本金の決め方はポイント

合同会社はまだ歴史の浅い会社形態だからこそ、資本金が信頼度を示す重要な尺度になります。

資本金は外部からでもチェックできるため、会社の信用性に関わるポイントなのです。

そのため、あまり少ない金額に設定すれば、信頼度が低くなり融資などでもデメリットです。

資本金の決め方としては、合同会社だからこそ、ある程度の信用を得られるほどの金額に設定するべきです。

ちなみに、合同会社設立の平均的な資本金は50万円~300万円ほどとなっています。

平均程度の資本金に設定しておくことで、外部からの信用も得やすいと考えることができるでしょう。

注意!業界によって資本金額による制限がある?

資本金は1円でも会社を設立することは可能ですが、事業内容によっては制限があるので注意してください。

許認可事業では、資本金の要件がありクリアする必要があります。

要件がクリアできなければ、会社を設立しても認可を得られず事業をスタートさせることができません。

資本金の要件がある許認可事業としては、一般建設業や一般労働者派遣事業などが挙げられます

一般建設業では自己資本が500万円以上、一般労働者派遣事業では2,000万円×事業所数が必要です。

許認可は業種・形態によって細かく規定されているため、設立前にチェックしておくことが重要です。

また、資本金の金額によって税金にも変化が生じます。

以下の税金が資本金によって違いがあるため、それらも考慮しながら資本金を決めるべきです。

資本金と登録免許税

合同会社を設立する場合、登録免許税がかかります。

登録免許税は、6万円もしくは資本金の0.7%の高い方となっています。

ちなみに、株式会社では登録免許税が15万円もしくは資本金の0.7%の高い方となっており、合同会社の方が低額で設立することができるのです。

資本金と消費税納税

合同会社を新しく設立した場合、2年間の消費税免税措置の恩恵を受けることができます。

これは、1期目・2期目は消費税課税の基準になる期間が存在しないため、基本的に2年間は消費税納税が免除となるのです。

ただし、資本金が1,000万円以上ある場合、この免除は適用されず1年目から消費税納税の義務があるので注意が必要です。

資本金と法人住民税

法人化すると税金として法人住民税があり、会社が登記している都道府県・市町村に法人住民税を収める必要があります。

法人住民税は法人税割額と均等割額から構成されており、赤字になったとしても均等割だけは払わなければいけません

そして、この均等割額の税率は資本金の金額によって金額が異なります。

資本金額が1,000万円以下・1,000万円~1億円・1億円~10億円・10億円~50億円・50億円以上で区分されているため、合同会社を設立する場合には資本金を1,000万円以下に抑えておくのがいいでしょう。

資本金の決め方に悩んだら

事業目的を決めて、いざ法人化しようとする際に悩みやすいのが資本金についてです。

資本金は外部からの信用に関わるため、実は重要な要素の1つとなっています。

もし、資本金にお悩みならぜひ経営サポートプラスアルファにお気軽にご相談ください。お客様の財務状況や業界動向を分析し、財務戦略から企業成長をサポートしています。

税務・金融および企業財務に関する専門的知識を持っているため、経営・財務コンサルティングのプロフェッショナルとして、多角的な方面からアドバイスが可能です。

合同会社設立の資本金や法人化してからの税務・財務などで疑問や不安がある場合には、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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